【連載】エンジニアによるデータ活用のビジネス支援とは ~データ基盤構築プラットフォーム:SSP(Smart Strategic Platform)の導入事例~

データ活用をシステム面から支援するDE本部の魅力に迫るべく、ブレインパッドに転職した中途入社社員の声をお届けする連載企画。今回は、エンジニアリング推進部で開発したデータ基盤構築プラットフォーム(通称:SSP)について、導入事例も交じえながら、分かりやすくお伝えできたらと思います。

※前回公開したエンジニアリング推進部の紹介記事はこちら
 【連載】DX時代に求められるエンジニア組織を目指して~データエンジニアリング本部の横断組織を担う”エンジニアリング推進部”のご紹介~

こんにちは。人事部の島﨑です。

前回のエンジニアリング推進部についてのご紹介記事は皆さんいかがだったでしょうか?
特に同部で取り組んでいるSSP(※)は「安く・早く・高品質なデータ基盤が手に入るプラットフォームである」という説明もある一方、「インフラ売りにも、ツール売りにするつもりもない」という話もあり、難しく感じられる内容だったのではと思います。
今回は、より分かりやすくSSPをお伝えするため、顧客対応チーム(下記組織図参照)でSSPのプリセールスを行い、導入のPMまで担われた西澤さんのインタビューをお届けします!

※SSP(Smart Strategic Platform)とは
データ分析に最低限必要とされる機能を実装したデータ基盤。インフラは全てコード化されており、短期間かつ安価にクラウド上でデータ基盤の構築を可能とする当社独自のソリューション。セキュリティ要件を実現した状態のため、本番環境と同等レベルでPoCができる点も強み。


データエンジニアリング本部 エンジニアリング推進部2G グループマネジャー西澤さん
(入社6年目。ブレインパッドでは、自社製品「Rtoaster(アールトースター)」のプリセールス、ビジネスコンサルタント、データエンジニアリング案件のPM/PL等、幅広い領域で活躍)


ーー本日はよろしくお願いいたします。前回のエンジニアリング推進部の紹介記事は読まれましたか?

はい。読みました。気が引き締まる内容でした(笑)。

ーーぜひ秦さん(エンジニアリング推進部長)に続いて、西澤さんの熱いお言葉をいただけたらと思います(笑)。まず、西澤さんのこれまでの経験を教えていただけますか?

私は新卒でパッケージソフトの開発エンジニアからキャリアをスタートしています。
その後、前半はエンジニアを軸としたキャリアですが、顧客に向き合う中で必ずしもシステムで解決する必要はないのでは、という考えに至り、後半はデジタルマーケティングの支援会社や出版社でのメディア立ち上げ等、ビジネスやマーケティングを軸としたキャリアを積んできています。エンジニア、ビジネス双方の立場で経験をする中で、データ活用を自分の仕事にしたいという思いが強くなり、ブレインパッドに入社しました。

ーーデータ活用を自分の仕事にしたいと思った理由を教えていただけますでしょうか。

一貫してデータに関わる仕事をしていたからだと思います。エンジニア時代は、CRM関連のパッケージ開発や受託開発をしていたので、顧客データを扱っていましたし、プロデューサーやメディアに関わるビジネス時代においても、デジタルを活用したマーケティング施策を行っていたので、常にデータには触れていたと思います。
ビジネスにおいて、データを活かしていくことが重要であると強く感じるようになった一方で、専門的な知識やスキルがないと実現することが難しいと感じることも多かったので、データを専門とする会社で知見を深めたいと思い、転職しました。

当時、1人目の子どもが生まれたばかりだったのですが、将来子どもに誇れる仕事をしたいと思っていて、ブレインパッドでデータに関する仕事をすれば、それが叶うと思いました。ブレインパッド以外の会社は受けず、応募もHP経由で直接エントリーしたんですよ。

ーーそれはすごいですね!エンジニアやビジネス、顧客支援会社、事業会社など、さまざまな立場で経験をされてきた西澤さんだからこそ、データの重要性が分かるのですね。

そうですね。データドリブンの経営が本当にできているのか?できていたとしても長いスパンになってしまっているのではないか?といった疑問は、デジタルマーケティングの会社や出版社時代によく感じていました。
本来、データを活用することでビジネスをクイックに回すことができるはずなのに、基盤を素早く拡張できない、体制が追いつかない等の課題があり、難しくなってしまっていると私は考えています。そうした課題を解決したいという思いからブレインパッドに入社したので、SSP(Smart Strategic Platform)の取り組みは、自分の目指す方向と合致していると思っています。

