AI導入でビジネスに革新を! ブレインパッドのAI・RPA・データ分析の実践ノウハウを大公開! -7/19開催「Analytics Innovation Forward 2018」セミナーレポート-

先月、ブレインパッド主催のセミナー「Analytics Innovation Forward 2018」を開催しました。創業から14年、800社以上に及ぶ企業のデータ活用を支援してきたブレインパッドが、AIを導入してビジネスを革新する方法について、「AI」「RPA」「データ分析」「IoT」の4つの観点から実践的なノウハウを紹介しました。


こんにちは、広報の藤本です。
2018年7月19日(木)、ブレインパッド主催のセミナー「Analytics Innovation Forward 2018」を開催しました。

AIを活用したビジネス改革の必要性が叫ばれている昨今、「具体的に何をどのように考え、実行し、運用定着までを行うか」について悩まれている企業様が多く見受けられます。

本セミナーは、「AI」を導入してビジネスを進化・発展・変革させるためにはどうすればよいか、そのヒントをご提供したいとの思いから開催しました。

会場となった秋葉原UDX Gallery NEXT-1には、猛暑にもかかわらず200名を超えるお客様にご来場いただきました。この場を借りて厚く御礼申し上げます!

■AI・RPA・データ活用・IoTに関して、「明日からすぐに使える」実践的なノウハウを公開

講師を務めたのは、代表取締役会長の草野 隆史をはじめ、各分野に精通するブレインパッドのメンバーたち。

「明日からすぐに使える実践的なノウハウ」という点にこだわり、作成・発表したコンテンツの一部をダイジェストでご紹介いたします。

プログラム

第1部:
”いまさら聞けない” AIの基礎知識とビジネス活用におけるポイント
株式会社ブレインパッド
AIビジネス本部 副本部長 韮原 祐介

著書:『いちばんやさしい機械学習プロジェクトの教本

第2部:
RPAを活用した業務効率化の可能性 ~導入時のポイントからAIエンジン連携まで~
株式会社ブレインパッド
ソリューション開発本部 RPAソリューショングループ
グループマネジャー
山内 康志
第3部:
データサイエンティストが語る!「ビジネスに活かす」データ分析のポイント
株式会社ブレインパッド
マーケティングプラットフォーム本部 副本部長
多摩大学 経営情報学部 准教授
佐藤 洋行

著書:『データサイエンティスト養成読本 [プロになるためのデータ分析力が身につく! ] 』など

第4部:
「AI活用社会」におけるブレインパッドの役割
株式会社ブレインパッド 代表取締役会長
一般社団法人データサイエンティスト教会 代表理事
一般社団法人 日本ディープラーニング協会 理事
草野 隆史

著書:『顧客を知るためのデータマネジメントプラットフォーム DMP入門』など

第1部:テーマ「AI」~「テーマ設定」の良し悪しがAI導入の成否を分ける~

最初に登壇したのは、AIビジネス本部 副本部長 韮原 祐介。講演テーマはズバリ「AI」です。

株式会社ブレインパッド AIビジネス本部 副本部長 韮原 祐介

AI導入でビジネス改革を成功させるポイントをご紹介

AIは、囲碁対局でプロ棋士に勝つ、写真・映像から人物を認識する、車を自動運転するなど、人間のさまざまな知的活動を代替する機械・プログラムとして、さまざまなフィールドで活躍しています。

こうしたAIの普及に伴い、「自社ビジネスにもなんらかの形でAIを取り入れられないか?」というご相談を多く頂くようになりました。しかし現実には、AIへの過度な期待や人材不足などもあり、AI導入でビジネス改革を実現した企業はそれほど多くありません。

韮原は、まずメディア等ではあまり語られない「AIの限界」を提示した上で、AI導入によりビジネス改革を成功させるためのポイントをご紹介しました。

意外と理解されていない?「AIの限界」を正しく認識しよう

まず、世間で騒がれているAIの正体は、ほとんどが「機械学習」であると韮原は述べました。

機械学習とは、すでにあるデータを統計的に分析した上で、モノを識別したり、未来を予測したり、なんらかのアウトプットを生成する仕組みのこと。多くの機械学習は、あくまで「過去のデータを元にした統計」であるため、次のような限界があると韮原は指摘しました。

  • 限界1:100%の正解を出せるわけではない

=誤差が発生する前提でAI導入を検討する必要がある。間違いが許されない業務には適用できない。

  • 限界2:メカニズムを解明できない現象は予測できない

=地震などの自然災害や、偶発的なヒット曲など、「なぜそうなるか?」をデータによって解明できない現象をAIで予測することはできない。

  • 限界3:新たな発明はできない(無から有を生み出せない)

=小室哲哉の曲のデータを学習すれば小室哲哉風の曲は作れるが、突然、宇多田ヒカル風の新たな曲を生みだすことはできない。同じく、ゴッホ風の絵を描くことができるが、AIが初めてゴッホを生み出せるわけではない。

  • 限界4:学習するデータに騙されることがある

=差別発言ばかりを学ばされたチャットボットは、無邪気に差別発言を繰り返してしまう。AIは言葉の意味を理解しているわけではない。

囲碁のプロ棋士に勝利できるAIにも、このような限界があるのです。

AIの限界を認識したうえで、ROIの成り立つテーマを設定することが重要!

