ブレインパッドが新組織で目指すこと ー 「息を吸うようにデータが活用される社会」を目指して ー

2023年7月、ブレインパッドは、新社長の就任とともに、大幅に改変された新組織での事業運営がスタートし、大きな変革に向けた第一歩を踏み出しました。

このブログでは、社長就任とともに新たなVision(ビジョン)を「息を吸うようにデータが活用される社会をつくる “Data-driven as Usual”」と掲げた 代表取締役社長 CEO の関口から、このVision実現の基盤となる新組織立案の背景や、新組織で目指す姿を語ってもらいました。

2023年7月、ブレインパッドは、新たに掲げた「中期経営計画(※1)」を推進する新組織を発足しました。
※1 2023年5月17日発表「中期経営計画(FY2024〜2026)
※2 2023年5月17日発表「新執行役員体制および委任型執行役員制度の導入に関するお知らせ

この中期経営計画において、当社は、創業以来の普遍的なPurpose(パーパス)「データ活用の促進を通じて持続可能な未来をつくる」を具体的に実現していくために、新たに「息を吸うようにデータが活用される社会をつくる」をVision(ビジョン)として掲げました。

新組織は、このVision実現の基盤となるものであり、これまでのブレインパッドにはなかった「業界別組織」「マトリクス組織」という新要素を取り入れた点が大きな変化となっています。本ブログでは、この新組織を構想・立案した新社長の関口に、この新組織立案の背景と、今後目指していく姿を語ってもらいます。

※ブレインパッドの目指していくビジネスの未来像については、関口が「DOORS DX Media」にて語っています。こちらもぜひ合わせてご覧ください。
https://www.brainpad.co.jp/doors/knowledge/01_data_driven_as_usual/

ブレインパッドの新組織、「変わるもの」と「変わらないもの」

長谷川 
新たなVision「息を吸うようにデータが活用される社会をつくる “Data-driven as Usual”」を達成するために、2023年7月より新しい組織体制を編成した目的を教えてください。

関口
まず、今回の新中期経営計画の立案にあたり、Purpose・Vision・Missionを再整理したので、その点からお話しします。
ブレインパッドのPurposeは、創業から変わらず「データ活用の促進を通じて持続可能な未来をつくる」です。このPurposeは私自身も大好きで大切な言葉なのですが、非常に高尚で、果てしなく続いていく目標でもあります。それゆえに、具体的な行動に移すためにも、もう少し時間軸を短く設定した目標が必要なことに気づきました。データを駆使して新しい「モノ」「コト」を創り出すことの遥か手前に大きな課題を抱えているのではないかと。そこから新しいVisionが生まれたわけです。
Visionにおいては、いまの世の中はそもそも「データを使うことそのものがまだ日常の生活に根付いていない」という課題をより優先度の高い課題として再設定することにしました。
この課題が解かれた状態が、「息を吸うようにデータが活用される社会」というVisionなのです。データドリブンがもっと日常的(as Usual)になっている社会が実現することで、私たちのPurposeも実現に近づくことになります。 

「データを使うことそのものがまだ日常の生活に根付いていない」ことを解決していくには、データの価値やデータ活用の意義をまだまだ浸透させる必要があります。そのためには、お客様の課題を解く存在から、その前提となる課題の設定もできる存在になれるかどうかが大きなポイントになります。それは、今まで以上に産業に根付くということですし、産業やお客様の課題解決のアプローチとしても必要なことなのです。

これまでブレインパッドは、データサイエンスを活用して課題を解く技術を磨いて価値を出してきました。この課題を解く力はお客様から評価されてきましたが、最近ではお客様であるクライアント企業側が問題を把握していても、それをデータや技術で解くべき課題にまでは落とし込めていないことが増えてきました。したがって、お客様から「これが課題だ」と言われてそれを一生懸命に解いたとしても、それが「本当の課題」ではなかったとしたら、成果が伴わないだけでなく、私たちの価値が正しく証明されないことになります。

ですから、私たちはお客様と一緒になって、課題を設定する(仮説を導く)ところから課題を解くところまでを一気にやらなければなりません。産業とその構造であったり、お客様の主力製品だったり、時にはお客様が大切にしているカルチャーに至るまで、さまざまなことへの理解を深めないといけませんし、お客様が問題だと言っていることに対する想像力も極めて高いものをが求められます。

そのためには、産業により根付き、課題の設定から解決までを総合的にチームで実行できる体制、つまり、データサイエンティスト、コンサルタント、エンジニアの力を今まで以上に融合できる組織を目指そうと考え、「小さなOne BrainPad」がたくさん生まれるマトリクス組織に変えることを決めました。

お客様の課題により深く入り込み解決する

長谷川 
マトリクス組織の概要を教えてください。

関口
マトリクス組織とは、一般的に機能別、事業別、エリア別など、異なる組織形態の利点を掛け合わせ、同時に達成しようとする組織形態です。
ブレインパッドの新組織では、産業とお客様をより深く理解する役割を持つアカウントユニットと、課題解決能力を磨く役割を持つソリューションユニットの2つを軸に構成しています。

アカウントユニットは、お客様と共に課題を設定し、ブレインパッドの持つソリューションや人材をお客様に向けて束ねていく役割を担います。先程も述べたように、私たちはお客様と一緒になって、課題を設定するところから解くところまでを一気にやらなければなりません。そのためには、お客様以上にお客様が属している産業とその構造を理解し、それらの課題を解く経験や実績を積み重ねることが重要です。そこから、データサイエンスを用いてそれぞれの産業独自の課題を解決するソリューションを生み出す。この役割をアカウントユニットが担っていきます。

ソリューションユニットは、当社の新しいサービス提供体制図(以下)の4つの象限それぞれを磨きつつ、相互に好循環させていくのが役割です。産業に根付くほど、今まで以上に範囲が広く大きな課題解決が求められていきます。もちろん難易度も高くなります。その課題を包括的かつスピーディーに解決できるように、新たなテクノロジーの研究やサービス開発などを含めて、お客様に向けた価値創造と価値提供を推進していく役割となります。

この2つの役割を持つユニットが組み合わせることで、お客様の課題に向けて、ブレインパッドが持つソリューション(ノウハウや人材)をチームとして結束した「小さなOne BrainPad」が生まれやすい環境になると考えています。

各ポジションの役割は、さらにアップデートされる

長谷川 
社員にとってはとても大きな組織変更となりますが、この背景や目的をどのように浸透させているのでしょうか?

