創業者 高橋に聞く!ブレインパッドのPURPOSE「データ活用の促進を通じて持続可能な未来をつくる」が生まれた背景

ブレインパッドは、2004年の創業以来20年以上にわたって、「データ活用の促進を通じて持続可能な未来をつくる」をPURPOSEに掲げ、活動してきました。一見、抽象度の高いメッセージですが、この言葉には、創業者である高橋の思いが込められており、社会やテクノロジーが激しく変化した20年間、そして、現在においてもブレインパッドの指針となり続けています。今回は、創業者 高橋に、Q&A形式でPURPOSEに込められた思いや創業秘話、そして未来への展望を語ってもらいました。

本記事にあわせて、PURPOSEをテーマとした現・代表の関口朋宏と高橋との対談動画もご覧ください。

【動画】経営理念|テクノロジーが進化しても変わらないもの。ブレインパッドが考えるデータ/AI活用の核心
https://www.youtube.com/watch?v=nfgemTkuUto


Q1. ブレインパッド創業のきっかけ、特に「データ活用」という分野になぜ着目したのでしょうか?

(高橋)
共同創業者の佐藤と共にブレインパッドを創業する以前からデータというものには強い関心と問題意識を持っていました。

直接的なきっかけは、2000年に友人と起業したインターネットサービスプロバイダー(ISP)での経験です。当時、インターネットが急速に普及し始めていて、前職でもナローバンドのインターネット接続を無料にすることで世の中に広げ、世界を変えようという志で事業を始めました。ところが、ソフトバンクの孫さんがYahoo! BBという激安のブロードバンド接続サービスを引っ提げて市場参入し、無料のナローバンド接続市場は一瞬にして破壊されてしまいました。

私のベンチャー観として「ベンチャーというのは、その存在によって時代をビフォーアフターで分けられるような、大きなインパクトを与えるテーマに挑戦すべきだ」という思いがあったのですが、そのビジョンを上書きされてしまったような感覚でした。しかし、多額の資金を調達していたこともあり、簡単に辞めるわけにはいかない中で、次に何をやるべきかを真剣に考えました。

そこで注目したのが「データ」でした。理由はいくつかあります。まず、当時のインターネットの加速度的な発展です。インターネット回線がナローバンドからブロードバンドへと進化し、iモードに代表されるように携帯電話もインターネットに繋がるようになっていました。つまり、通信回線が太くなり、繋がる端末が増え、繋がる人がどんどん増えていく状況でした。この動きから、これから爆発的にデータが増え続ける未来が来ることは容易に予想できました。

もう一つの理由は、私自身の原体験にあります。新卒で、日本サン・マイクロシステムズ株式会社(現:日本オラクル株式会社)に入社し、マーケティングの仕事をしていました。しかし、当時、日本の最先端と言われていた企業でしたが、マーケティング業務をはじめ、データがほとんど活用されていないという現実を目の当たりにしました。「コンピュータって、こういう使い方しかされていないのか」という驚きとともに、大きな問題意識を持ちました。

こうした背景から、加速度的に増え続けるデータを企業が活用できるようにすることで、企業の生産性を上げ、日本社会の課題解決に貢献できるのではないか、と考えたのが「データ活用」という分野に着目した大きな理由です。当時はまだ「ビッグデータ」という言葉も一般的ではありませんでしたが、データを通じて状況を正確に把握し、適切な意思決定を行うことの重要性は、今後ますます高まると確信していました。


創業1年頃に上海に出張したときの写真(左から、共同創業者佐藤、高橋、井上(2025年現在も当社に在籍))

Q2. 「持続可能な未来」とは、具体的にどのようなイメージだったのでしょうか?

(高橋)
「持続可能な未来」という言葉は、私の中ではかなり昔から意識の中にありました。大学時代に、ローマクラブが発表した「成長の限界」という報告書に出会ったのが大きなきっかけです。1972年、私が生まれた年に発表されたこの報告書は、このままでは地球資源が枯渇し、人類は持続的な成長を維持できないと警鐘を鳴らすものでした。まだ18歳くらいでしたが、この内容に触れ、「このままでは人類は持たないんだ」と強い衝撃を受けたことを覚えています。

ですから、ブレインパッドを創業するにあたって、どのような社会貢献ができるかを考えたとき、自然とこの(人類の課題である)「持続可能性」というキーワードが浮かんできました。具体的にイメージしていたのは、まず、便利さを出来るだけ損なわず限りある資源を効率的に活用し、無駄のない社会を実現すること。そして、そのためには、勘や経験だけに頼るのではなく、ファクトに基づいた合理的な意思決定が不可欠であり、それを支えるのがデータ活用だと考えました。