AIの限界をふまえたうえで、韮原は、AIのビジネス導入に成功するためには、「ROIが期待できる正しいテーマ設定が重要である」と述べました。

例えば、1,000万円かけてAI導入に成功したとしても、得られる効果が100万円であれば、そのAI導入は逆ザヤのプロジェクトとなってしまいます。こうした問題をクリアするには、「いかにスジの良いテーマを見つけられるかがカギ」と韮原は強調します。

世の中のAI導入プロジェクトには、AIの限界を認識しないがゆえの無謀な目標設定をしているものや、テーマ設定の甘さによる逆ザヤプロジェクトが数多く散見されます。
こうした取り組みはPoCの段階で終わってしまい、最終的なビジネス成果に繋がりません。
また、AI関連製品・関連サービスを取り扱うベンダーは数多く存在していますが、こうした「AI導入の落とし穴」に陥ることのないように、技術面とビジネス面の両面から支援できるソリューションベンダーはごくわずかです。

私たちブレインパッドは、これまでの成功経験とノウハウを積極的に還元し、プロジェクトから経営インパクトを生みだすお手伝いをさせていただいています。
ROIが期待できるプロジェクトテーマの設定から、サービス、ツール、開発環境の提供、AI人材の育成まで、ビジネスへのAI導入のお困りごとは、お気軽にご相談いただければと思います。

ai.brainpad.co.jp

第2部:テーマ「RPA」 ~100社の導入支援からわかった「成功するRPA導入3つのポイント」~

続いての講演は、現在大きな注目を集める「RPA」です。

年間100社以上のRPA導入支援に携わる山内康志が、「成功するRPA導入のポイント」と「今後のRPAのトレンド」について講演しました。

株式会社ブレインパッド ソリューション開発本部 RPAソリューショングループ グループマネジャー 山内 康志

成功するRPA導入のポイント=「自分事化」「小さく始める」「運用体制の確立」

山内はこれまでのRPA導入経験をふまえ、「成功するRPA導入のポイント」を3つご紹介しました。これからRPA導入プロジェクトを推進される企業様は、ぜひ参考にしてみてください。

  • RPA導入成功のポイント1:自分事化する

現場を巻き込み、経営・IT部門・現場がRPA導入(=業務改善)を自分事化すること。

  • RPA導入成功のポイント2:小さく始める

新しい取り組みなのでトライ&エラーはつきもの。小さく開発して利用を拡大していくと、早期ロボット化が可能となります。

  • RPA導入成功のポイント3:運用体制の確立

RPAは導入してからが本当の始まり。導入検討時から自社での自立運用をイメージし、徐々に社内でルール作りを行うこと。

今後はRPAにAIを組み合わせた「自ら考えて動くRPA」が一般化する

講演では「今後のRPAのトレンド」として、山内の考えるRPAの進化をご紹介しました。

「すでにRPAは多くの企業で定着フェーズに入りつつあります。この流れが進めば、今後RPAは“ルールベースで指示された通りに動くRPA”から、AI関連技術を組み合わせて“指示を踏まえて自ら考えて動くRPA”に進化していくと思います」(山内)。

山内の言うAI関連技術とは、画像解析や予測、自然言語処理といったもの。これらは指示通りに動くRPAには対応できない機能を補完します。RPAにAIを組み合わせることで、人間と同じような判断や予測精度を必要とするオペレーションを自動化することも可能となるでしょう。

ブレインパッドのRPA「ブレインロボ(BrainRobo)」は、こうした未来を見据えた上でサービス設計されています。単純な業務処理の自動化はもちろん、ブレインパッドの持つAI技術とRPAを組み合わせ、高度な業務処理の自動化にも対応します。

「2週間から2か月程度のトライアル検証で、まずはロボットの有効性を実感いただくことをお薦めしています」と山内。RPA導入ご検討中の企業様には、まずはトライアルをお気軽に試していただければと思います。

rpa.brainpad.co.jp

第3部:テーマ「データ分析」 ~ブレインパッド流データ分析の秘訣を特別公開~

続いては、AI導入プロジェクトに欠かせない「データ分析」の勘所を、マーケティングプラットフォーム本部 副本部長 佐藤 洋行が講演しました。

株式会社ブレインパッド マーケティングプラットフォーム本部 副本部長 佐藤 洋行

データ分析歴20年!敏腕データサイエンティストが教える「データ分析の勘所」

佐藤のデータ分析歴はなんと約20年。多摩大学 経営情報学部の准教授としてデータ活用・分析に関する講義も受け持つ、ブレインパッドを代表するデータサイエンティストの一人です。
簡単なワークも交えながら進められた講演は、ブレインパッドが実際にどのようなアプローチで「データ分析」を行うかを実感いただける内容になったと思います。

