これは、2004年の創業以来、ブレインパッドが掲げ続けてきたPURPOSE(パーパス)です。このPURPOSEに創業者・高橋のどんな思いが込められているのか、そして、このPURPOSEのバトンを受け継いだ現代表の関口が何を想い、何を目指しているのか。この記事では、創業者・高橋と現社長・関口の対談を通じ、PURPOSEに込められた創業の原点から現在地、そして未来への展望を語り尽くします。
※本記事は、以下の動画の書き起こしです。動画もあわせてご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=nfgemTkuUto
- Chapter1. なぜブレインパッドは生まれたのか?
- Chapter2. なぜ持続可能なのか?データなのか?
- Chapter3. ブレインパッドの現在地
- Chapter4. 今後やらなければならないこと。AIを「買う」ではない選択をしたい。
- Chapter5. ブレインパッドが描くこれからの未来。データでチャレンジがしやすくなる社会。
- Chapter6. 社会を善くするために集う。本質に向き合い、学び続ける仲間たち。
- Chapter7. 働く場として何がユニークなのか?
- Chapter8. ブレインパッドが不要になる社会へ。変わり続けることを共に楽しむ。
Chapter1. なぜブレインパッドは生まれたのか?
高橋
当時創業を考えた2003~2004年は「失われた10年」と言われた時代で、まさかそれから20年も続くとは思わなかったですね。その10年で日本が元気ないという中で、これから日本が元気を取り戻すために大事なパーツは何だろうと考えた時に、実感として「これからデータの時代が来るのに、そこに対しての備えがこの国・会社は全くできていないな」と感じたんです。そこのギャップを埋めにいくことは、まだ誰も取り組んでいないことでしたから、僕たちがやることにすごく意味があるなと思いました。
関口
その中で会社を立ち上げて、かなり早い段階で、今で言うPURPOSE(パーパス)のようなものを作られたと思うのですが・・・
Chapter2. なぜ持続可能なのか?データなのか?
関口
今でこそサステナビリティとか皆が言いますけど、当時はそこまで「持続可能な未来」なんて言葉は流行っていなかったですよね。みんなが口にしていたわけでもないと思いますが、そのきっかけはどこにあったんですか?
高橋
僕が生まれた1972年に、ローマクラブが発表した『成長の限界』という報告書の中で、そのことが問われているんですよね。これから社会に出るというタイミングで、もう先進国はある種終わっているというか、このままではいけない、と。自分が高度成長期に育ってきたので、その延長線上に行くかと思いきや、「いや、実はもう先進国は曲がり角に来ています。下手すれば、それは僕が生まれた年から始まっていました」みたいなところがあったので、すごく運命的なものも感じて。
先進国共通の課題として、成長の限界というか、どう持続可能性を高めていくかが大事なんだなというのは、なんとなく心に引っかかっていました。そして起業にあたって大きな目標が必要になった時に、「企業が目指すことって何だろう?」と考えました。もちろん繁栄もあるけれども、それがちゃんと持続可能な繁栄でないと、単純に資源を無駄遣いし、消費して築き上げる見せかけの繁栄では、もう説明がつかない状況にあるなと思ったんです。
その時に考えると、まさにデータで実現できることの一つは、無理・無駄を省きながら、でもある種の豊かさやクオリティは損なわずに実行できること。これはデータを活用した意思決定の素晴らしさだと思うので、ここで繋がるな、と。
関口
私がブレインパッドに出会ったのが39歳なんですよ。40歳以降の自分をどうするんだと思ったときに、だんだん歳もとってきて、何か未来に負債を残したくないなという思いがあったんです。そうなった時に、私の中での「持続可能な未来」の解釈は、「大人が次の世代に負債を残さないこと」なのかなと思っていて。それをデータでやるのは、確かに考えることとか、計算することはできるなと。データを使って計算して論理的に考えることだったら、頑張ってできるかもしれない。それで負債を作らない世の中ができたら、それをやっている会社があったら、それは面白いなと自分の中で解釈して、その言葉を使っていたブレインパッドに出会いました。
