高専生の「技術力」と「個性」が輝く場所。ブレインパッドで広がるキャリアの新たな選択肢

「地元企業への就職か、進学か」。 多くの先輩たちが歩んできた道は安定しているように思えるものの「本当にこの選択でいいのだろうか?」「自分の技術や個性をもっと活かせる場所があるのでは?」と感じている高専生も多いのではないでしょうか。

中学校卒業後、5年一貫で高度な専門技術を学ぶ「高等専門学校(高専)」。そこで培われる「基礎からしっかり学ぶ力」と「手を動かして本質を確かめる姿勢」は、実はデータサイエンスの最前線でこそ輝く武器となります。 特にブレインパッドには、高専卒業後に大学へ編入したり、専攻科を経て大学院に進学したりと、あえて卒業後すぐの就職を選ばずに、専門性を深めてきたメンバーが多く在籍しています。

今回は、まさにそうした多様なキャリアを歩んできた3名と人事担当者に集まってもらい、高専出身者だからこそ活かせる強みと、ブレインパッドの魅力について語ってもらいました。

高専で統計や情報を学び、ブレインパッドへ

──まずは皆さんから自己紹介をお願いします。

山田
データサイエンティストとして、広告代理店と一緒に新しいサービスを作る仕事に携わっています。主にPythonを使った統計処理などを担当しています。出身は東京高専の情報工学科です。高専在学中に統計学の授業をきっかけに、統計を仕事にできないかと考え始めました。

田島
サービス推進部に所属しており、カスタマーサクセスとして、自社プロダクトのレコメンドツール「Rtoaster(アールトースター)」やマーケティングオートメーションツール「Probance(プロバンス)」の導入・運用支援を行っています。具体的には、放送、ホテル、百貨店など、多岐にわたる業界のお客様をサポートしています。富山高専の機械・電気・情報の複合学科出身で、専攻科では材料力学のシミュレーション研究をしていました。その後、社会科学系の大学院に進学しました。

民谷
機械学習エンジニアとして働いています。現在は金融機関と一緒にアプリケーション開発をするプロジェクトと、自動車メーカーとのプロジェクトでプロジェクトマネジャーを務めています。福井高専の電子情報工学科出身です。地元就職も考えましたが、もっと広い世界を見たいと思い大学に進学し、その後大学院で機械学習系の研究室に所属しました。

木原
私は入社して3年ほど経ちます。これまでの新卒採用担当としてのキャリアを通じて、高専出身の方々は非常に優秀だという印象を持っていました。ブレインパッドには高専から進学後、さまざまな経緯を経てブレインパッドに入社された方がいらっしゃることを知り、「高専出身者の方にお話しいただいたら、面白い企画になるのでは」と考えていました。高専ならではの学びや経験が、ブレインパッドでどう活かされているのか、魅力を伝えられればと考えています。

「ゲームを作ると思っていた」高専で見えた学びのリアルと価値

──高専時代はどのようなことを学んでいましたか?

民谷
電子情報工学を専攻し、プログラミングなど情報系に加えて、電子回路や電磁気などの電気系も学びました。情報系に関心があったため、当時は少し物足りなさも感じていました。というのも、実務で使われている最新の言語やツールよりも、教育目的の古典的な言語を使うことが多かったからです。例えば、バイト単位でメモリを操作するようなレベルから手書きでプログラムを書くような実験があり、貴重な経験でしたが「このまま社会に出て大丈夫かな」と少し不安に感じることもありました。

山田
民谷さんからのお話しのとおり、高専は基礎をしっかり学ぶ時間がとても長いですよね。私のいた情報工学科もそうでした。高専は1年生から専門的な内容に触れられるのが特徴で、3年生(高校3年相当)からは本格的にプログラミングを学びます。最初は皆プログラムが思うように動かなくて挫折感を味わいますが、乗り越える経験も大切だったと思います。

高専入学時点で「ゲームプログラマーになりたい」という人が多いんです。元々は私もそうでした。特に、東京高専はポケモンの生みの親である田尻智さんが通っていたこともあり、「ゲームが作れるようになる」と思って入学する人が結構いるんです。でも実際の授業ではゲーム開発を直接教えるわけではないので、ギャップに戸惑う人も多かったことをよく覚えています。

田島
私は、お二人のように情報系に特化していたわけではなく、電気・機械・情報という複合学科だったので、幅広い経験をすることができました。工場でボルトやナットを作ったり、回路を作ったり、プログラミングをしたりと、多方面の実習がありました。選択科目も多く、興味があるものは全部履修するようにしていました。特に印象に残っているのは、専攻科1年生(大学3年相当)の時にあったPBL(Project Based Learning)の授業です。例えば「扇風機の風に向かって進む車を作る」「坂から下ってギリギリで止まる車を作る」といった課題にグループで取り組むものです。機械学科や化学学科など、さまざまな専攻の学生が一緒になって問題解決に挑戦しました。


