理念浸透ワークショップを社員が設計! ~企業理念を社員自らが自分ごとに落とし込む取り組みとは

企業にとって屋台骨である「企業理念」。ブレインパッドは、企業理念を社員へ浸透させることを目的に、「理念浸透ワークショップ」を実施しました。このワークショップは、複数の部署から集まったメンバーが企画・運営に参加し、社員が主体となって進めました。本ブログでは、運営メンバーと参加者の皆さんに、目的や意義、参加して感じたことについて語っていただきました。



20年の歴史を経て刷新された、企業理念を社員と共に見つめ直す

──まずは皆さんの自己紹介をお願いします。


人事として、新卒採用活動や新入社員に対するオンボーディング施策の企画、本ワークショップや社内表彰アワードなどのエンゲージメント施策の企画を担当しています。今回、事務局として企画から携わり、運営メンバーのサポートをしていました。

粟田
ブレインパッドに中途入社後、セールスとして新規開拓に携わったのち、現在はアライアンス組織に所属し、クラウド関連企業と新しいサービス・顧客開拓に取り組んでいます。理念浸透ワークショップには、今年から企画運営メンバーとして参画しました。

甲斐田
2019年に新卒入社し、データサイエンティストとしてクライアントに対するデータ分析支援を行っています。理念浸透ワークショップでは、一昨年に開催された1度目のワークショップから企画運営メンバーとして参加しています。

杉浦
本ワークショップ開催直前の2024年8月に中途入社しました。戦略投資推進室に所属し、M&Aやアライアンスといった手段を通じて、ブレインパッドの非連続成長をけん引するミッションを担っています。今回は、ワークショップの参加者として、お話しできればと思います。

大木
新しい企業理念体系に刷新されたタイミングである2023年7月に中途入社しました。データ活用を支援するプロダクトのカスタマーサクセスを経験したのち、現在は、コンサルタントとして、SNS分析ツールの研究や調査、サービス開発に携わっています。杉浦さんと同じく参加者としてお話しします。

──皆さん、それぞれ所属先が違うんですね。まずは、人事の王さんより、理念浸透ワークショップについて教えていただけますか?


理念浸透ワークショップは、企業理念の内容や位置づけを再確認することを目的としたワークショップで、ブレインパッドの人事戦略「Synapse(シナプス)※」の注力施策の1つとなります。今回の開催背景として、2023年7月に、創業期から掲げていたブレインパッドの企業理念が新しくなり、かつ、創業から約20年が経ち組織を構成するメンバーが変わってきてたことが挙げられます。企業理念は、本来、多様なバックグラウンドを持つ社員同士を組織としてつなぎ一体感を作るためにあります。ですが、こういった状況において、社内での企業理念の存在感が若干薄れてきた時期で、改めて、当社の最も重要な企業理念を社員と共有したいという考えから、ワークショップを企画しました。

※人事戦略「Synapse(シナプス)」は、ブレインパッドが「強くて善い会社」となることを理想に掲げ、「日本一の人材開発・輩出企業を目指す」ことを戦略の根幹とし、「データ分析力」「哲学的思考力」「実践力」の3つを掛け合わせた経営人材を輩出するための当社グループ独自のものです。詳細はこちらをご参考ください。
https://www.brainpad.co.jp/news/2023/11/01/20670

1度目のワークショップは2023年の新しい企業理念が発表された直後に行ったので「ブレインパッドのビジョン・ミッションってなんだっけ?」という基本的な部分から始めました。「そもそもなぜ企業理念があるのか」「このように変わりました」「こんな単語があります」などと、丁寧に企業理念を伝え、当社の企業理念の3要素「Purpose・Vision・Mission」の意味や、会社として掲げる必要性を一緒に学んでもらいました。

2度目となる今回は、より発展的に、組織で働く意義や、ブレインパッドの組織としての方向性を自分なりに解釈することを目的に行いました。企画においては、戦略デザインファームBIOTOPE代表の 佐宗邦威さんにも企画※に関わっていただき、「哲学する」というテーマで、答えのない問いに対して考えるチャレンジングな内容を盛り込みました。例えば「データ活用が当たり前の世界とは?」「持続可能な未来とは?」といった問いを考えました。

blog.brainpad.co.jp

また、現場で働く社員の皆さんに、企画運営に携わってもらっている点も特徴です。仮に転職するとなったときに、企業理念の浸透に関わったと、職務経歴書に書けるくらいの経験を、運営に参加する皆さんには持ち帰ってほしいとも考えていました。

──甲斐田さんと粟田さんが運営メンバーに入ったきっかけや、モチベーションを教えていただけますか?