Chapter3. ブレインパッドの現在地
高橋
この会社があったことで、日本のビフォーアフターを変えるほどのインパクトを与えられたかというと、点数は辛くて、赤点ギリギリなんじゃないかなという気がします。落第はしない、ぐらいですね。
当時はデータマイニングと言っていましたが、大量のデータを分析する能力が日本は著しく欠けていたので、ここに関するケイパビリティを上げていって社会や企業に提供すれば、それを活用してどんどん世の中が、データ分析能力というものを活用してビジネスを変えていく、というイメージを持ってたんですよね。
ところが、結局データって、ITシステムが入っているところで発生・蓄積されるので、そこで溜まっているデータは、そのシステムが何の用途で使われているのかにすごく制約を受けるんです。そのデータを分析してできることは、そのITシステムが回しているオペレーション、つまり業務の効率化とか改善のヒントなんですよね。
日本は、例外的なネットベンチャーとか、ものすごく先進的にリスクを取って会社を変えた企業以外は、ITシステムをオペレーションというか、裏の管理システムなどのために投入しているので、データを分析してできることはオペレーションの改善に限られてしまう。それもそれで価値があるし、コスト削減にも寄与できるので、僕らはリピートオーダーをもらってきました。でも、そこだけやってもビジネス自体は変わっていかないんです。
関口
日本企業もITの投資は、金額ベースで言ったら実はすごいしてると思うんです。でも、産みの苦しみをしてないんだろうなって。入ってるシステムは大概、海外のソリューションじゃないですか。でも、海外のソリューションができる時には、海外の会社は最初の産みの苦しみを実はしていて。「ITとビジネスは一体で」という言葉だけは僕らにも入っているけど、「一体で」ということは、産みの苦しみから生まれるような気がしていて。
誰かが作ったものを持ってきても別に変わらないし、合わなかったらおしまいです。逆に、自分たちのためにどういうものがあったらITとビジネスが連動して、今までと違うビジネスとか、仕事の仕方ができるのか、サービスが変わるのかという産みの苦しみをせず、実はぽっと横から持ってきちゃって、それを一生懸命入れて、そこに合わせるのが正義だ、みたいな感じの時代はあったと思うんです。でも、そこに産みの苦しみをしてなかったんじゃないかという僕の中の仮説があって。
そうすると、そこで生まれているデータは産みの苦しみをしていないから、有用なデータが取れるわけじゃなくて、実はいらないデータがいっぱい入っていたり、自分にとってこれ何の意味があるのかな、みたいなデータがいっぱい入っていたりとか。そういうのも起きているような気がしたんで、結局データを作るところまで入っていかないといけないし、出た結果で「こうしなきゃいけないよ」というところまで僕らが踏み込まないといけないんですよね。
Chapter4. 今後やらなければならないこと。AIを「買う」ではない選択をしたい。
関口
自分自身もITとかデジタルの業界に、コンサルも含めてですけど、長くずっといるんですが、業界自体がもっと変わんなきゃいけない。表現が難しいんですけど、「デジタルは必要、データも必要、AIも必要」だから、みんな投資の対象にはなっているんだけど、問題なのは「何に投資するか」というよりも、「どう投資するか」とか、何のリターンを得るかというところは、もう前と変えなきゃいけない。モノを買う感覚でITを買っていたところを、本当に生み出すとか、作るとか、考えるとか、前提にとらわれないでゼロベースで考えることも含めて、何かやっていかないと、また同じことを繰り返す。
そうなると、我々のように企業をサポートしている立場のサポートの仕方を、結構根本的に変えないといけないなとすごく感じるんですよね。