未来の選択肢を広げるために ─ 大学・大学院へ進学した理由

──高専から大学・大学院へ進学した理由を教えてください。

民谷
一般的に、情報系の最先端技術は都市部の企業に多く集まっています。地元を離れ、より広い選択肢の中で自分の適性を見極めたいと考えました。高専卒業時点では、具体的に何を専門にしたいか明確ではなかったので、納得感のあるキャリア選択を目指したかったんです。さらに、大学院へ進学した結果、機械学習という今の自分の強みとなり「これをやりたい」と思える分野を見つけることができました。

山田
民谷さんと同じように、私も自分のキャリアの選択肢を広げたいという思いを強く持っていました。高専卒業時の就職では、やりたいと思っていたデータサイエンティストの募集がなかったことが大きな理由です。当時、高専からの就職は主に現場エンジニアや工場での生産管理といった職種が中心で、データサイエンスの分野はまだ一般的ではありませんでした。

また、高専卒という学歴が、キャリアを考える上で少し不利に感じられる場面もありました。高卒ではないけれど、大卒とも違う。キャリアを考えると、大学・大学院という学歴を積んだ方が選択肢が広がると思いました。理系のキャリアでは院進学が当たり前になっていることも影響しています。

田島
私も山田さんと少し似ていて、高専卒業後の就職先に違和感があったのが一つのきっかけでした。高専本科を卒業するタイミングで、地元富山での就職か専攻科への進学かを迷いましたが、インターンシップで体験した地元企業の工場の管理業務などに興味とのズレを感じたんです。
そこでまずは専攻科に進み、材料力学のシミュレーション研究を続けました。ただ、専攻科での学びを深めるうちに「もう少し違う研究をしてみたい」との気持ちが強くなり、特に人間の動きを扱うシミュレーションに興味を持つようになりました。そこで社会科学系の大学院に進学し、社会問題の研究を行いました。


入社後も学び続けられる環境がブレインパッドの魅力


──就職活動はどのような軸で行い、最終的になぜブレインパッドを選ばれたのですか?

山田
私は高専3年の時にはもうブレインパッドを第一志望にしていました。高校3年生(高専3年)の時に授業で学んだ統計学に興味を持ち、どうやったら統計学を仕事にできるかを調べたところ、2016年頃にデータサイエンスというワードと出会いました。その流れでブレインパッドを知りました。修士1年で就活を始めるまでの約7年間、ブレインパッドを目指していたことになります。

就職活動では、ブレインパッドともう2社ほどインターンに参加しました。特に新しくできたばかりの事業会社でもインターンを経験しましたが、そこでは「少人数なので入社したらすぐに中心メンバーとして活躍してほしい」との雰囲気があり、少し不安を感じました。自分としては、データサイエンティストとしての経験を積み、しっかり実装できるレベルまで成長できる環境を求めていました。

ブレインパッドはこれまでのサービス実績もしっかりあり、、研修制度も充実していること、またオンラインでのインターンでしたが社員の方々の雰囲気が良いと感じたことが大きかったです。フラットにコミュニケーションできる環境だと思いました。

田島
私は「データをもとに問題解決すること」を重視していました。また「社会に対して良いことをしたい」という思いも強く持っていて、ミッションが明確な企業を探していました。

ブレインパッドのインターンシップに参加し、私の発言内容に対して「それを主張したいなら、こういう情報も必要だよね」と建設的なフィードバックをもらえたことが印象的でした。雰囲気に惹かれました。

民谷
大学院で機械学習系の研究をしていたので、社会実装という観点からデータサイエンティストの職種を探していました。事業会社のデータサイエンティストも検討しましたが、扱うデータが限定的になりがちだと感じました。その点、ブレインパッドのような受託分析の会社ならさまざまな業界のデータに触れる機会があると考えました。その後、面接の中で私の志向性から機械学習エンジニアを薦めていただき、今に至ります。

また、ブレインパッドは社内で勉強会が盛んに行われていることが魅力でした。自分で勉強することも大切ですが、会社として学びの仕組みがあり、みんなが学び続けている環境の方が自然に成長できると思ったんです。


高専で培った「学び方」が今につながる

──高専で学んだことがブレインパッドでの仕事にどう活かされていますか?