ーー昨年、実際のプロジェクトにもSSPを導入されましたよね。そのプロジェクトの概要についても教えていただけますでしょうか。

はい。SSPを導入したのは、モバイル関連事業を展開している海外の子会社になります。その企業様は、現地の中・低所得者層向けにスマートフォンの割賦販売サービスを提供していて、機械学習モデル等を活用する事で割賦販売に伴うリスクを未然に防ぎたいというビジネスニーズがありました。具体的には、過去の支払い状況等から信用度を自動で審査する仕組みとなります。もともと当社のビジネスコンサルと一緒にPoCを進めていたのですが、本番環境を構築する話に進んだため、データエンジニアリング本部の方でプロジェクトを主導することになりました。現地のベンダーが当社の半額以下の金額で提案していたのですが、最終的には当社を選んでいただきました。

ーーそれだけの金額差があっても当社をご指名いただいたのですね。

その企業様のプロジェクトオーナーやマネージャーが日本人の方で、初期段階で適当なものを作ってしまうと後々大変なことになることを理解していらっしゃいました。
また、金融データを扱うことから、高いセキュリティや品質を担保したいという要望もあったからだと思います。もちろん、SSPの導入により短期間・低コストで実装できる点も決め手になりましたね。

ーー実際に短期間・低コストで実装を進められたのでしょうか?

期間で言うと、プリセールス段階を1ヶ月程経て、要件定義から開発、納品まで約3ヶ月半で完了しました。SSPの導入がなければ、おそらく半年ぐらいの期間は要していたと思います。また今回のプロジェクトでは、SSPと一緒に機械学習モデルを実装し、結果として支払い情報や機械学習モデルの精度等を可視化するツールも提供する必要があったので、SSP単体であれば1ヶ月半程度で納品できたと思います。
コストについては、スクラッチの開発と比較して5割〜6割の金額が削減ができていると思います。

ーー高いセキュリティ品質を担保した上で期間やコストを大幅に削減できるのは、とても魅力的ですね。SSPとしては初めての導入だと思うのですが、苦労した点や大変だった点はありましたか?

初めての導入ということもあり、やはり想定していなかった対応事項は出てきました。そこで、お客様に迷惑が掛からないよう、開発メンバー含めてリソースを全力投入して対応しました。そのおかけで、SSPは更に洗練されたと考えています。プロジェクト運営としては、先程お伝えした通り、SSPの導入だけでなく機械学習モデルや可視化ツールの実装も必要だったので、コンサルタントやモデルを組み込むエンジニア等、多くの社内関係者を取り纏めるという点で大変でしたが、やはりお客様との調整が1番苦労した点かもしれません。

顧客利用イメージ

ーーお客様との調整では何が大変だったのですか?

海外子会社の方は日本語も英語も通じないので、コミュニケーションを取るのに苦戦しました。先方のプロジェクトマネージャーの方がとても優秀な方で、現地の言葉も英語もできる方だったので、ほとんどのコミュニケーションは通訳いただけたのですが、やはり言葉の壁は大きかったです。更に、技術やセキュリティに対するリテラシーも日本のレベルとは異なるので、リテラシーに合わせた伴走も必要でした。
SSPはスクラッチの開発と比較して、簡単に導入ができる分、ドキュメントをたくさん用意しているのですが、ドキュメントに記述している技術をそもそもご存じないということもありました。またセキュリティを加味しないで要望をいただくこともあったので、要望に対するセキュリティのリスクを1つずつ説明して理解いただきました。
当時は、いくつかの案を並べてそれぞれメリット、デメリットを記載したプロコン資料をたくさん作成しましたね。複数案を提示することで、より理解いただいた上での最適な案を提案することができました。

ーープロジェクトを終えて、クライアント企業様から何か反応はありましたか?

まだ導入したばかりなので、ビジネス貢献がどれだけできたのかは今後の運用次第ではありますが、もともと企業様自身で運用したいというお話だったので、技術やセキュリティの内製化をご支援できたのではと個人的には思っています。
世の中的には難しい挑戦にはなりますが、SSPを活用することでアジャイル的な経営が促進されるようなものにしていきたいと考えています。今回の導入経験も活かしながら、今後のプロジェクトも、そうしたSSPのビジョンを実現するものにしたいと思っています。

ーー今後のSSPは、ビジネスニーズに合わせて拡張していくと思いますが、西澤さん視点で「こんな取り組みや提案をしたい」等のイメージはありますか?

SSPを導入して終わりにするのではなく、ビジネス促進に必要なオプションやアプリケーションを開発していくことは必須になるので、社内の他部署や外部パートナーと連携してプロジェクトを進めることが今後増えてくると思います。例えば、今回はコンサルタントやモデルを組み込むエンジニアとの協業でしたが、分析結果を元に当社の自社製品であるRtoasterと連携していくストーリーも描けると思っています。
データに関わるソリューションを一貫して保有できているのは、ブレインパッドの強みでもあると思うので、顧客のビジネスニーズや課題に合わせて、組み合わせながら提案できることは、とてもワクワクすることだと思っています。


ーー導入事例をお聞きして、SSPの活用がクライアントのクイックなビジネス展開を促すものであるとイメージすることができました。
今後のSSPの展開がとても楽しみです!本日はありがとうございました。

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