データ活用の内製化の話を持ち出したのは非常に大きくて、ブレインパッドで大事にしていることには必ず本質があるじゃないですか。確かに人がいないことは企業にとって悩みなんだけども、それは外から人材を買ってくればいい、というのではなくて、本来は中にいた方がいいよねと、みんなどこかで思ってる。でも、なんとなく難しそうだからやらないで、消去法的に外にいる人を使うという道を選んでいるなと。だったら、本質的に中にいた方がいいんだったら、中に作ろうよ、と。
創業当時は「データでビジネスって何だ?」みたいな感じだったと思うんですけど、今、なんとなく「データは大事」までは世の中のコンセンサスとしてみんな言うようになりました。でも、実際に企業の方々と向き合うと、それを本気で思ってる人はいるんですけど、そうじゃない人も結構いるなと思っていて。「大事」って口では言うけど、どこか半信半疑だし、「他に投資するものがあったらそっち優先しちゃうよ」みたいな人たちも、まだいっぱいいると思ってるんですね。
ということは、まだデータのことを信じてないんだろうな、と。データに投資したらビジネスが変わるとか、仕事の仕方とか生活が変わることをまだ信じていない、信じられていない。つまり、僕らはそれを実証できていない。その実証を仕事にしないと、まだまだダメなんじゃないか。それは、これまでのIT企業がしてきた仕事の仕方じゃないんじゃないかと思っているので、そこは新しいサービスとかビジネスとして展開していってもいいのかなと思っています。データの力を、世の中にもっと信じてもらいたいですよね。
最近は「AIを買いに行く」みたいな感じになっちゃってるところがあって、話がまたすり変わってる気がするんです。データを見ることで世の中にイノベーションを起こせるとか、そういうことをまた通り越して、AIというツールを買いにいっちゃってるところがある。これとは違う生き方をしたいなと未だに思っています。
高橋
生成AIは確かにインパクトはすごく大きいし、データを食わせなくても最初から何でも知ってる状態で存在しています。ただ、企業にとって独自の価値があるものにしようと思うと、独自のデータを食わせなきゃいけない。でも日本はIT投資が十分に足りていない。つまり、企業における全てのビジネスプロセスに対して、ITの入り方が均一じゃないし、下手すると全く入ってない領域とか、あるいは入ってるけど他のシステムと分断しちゃって繋がってない、みたいなところがたくさんある。
この状況だと、やっぱり生成AIを使って何かやると言っても、価値を出し切れないですよね。例えるなら、電動モーターを発明したけど工場にまだ電線が来てません、みたいな状況で。電動モーターで工場を変えろと言っても、まずインフラが全然整ってないんですよ、という話も含めて、帳尻が合ってないところはあると思うんです。
そこのIT活用とかIT導入の底上げと、そうは言いながらも次の時代が始まっちゃってるから、そこの技術をキャッチアップして、うまく繋がないと。投資が遅れている分だけ好循環を生み出せていないハンディキャップがあるのに対して、十分な投資が終わっているところは、「まさに生成AI、待ってました!」という感じじゃないですか。「これを入れるとさらに生産性が上がるよね」とか、「さらに社内でのデータ分析の民主化が進んで、本当に簡単な集計分析レベルは現場の人が勝手に自主的にやれちゃう。そうすると社内のデータサイエンティストがより高度なことに集中できるとか、付加価値を作る方に回れるよね」という時代が来てる会社と、「いやいや、そもそも…」というところのばらつきがすごく激しくなっちゃってる。
関口
逆に、生成AIができてAIブームがもう一回来たことは、生産性を上げる武器になるので、みんなが躍起になるというか、熱狂するのは悪いことじゃない。広がればいいし、普及した方が絶対にいいとは思ってるんですけど、今のままだと普及しない。IT自体を変えないと普及しないし、データをちゃんと良いものにしていかなきゃいけない。
Chapter5. ブレインパッドが描くこれからの未来。データでチャレンジがしやすくなる社会。
関口