また、当時から日本の人口減少は確実な未来として予測されていました。GDPを維持するためには、一人ひとりの生産性を向上させることが不可欠です。しかし、当時の日本の生産性はOECD諸国の中でも低い水準にありました。データ活用を通じて企業の生産性を高めることは、この課題に対する直接的なアプローチになると考えたのです。

さらに、「持続可能な未来」というのは、単に経済的な側面だけを指しているのではありません。環境問題はもちろんのこと、社会全体の豊かさ、人々の働き方や暮らし方まで含めた、より広い意味での持続可能性をイメージしていました。企業がデータに基づいて無駄な活動を減らせば、それは資源の有効活用に繋がりますし、働く人々の負担軽減にも繋がるかもしれません。そういった、経済、社会、環境のすべてにおいてバランスの取れた、豊かな未来像を描いていました。

Q3.なぜデータ「分析」ではなく、データ「活用」としたのでしょうか?

(高橋)
「データ分析」ではなく「データ活用」という言葉を選んだのには、明確な理由があります。まず、「データ分析」というのは、データ活用のプロセス全体の中の一部分でしかない、という認識がありました。データを集め、整理し、分析し、そしてその結果を意思決定やアクションに繋げる。この一連の流れすべてが「データ活用」であり、分析はその中の一つの工程に過ぎません。我々は、分析そのものを目的とするのではなく、分析を通じて価値を生み出し、それを実際のビジネスや社会課題の解決に繋げることこそが重要だと考えています。

ですから、PURPOSEの言葉としては、より広い範囲をスコープに入れられる「データ活用」という言葉を選びました。高度な分析技術はもちろん重要ですが、それだけではなく、データをいかに集め、管理し、そして分析結果をどのように解釈し、行動に移していくのか。そういった、データ活用のプロセス全体を促進していくことが我々の役割だと考えているからです。

また、「データ活用」という言葉は、必ずしも高度な分析を伴わないものも含む、という意図もあります。単純なデータの可視化や集計であっても、そこから新たな気づきを得て、次のアクションに繋がるのであれば、それは立派なデータ活用です。ファクトを正しく見ること、それ自体が非常に重要であり、そのための手段は多様であって良いと考えています。

このように、「データ活用」という言葉には、プロセス全体を包含する広がりと、手段の多様性を受け入れる柔軟性を持たせたいという思いが込められています。


2011年、創業7年目で東京証券取引所マザーズに上場

Q4. 創業からPURPOSEの内容は変わっていません。創業当初の想定と比較して、実現に近づいたと感じる点、逆に想定外だったことや、もっとこうすべきだったと今になって思う点はありますか?

(高橋)
「持続可能性」というテーマが、これほどまでに全世界的な関心事になるとは、創業当初は想像していませんでした。もちろん、我々はその重要性を認識してPURPOSEに掲げていましたが、当時はまだ一部の先進的な企業や研究者が議論しているテーマという印象でした。それが今や、SDGsという言葉も生まれ、あらゆる企業が持続可能性を経営の重要課題として捉える時代になった。これは、我々が目指してきた方向性が間違っていなかったことの証左であり、非常に嬉しく思っています。我々が提供するデータ活用のサービスが、そうした社会全体の動きに貢献できているとすれば、これほど喜ばしいことはありません。

逆に、想定外だったこと、あるいはもっとこうすべきだったと思う点はいくつかあります。

一つは、「ビッグデータ」という言葉が、好ましくない形でバズワード化してしまったことです。もちろん、データ量が増え、その活用が重要になるという認識はありましたが、言葉だけが先行し、実態が伴わないような状況も一部で見られたのは残念でした。

そして、最も大きな反省点は、日本企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)が、我々の想定以上に遅れてしまったということです。創業当初の仮説では、企業にデータ分析能力を提供すれば、どんどんデータを活用して、ビジネスを変革していくだろうと考えていました。しかし実際には、ITシステムそのものが旧態依然としていたり、データを活用する文化が醸成されていなかったり、あるいは、ITとビジネスが分断されていたりと、さまざまな課題がありました。