甲斐田
1度目は推薦していただき、2度目は自ら希望して参加しました。
もともと、自分自身が働く上で、企業理念の重要性を強く感じており、特に、4つのValuesというブレインパッドで働く上で大切にしたい価値観と、Purposeのキーワード「持続可能な未来」に深く共感していました。その重要性を感じていたことに加え、生成AIの発達が目覚ましく、個人が収入を得る方法が多様化する時代において、お金を稼ぐために働くだけでなく、やりがいや「何のためにここにいるんだろう」との視点から問い直す必要があるのではないかと考えるようになりました。そういった理由で、運営メンバーに参画しました。

粟田
1度目は参加者として参加していて、2度目は推薦していただき運営メンバーに参画しました。1回目に参加した時に企業理念について考えること自体がとても面白かったこともあり、運営側で中心的に担えるのは面白そうだなと思い、参加を決めました。運営をする中で、「理念浸透を何のためにするのか」「企業理念は、経営課題の何を解決する手段なのか」といったことを考えるようになり、もう一段深く企業理念の理解に取り組むことができたと思います。


「クライアントにどのような価値を提供するか」「何のためにブレインパッドを選び、働き続けるのか」を言語化する機会

──杉浦さんと大木さんは、ワークショップに参加してみていかがでしたか?

杉浦
入社して間もない時期だったので、多くの社員と話すはじめての場でした。実は、入社する際にブレインパッドのビジョンやミッションをあまり意識していなかったので、当日も何をするかよくわからないまま参加したというのが正直なところでした。ですが、企業理念自体の認識が深まったことはもちろん、どういう想いで作られたのかを知ることができて、とてもよかったです。

また、私は普段、直接的にクライアントに対してサービスを提供しているわけではありません。入社して以降、ブレインパッドは企業のデータ分析を通してコンサルティングをしているといった表面的なことはわかるものの、具体的にどういった価値を提供しているかの解像度は高くありませんでしたし、ずっと気になっていたもののなかなか触れる機会がありませんでした。そんな中で、今回のワークショップを通して、企業理念という共通のテーマを介することで、普段サービスを提供されている方がどういう思いで仕事をされているのか、そして、どのような価値を提供しているかを知ることができた機会にもなりました。

大木
私はもともと企業理念への共感もあって入社しましたが、改めて、今回のワークショップを通して、ブレインパッドで働いていく意味が再認識できた良い機会だったと感じています。

また、ワークショップでは、データ活用のあり方や価値についての理解がさらに深まる時間でした。たとえば同じテーブルのデータサイエンティストの方が「データが息を吸うように活用されているって、無機的になってることですよね」と話していました。「空気レベルで考えるとはそういうことなんだ」と感じ、データ活用に関わっているメンバーだとしても、部署や役割、担当業務によって見え方が違うのだということに気が付かされました。その見え方の違いがあっても協働できているのは、根底に「データで価値を生み出したい」という共通の思いがあるのだなと感じることができました。

──運営の視点から見て、参加者の反応からどんな気づきがありましたか?


人事部門は、部署専属のHRBP担当者でない限り、皆さんの詳細な業務内容までは把握できていません。採用担当者は経営層と話すことが多く、全体像はわかりますが、皆さんが日々どういうことを考えて業務に取り組んでいるのかまでは、見えにくいことがあります。そのため、ワークショップを通じて社員の皆さんの仕事に対する想いや考え方を知ることができ、「人事部門はこういうところでサポートできそうだ」といったポジティブな気づきも得られました。

また、「理念の捉え方の違い」にも気づきました。私たちの企業理念はどちらかというとクライアントに向いています。これは、コンサルタントやプロダクト開発スタッフには馴染みやすいですが、スタッフ部門で働くメンバーにとっては、かなり拡大解釈しないと自分ごとにするのが難しいとの声もありました。企画側としては、「拡大解釈をしてもいい」「業務に直結しなくても、この会社で働く自分と向き合えばいい」と考えていましたが、難しさがあるのだなと、参加者の皆さんの反応を通して実感しました。

経営を社員が考えることができる

──運営を通して、工夫したことや感じたことはありますか。


参加者の部署が被らないようにグループのメンバーを調整しました。異なる部署のメンバーでワークショップをすることは、ワークとしては難しさにつながります。しかし、今回のワークショップで目指したのは「500人以上の社員が共通の方向性に納得感を持ってもらうこと」です。当然、500人以上の社員は、同じ会社に属していても、普段の仕事に対する考え方や価値観、想いのベクトルには違いがあります。その違いを体験した上で、全員の共通項としての理念を知ってもらうために、あえてバラバラにしました。