「息を吸うようにデータ活用される社会を作る」というのは、まさにこの20年の振り返りの中で見つけた自分なりの言葉なんですけど、どういう社会なんだろうなと考えた時に、今、社員の皆さんにも時々お伝えしてるのは、データ活用の価値は、その人が考えるとか、行動する起点になることだと思ってるんです。そこにデータを使ってもらいたい。
データを使ってできることは何かと思うと、生成AIもそうですけど、データ分析すると一番期待値の高い、「つまらない答え」を出すことができると思っているんですよね。みんなの集合知でできているので、生成AIって当たり前のことを答えてくれるじゃないですか。データ分析も一緒だと思っていて、「一番安全な答えはこれです」というのを教えてくれる。
でも、経営をやってると、この安全な答えからあえてずらして大きなリターンを取る、というのがリスクを取ることだと思っているんですよ。だけど、世の中の経営している人たちが、自分の勘とか経験から出た答えが、実はめちゃくちゃつまんない答えかもしれない。一番リスクがなく、一番つまんない答えかもしれない。それを声高に「やろう!」とか言っても、全然世の中変わらないと思うんです。
だから、データ分析を通じて「つまらない安全な答え」が何なのかを知りたいし、知ることができると思っています。そしたら、この課題については安全でつまらない答えの方が正しいケースもあれば、あえてずらしてリスクを取って大きなリターンを取った方がいい問題の時もあるし、そこの見極めができる。そうなると、いろんな人が結構怖くなくチャレンジできるなって思ったんですね。
経営って怖いものだと思っていて、データ活用が進むと、その怖さが減らせると思っているんです。実は、すごいリスクを取ってチャレンジしてる人が増える社会になるんじゃないか。ブレインパッドはそういう社会を作れる。日本はリスクを取らないじゃないですか。そこのリスクを取らない日本を突破するために、データ活用ができることで、みんなが安心してリスクを取ってほしい。それが「持続可能な未来」の手前の目標になると今は思っています。
天気予報もそうですけど、今日50%の降水確率と出て、傘を持つか持たないかは、最後は自分のリスクでどっちか取るじゃないですか。でも経験値で大体50%だと折り畳み傘でいい、という中庸な答えがありますよね。そういうふうに、ちゃんと答えが出て行動に移せることが、いろんなところで起きるようになることだと思ってるんです。雨が降るかもしれないと思っても、怖くなく準備しておけばいい。そんなことがいろんなところで起きていたら、日本はもうちょっとリスクを取ってチャレンジしていけるんじゃないかな、なんて思ってます。
高橋
安心と安全の違いみたいなところで言うと、100%の安全というか安心はない。リスクは常にゼロじゃないけど、1%しかないものを、50%も60%もあるかのように恐れちゃうのは意味がない。正しく定量化ができると、もっとリスクを取れる人が増えるということですよね。
Chapter6. 社会を善くするために集う。本質に向き合い、学び続ける仲間たち。
高橋
本質を問う部分の重要性というか、そういう思考が好きな人、「そもそも、それって何だっけ?」と考える人が、ブレインパッドには多い気がします。人生の結構な時間を使って、案件によってはストレスを抱えながらやる時に、意味がある仕事なり、意味があるシステムなりを作っていたい。ブレインパッドのメンバーは特にそういう人が多い。いい意味ですごく真面目なんです。
データという制約はありますけど、逆にどんどんデータがカバーする領域が広がってるんで、課題意識の強い人が活躍するには、データサイエンティストに限らず、僕らはいろんな職種を必要としているけど、その中でも共通してる部分は、「世の中を善くしたい」と自分の人生の時間を割きたいと思っている人には響く職場だと思っていますけどね。
本質を大事にするのはブレインパッドの特徴で、日々仕事をしていて、いろんな課題とか問題とかを解決しなきゃいけない時があるじゃないですか。普段の仕事の中でも、「本当はこの問題は、本質的にはこの課題を解かないとまた同じような事象が起きちゃうんだけど、今この瞬間はそこを解いても解ききれないから、この対応をしよう」みたいなことがありますよね。その時につい、「本質的じゃないんだけどさ」って言っちゃいます(笑)。そういう感じで、「これ本質的じゃないんだけどさ」って前置きしてから言う、みたいなのはあるかもしれないですね。それはなぜかというと、その前置きがないと、「それって本質的な話じゃないですよね」と他の社員から言われる気がするから。それがブレインパッドの特徴だなと思っていて。