関口
当社では毎月全社員が参加する全体会議を開催しています。その全体会議はもちろんのこと、「CEOタウンホールミーティング」という、社員と私が直接対話する取り組みを新たに始めました。その中で、私からそれぞれのポジションやユニットに期待する役割を伝えながら、社員の皆さんからの質問や疑問に答えています。

長谷川 
なるほど。そのCEOタウンホールミーティングの模様については、別途このブログにて紹介させてもらおうと思います。

キャリアの多様化。そして、視座の高い人材へ

長谷川 
この組織変更によって、社員の皆さんにはどのような変化が生まれるのでしょうか?

関口
社員ひとりひとりの成長にも大きな効果をもたらすと考えています。
マトリクス組織では、自分の専門性を活かしながら、さまざまな産業のお客様のプロジェクト経験を積むことができます。若いメンバーこそ、次々にさまざまなユニットに属し、縦横無尽に経験を積んでもらいます。
そしてその経験から、自分らしく、自分の強みを活かし、強い思いをもって臨める独自の武器を成長と共に磨いてほしいと思います。

長谷川 
マトリクス組織でさまざまな経験を積むことは、キャリアの多様化にもつながる効果があると感じます。

関口
キャリアとは、スキルの掛け算だと思っています。100人に1人のスキルを持つことはそれほど難しいことではないのですが、それではオンリーワンの人材とは言えません。600人規模のブレインパッドの組織の中でも5~6人はいることになるからです。しかし、100人に1人のスキルを3つ持っていれば、100万人に1人の人材です。これはオンリーワンだと言えるでしょう。さまざまな経験を積むことで、それぞれがオンリーワンになれば、それは会社にとって大きな強みになります。

また、さまざまな経験を積む社員が増えることで、垣根を越えた共通理解が生まれ、マトリクス組織に生まれやすい隙間が小さくなる効果も出てきます。みんながさまざまな経験をすることが、個々人のキャリアのプラスにもなるし、組織のためにもなると考えています。

「データサイエンス✕◯◯」というデータサイエンスから始まるスキルの掛け算、この掛け算をどれだけ増やせるか、そして自分はどんな掛け算をしていきたいか、それを社員一人ひとりが考え、伸ばせる環境にしていきたいと思っています。

長谷川 
最後に、社員だけでなく、これからブレインパッドに入社される方へのメッセージをお願いします。

関口
ビジネスとしてデータに向き合っている以上、その価値がどこに求められるかと言えばビジネスの課題解決にあるわけですから、ビジネスの課題に対する感度をもっと上げていかなければなりません。

出身学部を問わず、ブレインパッドには理系的思考をする人材が多いと思っています。そのような人材が、技術を磨くだけでなく、ビジネス課題を設定する力を持つようになるためには、より高い視座と客観視する力を持つことが必要になってきます。

言い換えれば、課題の解決策であるテクノロジースキルを持ちながら、課題を正しく設定する力も携えることができれば、最強の人材になれると思うのです。このような人材を増やすことが、これからのブレインパッドを成長させるポイントだと考えています。

実際、世の中には、高いテクノロジースキルと課題設定力の両方を持ち合わせている人材は決して多くなく、それが多くの企業の困りごとになっています。ならば自分たちが率先してそういう人材になろうというのが、今回の中期経営計画および組織変更のエッセンスなのです。

社員の皆さんには、「いかに高い視座を持つか」にチャレンジしてほしい。社会やお客様の課題を広く捉えて、大きな問題を解決するためには、高い位置から俯瞰的に物事を見る目が必要です。そのような高い視座から見つけた課題を解くためにどんな技術が必要か、どの技術をどう適用すればよいかを発想してほしい――つまり、自分の持っている技術をどう活用するかだけを考えることからの大きな発想転換を求めています。このような発想を養っていくことこそ、私自身も含めて、ブレインパッドに集う全員に取り組んでほしいことです。

これができれば私たちの技術力はもっと高まりますし、技術を還元する機会も広がります。その結果、ブレインパッドは世の中の役に立っていると自他ともに認知されるようになるでしょう。

そして、社員の皆さんだけでなく、これからブレインパッドに入社する人にも伝えたいのは、「ブレインパッドという企業としての成長と、まだ世の中に無いものを提供することにチャレンジする環境において、自分自身の成長機会をつかんでもらいたい」ということです。
ブレインパッドに集う人たちは、本当に誠実でいい人たちばかりです。自分の利益を主張せず、世の中にとって善いことをしたい、と思っている人が多い。これらの「人」として重要な要素をたくさん持っている人が本当に多いと感じます。

人生は長いので、新たな挑戦を求めてブレインパッドから卒業していく人にも、ブレインパッドで高い視座を養うことができれば、それが生きる力になり、どこに行っても活躍できると思います。だからこそ、ブレインパッドのためというだけでなく、それ以上に自分自身のために高い視座を持ってほしいと願っています。

長谷川 
本日はありがとうございました。

関口
ありがとうございました。


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