民谷
最も実感するのは、プログラミングのバグ対応でしょうか。高専1年生からプログラミングをやってきたことで「ここが原因かも」と当たりをつける力が身についていることに気づきました。エラーが出た際、メッセージが指し示す場所だけでなく、その意味を読み解いて根本的な原因を特定する力は、高専時代にC言語のコードと格闘した経験があったからこそだと思っています。あの時の苦労が今の実力に繋がっていると感じており、技術的な問題への対応力という点で、大きな財産になっています。

山田
民谷さんの話、とても共感します。プログラミングの基礎体力というか、エラーを見ても怯まない精神は高専時代に培われたと私も感じています。高専で学んだことが直接ビジネスに活きるかと言われると、少し距離はあるかもしれません。ただ、確実に土台にはなっています。高専時代に苦しみながら学んだプログラミングの経験は、今のPythonコーディングにもつながっています。

また、レポート作成や発表の経験も役立っています。専門性を求められる職場においては、高専で培った基礎力が大切な土台になっていると思います。

田島
私もレポートや発表資料の作成スキルが役立っていると感じています。資料の構成や、わかりやすい説明の仕方について褒められることがあります。また、私は入社時にHTMLやJavaScriptなどの知識はなかったのですが、お客さまのWebサイトを見て構造を理解したり、うまく動かない場合に原因を推測したり、要望に対して書き方を提案したりすることに、抵抗がありませんでした。高専で実践しながら学んできたことが、新しい技術に対応する力につながっていると思います。

「社会を変える」手応えを実感

──ブレインパッドで働いていて、やりがいを感じるのはどんな時ですか?

山田
病院の先生方と一緒に研究をするプロジェクトで、学会発表に行く機会がありました。プロジェクトの大部分を自ら担当して進めていき、最終的に学会発表や論文掲載にまでつなげられました。さらに、その成果を自社のメディアであるDOORSに記事として掲載できたのも嬉しかったです。自分のアウトプットが社会の役に立っているという実感が湧きました。
民谷
金融系のプロジェクトで、クライアントと一緒にアプリを開発して、世に出たときは大きな達成感がありました。日経新聞などのニュースで取り上げられたことで、社会に影響を与えられたという確かな実感が湧きました。
機械学習エンジニアとして5年目に入り、ようやく自分が携わったものが社会に実装されたという手応えを得られたと感じています。ブレインパッドの理念にもある「データ活用の促進」が一つ形になった瞬間だと思います。

田島
「Rtoaster」の導入支援を担当した時のエピソードが印象に残っています。初めて私がメインで担当したプロジェクトで、お客さまのWebサイトの実装に関わる内容や、JavaScriptコードの書き方についての質問に対応しました。お客さま側が忙しい中でリリース直前の状況だったので、すぐに返答しなければならないプレッシャーがありました。必死に調べて回答し、無事にリリースにこぎつけたとき「踏み込んだことにも即座に回答してくれたので助かりました」と感謝の言葉をいただいて、非常にやりがいを感じました。

選択に迷うあなたへ。先輩たちからのメッセージ

──最後に、高専生へのメッセージをお願いします!

民谷
高専出身者は、世間的にはまだ十分に知られていないと感じる部分もありますが、企業側は高専生の良さを理解してくれていることが多いと感じています。高専生の強みはたくさんあります。だからこそ、自信を持って、さまざまな場所で活躍してほしいです。

田島
高専にいると、選択肢が限られているように感じるかもしれません。「紹介される企業に行かなければならない」と思ってしまいがちですが、決してそんなことはありません。ぜひ、本当に自分が興味のある分野に進んで、好きなことに挑戦してほしいです。自分の気持ちを信じて進んでください。

山田
お二人のメッセージに尽きると思いますが、私からは少し違う視点で。高専生は少数派で情報が限られていることが多く、就職活動では孤独な戦いのように感じることがあるかもしれません。ただ、実は選択肢はたくさんあります。目的を持って進路を選べば、どの道も正解になるはずなので、自分がやりたいように進んでいただくのが一番だと思います。

──人事で採用担当を務めている観点から、高専生はどのように見えていますか?


木原
前々職の際にも高専出身者の採用に取り組んでいましたが、その頃から高専出身者が優秀であると感じていました。中学卒業時点で5年間高専に行くことを決断し、自ら学ぶ姿勢も強いのではと思っています。本日お話しした民谷さん、山田さん、田島さんのように、高専で基礎をしっかり学び、さらに自ら選択して専攻科や大学、大学院に進んでいる方は、高専に限らず、学びを深め、自らの専門性や強みを見つけていこうという意志の強さも備えていると思います。

それらは、ブレインパッドで求められる「主体性」と非常に親和性が高く、ブレインパッドだけでなく、社会においても強みとして活かせる要素だと感じています。どこにいても学び続けることは大切ですし、その姿勢が備わっている高専出身者とブレインパッドは相性が良いと思います。学び続けて、その知識を社会の役に立てていきたいという方には、ぜひブレインパッドを検討してもらえたらと思います。

──ありがとうございました!

ブレインパッドでは新卒採用・中途採用共にまだまだ仲間を募集しています。
ご興味のある方は、是非採用サイトをご覧ください!

www.brainpad.co.jp
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