高橋
基本的に、特に初期の頃にデータサイエンティストとして入社してくれた人たちは、研究者のキャリアを持ってた修士・博士とか、博士課程である程度やってから入ってきた人もいるので、根本がそもそも、ある種の深い思考で考えるのが好きだし、それが生業でした、的な人が多かったのもあります。
そこから、すべてとは言わないまでも、ファクト(事実)に近いデータを見て議論をするとか、データを間に置いてお客様とコミュニケーションする中で、そもそもデータの取り方が間違っていることもあるから、これを疑うことも含めて、本質を問う行為の一つではある。常にそこを解いていないと、数字だけが正しい、データだけが正しいと思っちゃって、本質とはズレてデータが取れているケースだってあるわけです。
だからこそ、常に本質を問う思考がないと、データの表面だけをなぞってしまう。そのデータを疑う気持ちも含めて、本質に向き合うことをやってないといけない、っていうことなんですかね。
関口
研究者は深く研究するのもあると思うのですが、究極的には何かの原理を探しているんだと思うんですよ。世の中の事象がなぜ起きているのかという原理原則みたいなものを探しに行く活動。言い換えれば、事象の中に見えている本質的なものを追い求めるのと似てるのかな、と僕なりに思いました。
ついこの話をすると、深くいくことが正義みたいなところがありますけど、僕はちょっと違う観点も持っていて、逆に視座を高くすることも重要だと思っています。本質は狭いところで見ても実は見えなくて、いろんなものが絡み合っているから、実は高い視点からふわっと全体を見た方が見えたりすることもある気がしてるんです。
本当の意味で世の中を変えるにはどうやったら変えられるか? どのスイッチ、どのボタンを押したらドミノ倒しみたいに世の中が変わるか? オセロの四隅はどこだ? みたいな話もあって、それを探すのは探究心であり、研究することだと思うんですけど、そもそも今のゲームがどうなっているのか見る視点を持ってる人も必要。両方の人たちがうちには必要なんですけど、中途半端な人よりは、深い人か、高く見れる人か。そういう志向、そういうふうに目指したい人は、ブレインパッドの本質にこだわるカルチャーにはまるんじゃないかな。
高橋
真剣にやるから勉強する人が多いじゃないですか。勉強し続ける人が。それはすごくいいことだと思っていて、これだけ世の中が変わっていく中でどんどんキャッチアップしなきゃいけない。勉強は単純に技術的なものを追っかけるだけじゃなくて、お客様のこととか業界のことを勉強する人も多いので、そこはすごくいいことですよね。
人間なんで、変化を嫌う部分はどうしてもゼロじゃないけど、それでも変わっていくこと、学び続けることが常態になっている人は多い。これから入ってくる人も、学び続けることが好きな人がいいんじゃないかな。
関口
私たちは年間に有志の勉強会が何百回もあるような会社ですし、そういうのが好きで好奇心が旺盛な人は、ベースとしてあった方がいいと思っています。僕らは結局、学び続けるのは、アンラーンしたり、リスキリングのことを思うと、恒常的に何かできる人たちが集まれば、僕らの仕事も良くなるし、ブレインパッドに向いてるなって感じはしますよ。
「ずっと脱皮しない蛇は死ぬ」という話をよくされますけど、僕らは今のモデルが別に最高ではないと思うので、常に変えていって、「やばい、やばい、自分が変わらないとついていけない」みたいな状態をいかに起こし続けて、後ろから背中を押し続けるかが、僕らの仕事のような気もします。
ブレインパッドがブレインパッドらしくあるためには、変わり続けなきゃいけない。変わることが目的ではないんだけど、世の中で必要とされているものにどんどん進化していくことを仕掛けていくのが、僕ら経営を預かってる人たちの役割かなと改めて思いました。
Chapter7. 働く場として何がユニークなのか?