データ分析だけを提供していても、クライアント企業のビジネスそのものが変わっていかない。この現実に直面し、もっと早い段階から、データ活用を阻害する要因そのものに踏み込み、IT戦略や業務改革といった、より上流のコンサルティング領域に積極的に関与していくべきだったと、今になって痛感しています。もちろん、数年前からコンサルティング組織を立ち上げ、その方向に舵を切ってはいますが、もっと早く、創業10年くらいのタイミングでその重要性に気づき、事業として本格的に取り組むべきだったかもしれません。当時は、我々はデータ分析が強みであり、そこまで手取り足取りやるのはベンチャーの仕事ではない、という思い込みもありました。

また、日本企業全体のITリテラシーやデータ活用能力が、海外の先進企業と比較して、なかなか差が縮まらないという現実もあります。この20年間、我々は微力ながらもその向上に貢献しようと努力してきましたが、まだまだ道半ばだと感じています。


2024年に創業20周年。約600名の仲間が集まった

Q5. これからのブレインパッドが目指す未来、そして社員に期待することは何でしょうか?

(高橋)
まず、ブレインパッドが目指す未来ですが、これは創業以来変わらず、「データ活用の促進を通じて持続可能な未来をつくる」というPURPOSEの実現です。そのために、常に変化を恐れず、新しいテクノロジーや社会のニーズに対応し、進化し続けていきたいと考えています。

具体的には、お客様に対して、より本質的な価値を提供できる存在でありたい。単にデータ分析のスキルを提供するだけでなく、お客様のビジネスそのものを変革し、持続的な成長を支援できるパートナーでありたいと考えています。そのためには、我々自身が常に学び続け、専門性を高めていく必要があります。

そして、社員に期待することは、まず「本質を問い続ける」姿勢です。目の前の課題に対して、なぜそれが起きているのか、本当の課題は何なのか、それを深く追求し、表面的な解決ではなく、根本的な解決を目指してほしい。そのためには、常に知的好奇心を持ち、学び続けることが不可欠です。

また、「変化を楽しむ」ことも重要です。これからの時代は、ますます変化のスピードが速くなるでしょう。その変化を脅威と捉えるのではなく、新しい挑戦や成長の機会だと捉え、積極的に楽しんでほしい。ブレインパッドには、幸いなことに、知的好奇心が旺盛で、新しいことを学ぶのが好きな社員が多いと感じています。そういった文化を大切にし、さらに発展させていきたいですね。

そして何よりも、「社会をより良くしたい」という強い思いを持って仕事に取り組んでほしい。我々の仕事は、単に企業の利益を追求するだけでなく、その先にある社会全体の持続可能性に繋がっていると信じています。そのことを常に意識し、誇りを持って仕事に取り組んでくれることを期待しています。

創業から20年経ちましたが、私自身、まだ賞味期限切れだとは思っていません(笑)。まだまだやり残したこともたくさんありますし、このPURPOSEの実現に向けて、社員の皆さんと一緒に挑戦し続けていきたいと思っています。

Q6. 最後に、この記事を読む方々へメッセージをお願いします。

(高橋)
ブレインパッドは、「データ活用の促進を通じて持続可能な未来をつくる」というPURPOSEを本気で実現しようとしている会社です。もし、皆さんが、データというものに可能性を感じ、それを通じて社会に貢献したい、あるいは自分自身を成長させたいという強い思いをお持ちであれば、ブレインパッドは非常にエキサイティングな場所だと思います。

我々の仕事は、決して楽なことばかりではありません。お客様の課題は複雑で、常に新しい技術や知識を学び続ける必要があります。しかし、それ以上に、自分たちの仕事が社会の役に立っているという実感や、仲間と一緒に困難を乗り越えていく達成感は、何物にも代えがたいものです。

ブレインパッドには、本当に多様なバックグラウンドを持った、知的好奇心旺盛なメンバーが集まっています。お互いに刺激し合い、学び合いながら、一緒に未来を「つくって」いける仲間を求めています。
この記事を読んで、少しでもブレインパッドのPURPOSEや、我々の思いに共感していただけたなら、ぜひ一度、私たちの話を聞きに来てください。一緒に「持続可能な未来」をつくっていけることを楽しみにしています。


おわりに

今回のQ&Aを通じて、ブレインパッドのPURPOSEに込められた高橋の熱い思い、そして創業からの揺るぎない信念に触れることができました。データ活用を通じて、より善い未来を創造していくという挑戦は、これからも続きます。この記事が、ブレインパッドという会社をより深く理解していただく一助となれば幸いです。

ブレインパッドでは新卒採用・中途採用共にまだまだ仲間を募集しています。
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www.brainpad.co.jp
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