粟田
どうしても日々の業務で、部署同士がぶつかったり、答えが出ないといったシーンは日常的に起きてしまうと思います。そんなとき、企業理念に立ち返って、どうしていこうか?を一緒に考えられるようになっていて欲しいと思いますよね。


そうですね。また、現場で活躍している社員と共に第1回から企画・運営を続けていることも工夫の一つです。人事部門が主導すると、トップダウンでやらなければならない感が強くなりがちなので、皆さんと一緒に作り、理解していきたいと考えました。

粟田
人事部門以外の社員が中心となって企画運営する研修は珍しいのではないかと思います。人事部門主導ではないからこそ、単純に「知識として身につけておくべきだから研修を実施しましょう」というスタンスではなく、自分が働いている会社が抱える課題に目を向けて、社員自らが「自分だったらこうしたい」という理想を描くキッカケになるワークショップにできたと感じます。前職では、会社の方向性や経営理念について自分で考えて発信するという機会はほとんどありませんでした。

甲斐田
理念浸透を考えること自体、相当難しかったというのが本音です。一方で、企画メンバーと等身大で悩み考えたからこそ、ワークショップの内容に深みをもたらせたと思います。例えば、日常業務に追われる運営メンバーから「長期的な視点を持つ余裕がない」という声がありました。そこで今回のワークショップでは、あえて「立ち止まって哲学する時間」を設けること、そして、「データ活用が当たり前の世界とは?」という本質的な問いに至りました。忙しい業務の中でも理念に立ち返れる瞬間を体験してもらうことで、日常と理念をつなげるきっかけになったと思います。このように、自分たち自身が、日々感じている課題を、企業理念を紐づけることで解決する。これは、社員だからこそできた理念浸透だと感じています。

──こういった取り組みを、社員としてどのように感じていますか?

杉浦
これだけ多くの社員が集まり時間をかけて企業理念を考えるというのはすごいことだと思います。私のように新しく入社した社員も、これまでの経緯を含めて、会社の目指す方向性や大切にしている価値観を、他の社員とともに考えることができるので、このような機会は必要だと思います。

大木
入社して2年経とうとしていますが、これからも働いていく中で、何のためにブレインパッドを選んで、何のためにブレインパッドで働き続けるのかをより言語化して考えるきっかけになりました。自分の立ち返る場所として定期的に機会があると良いなと感じています。


皆さん忙しくなると「何のためにしんどい思いをして仕事をしているんだろう」と思うときがあると思います。そのときに、理念が皆さんが立ち戻れる「よりどころ」になれたらと願っています。

ブレインパッドには、「社員一人ひとりに独立志向を持ってほしい」という考えがあり、今回のワークショップでは、会社がどんなことをしようとしているのかを伝えて、納得感を見つけてほしいと考えました。そして、社員一人ひとりが何かにチャレンジする時に、理念を思い出して、理念がチャレンジの後押しとなるような存在として捉えていただけるようになれたらと思っております。

粟田
会社経営に対して当事者意識を持つことに加えて、日本社会をどうしていくか?まで当事者意識を持って考えることに繋げられたと感じています。これは「データ活用の促進を通じて持続可能な未来をつくる」というPurposeを持つブレインパッドだからこそです。働く上でこういったことを考えられる時間があるということは嬉しいですね。


「行動に移す」

──最後に、運営メンバーとして、今後について展望をお聞かせください。

粟田
今回のワークショップを通じて改善できることが見えてきました。この理念浸透の取り組みの中で継続してやっていきたいこともありますが、加えて我々自身が得た気づきを意識しながら、普段の業務にも取り組みたいです。

甲斐田
次は「行動に移す」フェーズだと思っています。トップダウンとボトムアップの動き、両方が必要だと思っているので、そこについて具体的に動いていければと思います。ボトムアップ的な動きは引き続き進めていきたいですね。


今回のワークショップの実施を受けて、ワークショップ以外の理念浸透に向けたさまざまな取り組みがすでに企画進行しています。
また、人事や経営陣主導ではなく、社員が自ら全社文化醸成の活動に企画から参加できるのは当社のいい特徴の一つだと思っております。社員の皆さんからのアイディアと協力をいただきつつ、理念を通して社員の皆さんがより活躍できる環境を整えられるような施策を、人事部として今後も提示できたらと思います。

──本日はありがとうございました。


ブレインパッドでは新卒採用・中途採用共にまだまだ仲間を募集しています。
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www.brainpad.co.jp
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