関口
ブレインパッドは創業当時から的を絞ってなかったじゃないですか。今も的を絞っていないので、この業界とか、解ける課題のバリエーションの広さは、一つの会社にいるよりは圧倒的に広い。そこはシンプルにメリットだと思うんですよね。
事業会社にいる方たち、転職されてきた方ももちろんいるし、お客様として一生懸命データサイエンスを社内でやられている方たちがいますが、共通の悩みがあって、データ分析を社内でやってる人たちが事業会社に少ないわけですから、学びの場が足りない、切磋琢磨できる環境にない。外の人と繋がったり、自分から外に出ていかないと、自分がやってることが正しいのか、自分の技術レベルはどのくらいなのか分からない、と。
でもブレインパッドは社内にいると、そういう人たちの集団なので、自分のスキルレベルとか、他のクライアントでやってるお仕事で使ってる技術とかを見ていけば、自分がやっているのはどれくらい先進的なのか、旧来からのものなのか、見極められるし、切磋琢磨できる環境がある。データサイエンス、データ分析、データ活用、AI、こういう文脈で仕事をしていきたいと思う人にとっては、学ぶ環境が濃いですよね。
「データ分析したいんで」とか「データに関わっていたいので」ブレインパッドにいます、という人たちは圧倒的に多い。データ好きですよ。データ好きだったらブレインパッドでいいのかもしれないですね。世の中にデータに携わる人間が増えない限りは、我々と事業会社とのギャップは埋まらないと思うので、しばらくは私たちのところにいた方が楽しんでもらえるんじゃないですかね。
Chapter8. ブレインパッドが不要になる社会へ。変わり続けることを共に楽しむ。
高橋
常にここから先をゼロベースで考えた時に、日本に良いインパクトを与えるために何をすべきかを自分たちに問い続けて、必要であればそこに関して変わることを恐れない。結論、今までのやり方では十分には変えられないと思うので、だったらやり方を変えなきゃいけない。技術サイドもどんどん変わってきてる中で、今ここからやるんだったら最適なものは何だろう、と。
おかげで、ブレインパッドには600人規模の優秀な、志を同じくする仲間がいる状況は素晴らしいので、これは本当にアセットというか、スタート地点として活用しつつも、ここをベースにどう動いていくか、何をやるかに関して、過去の延長線上でやることが必ずしも正解じゃない状況は起こりうる。そこで大胆に変えないと、20年間は賞味期限を保ったけど、あと5年で賞味期限が切れちゃうかもしれない。その危機感は常にありますよね。
正直、20年間もこんなデータのことばかりで仕事になっていると思わなかった。さすがに世の中が当たり前にやるようになれば、僕らの仕事は要らなくなるじゃないですか。そういう世界を作りたかったから、いらなくなればいいな、とベンチャーを起こした創業者としてはそういう思いでやってきたけど、「あれ、あれ? 20年まだ保ってるぞ」というのは、嬉しい反面、別種の危機感もあって。
だけど、今回の生成AIのトレンドも含めて、もう一段階、世の中は変わりうる。データが重要ということは変わらなくても、向き合い方とか、技術の使い方とか、あるいは人の働き方は、アグレッシブに変えていかないといけないんじゃないか。生産性一つとっても、作業生産性はどんどん上がっていくんだけど、これをどうクライアントに価値転換していくのか、僕らの社員に対してどう還元していくのかも、まだまだ大きな問題じゃないですかね。変化を恐れず、そういう意味ではリスクテイクし続ける会社であってほしいですね。
関口
こうなると、ブレインパッドが一番データ活用してなきゃいけない会社ですね。
高橋
データを活用しつつ、かつ本質に向き合って、データにないものも考えていく。未来のことはデータには書いてないですからね。
関口
だんだん会社も大きくなったり、事業として一定成功してくると、あぐらをかいちゃうじゃないですか。だから、どうやったらあぐらをかかないようにするかは結構大事だし、今、高橋さんがおっしゃっていた「変わり続けろ」というのが、いい意味で大きなメッセージだと思うんです。
会社としてのストイックさも必要だし、現状に満足しない、そういう考え方が重要。だから、人としても現状に満足せず、リスキリングし続けられる、学び続けられる人が集まって、今あるものはいつか陳腐化する前提で、先んじて変えることは肝に銘じて、改めてやっていきたいなと思います。
「チェンジ」、変わること自体を楽しめる人たちをもっと集めたいなと思いますね。
高橋
自分たちが変わりつつ、世の中とかお客様のビジネスも変えていくことができて、それを楽しみにできる。そういうチャレンジをしたい人に参加いただけると、楽しんでいただけるんじゃないかな。これからのブレインパッドは。
関口
そうですね。変わることを楽しめるのは大事だと思っています。未来があるので、一緒に楽しんでいける人にどんどん集まってもらいたいなと思います。
ブレインパッドでは新卒採用・中途採用共にまだまだ仲間を募集しています。
ご興味のある方は、是非採用サイトをご覧ください!
www.brainpad.co.jp
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