こんにちは、XaaSユニット プロダクトエンジニアリングの鈴木です。
ブレインパッドは、広い視野と新しいアイディアを生み出せるよう、さまざまな企業との交流を図っています。
その取り組みのひとつとして、株式会社東邦システムサイエンスとブレインパッドでエンジニア交流イベントを企画しており、その第2弾として先日、当社に東邦システムサイエンス様の方々をお招きしました。今回は大規模アジャイル開発プロジェクトにおいて70名規模のPM(プロジェクトマネジャー)として参画されている大和様にお話しいただき、また、プロジェクト内の各役割の方々と実際の現場についてディスカッションさせていただきました。
本ブログではこのイベントの様子をご紹介させていただきます!
※第1弾の様子については「東邦システムサイエンス社と交流会を開催!当社エンジニアリングマネジャーが登壇してきました」をご参照ください。
講演テーマについて
コロナの影響もあり「リモートワークを中心とした勤務状況の中で、どのようにして大規模なプロジェクトの開発体制を維持・運営していけばよいのか?」という弊社でも大変興味のあるテーマについて、当日は、実務における”生の”取り組みをベースに「大規模アジャイル開発の裏側」と題して
・ヒト:適切な人材を適所に配置して、どのように上手くコラボレーションさせるか
・開発リズム:開発が効率よく進むように、どのように適切な開発リズムを整えるか
・管理:体制が大規模である中で、品質や進捗をどのように管理するか
の3つの切り口から、講演していただきました。
講演当日の様子
講演会当日は、オンラインとオフライン含め、当社から70名以上の社員が参加しました。エンジニア職種以外の参加もあり、テーマへの関心の高さを感じました。
今回のイベントは、
・大和様から上記のテーマについてお話しいただく「講演」の部
・実際にプロジェクトに参加されているさまざまなポジションの方々をお招きし、現場の声を聞く「パネルディスカッション」の部
の二部構成で開催されました。
前半の講演の部について、講演の内容の一部をご紹介させていただきます。

複数の開発チームを横断的にみるロールを独自に拡張して配置したり、負荷が集中しがちな役割に対しては、階層構造を作りチームとして職務にあたれるようタスクを分散するなどの工夫をすることによって、大規模開発することを可能にしています。
また各ロールにおいて、即戦力やフルスタックなスキルが求められますが、実際はそのような人材は少ないので、普段から業務にかかわらず社内でコミュニケーションを取ったり、情報を集めることで素養のある人材を発掘したり、個人で全てのスキルを満たすことが難しい場合には、まずはチームとしてフルスタックを目指すなどの条件を広げることで対応しています。
大規模開発プロジェクトになると組織の階層化が進み、情報の共有・伝達が課題となりますが、スプリント毎に1回しか行わないリファインメント、プランニングを複数回行うなど、ナレッジの共有にはコストをかけて対策をしています。そして環境の制約によってアジャイルの品質管理手法が行えない課題に対して、品質管理の部分はソフトウェアメトリクスを用いて横串で行い、課題を洗い出すなど、ウォーターフォール的な品質管理も取り入れ、通常のアジャイルの品質管理を崩しバランスをとりながら品質向上策を講じています。
このような実際の現場を通じて得られたアジャイル開発の運用のポイントについて、教えていただくことができました。
後半のパネルディスカッションの部では、当社のさまざまな立場の社員から東邦システムサイエンスの皆さんに質問が寄せられました。こちらもディスカッションの一部をご紹介させていただきます。

Q:コロナ禍でコミュニケーションを密に取るのが難しい状況下で、初めてスクラムマスターになった方は、チームメンバーとどのようにコミュニケーションをとっていたのですか?
A:コロナの流行具合に注意を払いつつ、できるだけ会社に集まってオフラインでの会話をする場を設けていました。業務の内容というよりは、「普段どんなことをしているのか?」、「どういうことで悩んでいるのか?」といったお互いを理解するための内容を聞くように心がけていました。
Q:大規模なアジャイル開発において、複数のチームがいるとチームごとに生産性の差が出てくると思うのですが、チームごとに軋轢は生まれないのですか?
A:チームが異なっていても、チケットを見積もるための基準となるチケットは統一されています。チームごとに状況が異なっているので単純な比較はできないものの、実際は比較しています。「このチームはベロシティが低い」などの話が出てきますが、ネガティブに捉えるのではなく、スクラムマスター間で「このプラクティスをやっているよ」「このように開発するとうまくいくよ」などの話をするきっかけになっていて、全体としての改善活動に繋がっています。
まとめ
講演会後には懇親会を開き、さまざまな方々と、業務のことはもちろんですが、プライベートなお話をすることもできました。東邦システムサイエンス様のエンジニアの皆さんとの交流を通じて、大規模アジャイル開発における難しさやそれに対する対処法、コロナ禍におけるコミュニケーション方法など知ることができ非常に貴重な経験をさせていただきました。
最後に、交流会実施後のアンケートでは、「品質管理の部分に、もともとナレッジとノウハウのあるWF開発の仕組みを取り入れるなど、目的に応じて必要な手法を取り入れている点は勉強になりました」、「型通りにアジャイル開発を取り込むだけでなく、現状の組織にフィットするように独自のカスタマイズを行い、工夫している話はとても参考になりました」、「当社で今課題になっていることや、これから先に直面しそうな課題が、東邦システムサイエンス様ではすでに改善の取り組みが進んでいたり、これから柔軟に対応しようとしていたりと、参考になる情報がとても多く勉強になりました」などたくさんの反響がありました。ありがとうございました。

最後に
いかがでしたでしょうか?
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