データ分析」の成功に必要なことは「成功の基準をしっかり決めること」

佐藤曰く「“成功するデータ分析”に必要なのは、”何が達成できたら成功か、成功の基準をしっかり決めておくこと”」。至極当たり前のように聞こえますが、これができていないデータ分析プロジェクトは案外多いのです。

講演では、2つの失敗のパターンが示されました。

  • データ分析プロジェクトの失敗パターン

1:成功基準があいまいだった
2:成功基準を満たせたのに、ビジネスに活かせなかった

そして、このような失敗に陥らないための「データ分析の成功基準」に必要な条件として、以下の2点を挙げました。

  • データ分析プロジェクトの成功基準に必要な条件

1:データ分析の「目標」が「活用の視点で」定められていること
2:その「目標の達成を図る指標」が「分析の視点で」定められていること

具体的に見てみましょう。ある飲食店が、米飯の廃棄を減らすためにデータ分析をしようと考えました。この場合、無駄なくお米が炊ければいいので、データ分析プロジェクトの成功基準は以下のように設定されるかもしれません。

成功基準:米飯の廃棄量を削減するために、1日の米飯の消費量を予測する

しかし、これではデータ分析プロジェクトの成功基準としては不十分、と佐藤は指摘します。このような予測を行うプロジェクトの場合、「いつ」「何を」「どのぐらいの精度で」という3つを考えて成功基準を設定するべきなのです。

そして、その3つを考える前提として、「予測した値を使って、どんな意思決定をするのか?」を明確にすることが必要だと述べます。

例えば、この米飯の例で言えば、「最後のひと釜を炊くべきかどうか」という意思決定に予測結果を使いたいはずです。それに対して、1日の米飯の消費量の予測は有効でしょうか?恐らく、もっと有効な予測方法があるはずです。

ブレインパッド流のデータ分析では、このプロジェクトの成功基準は以下のように設定されます。

目標:最後のひと釜を炊くべきかの判断をするために、米の消費量を予測する

達成を測る指標:
1:予測は、午後7時から閉店前2時間まで10分おきに行う
2:予測は、その時点から閉店までの消費量を、米の合数で表す
3:予測は、過少予測の確率を約1%以下にする
4:予測は、過大予測の量を2升以内にする

このような成功基準が設定されて初めて、予測の分析プロジェクトを成功させることができるのです。ブレインパッドは、これまでに培った豊富なノウハウを駆使して、あらゆるテーマのデータ分析プロジェクトを成功に導きます。

講演の随所で行われたワークでは、参加者の皆さんがじっくりと考えこむ姿が印象的でした。

第4部:テーマ「IoT」 ~IoT時代の到来で、ビジネスはどう変わるのか? 未来を読み解く~

最後に登壇したのは、ブレインパッドの代表取締役会長 草野 隆史です。

草野は「IoTの普及により、ビジネスはどう変わるか?」というテーマで講演しました。
来るべき時代に備えて企業はどのような準備をすべきかについて、考えるきっかけ・ヒントをご提供できたのではないかと思います。

株式会社ブレインパッド 代表取締役会長 草野 隆史

IoT時代にうまく対応した企業は、業界の勢力地図を一気に塗り替えることも可能

草野は冒頭に「IoTの普及により、ありとあらゆる産業・業種で、データを用いたビジネスの変革が起こる」と述べました。

従来のデータを活用したビジネス改善は、データが取得しやすいインターネット上のビジネスにほぼ限定されていました。しかし、これからはIoTにより、広大な現実世界のあらゆることがデータ取得の対象となります。

その結果、小売・交通・観光・医療・鉱業・農業など、ありとあらゆる産業で、データを活用したビジネス改革が広がっていく未来が訪れます。

データを活用したビジネス改革にいち早く取り組んだ企業は、大いなる競合優位性を獲得し、その業界の勢力地図を一気に塗り替えてしまうことも可能となるのです。

IoT時代のリーディングカンパニーになるため必要なこと=「AIをシステムに組み込む力」

各業界でそのようなリーディングカンパニーになるため必要なこととして、草野は「AIをシステムに組み込む力」を挙げました。

IoT時代には、現実世界のありとあらゆる場所で、毎秒ごとに膨大なデータが発生します。こうした状況下では、これまでと同じ人間の判断や作業に依存したやり方でデータ収集、蓄積、分析、施策の実施をしていては、膨大なデータトラフィックにとても追いつけません。

そこで必要になるのが、ビジネスを支えるシステム自体の中にAIを組み込むという発想です。

現代では、商品やサービスを企画・開発・製造する工程から、販売・流通・マーケティングに至るまで、あらゆるビジネスプロセスに何かしらのシステムが関与しています。このシステムの中にAIを組み込めれば、データが発生した場所で、リアルタイムにデータの処理・分析を行い、必要な施策や制御をデバイスや機器に伝達することができます。

IoTにAIを組み合わせることで、人間にはできない規模やスピードで処理や判断を行うことが可能となるのです。

ブレインパッドは、AI/IoT時代に求められる進化・革新を全面的に支援します

これらの実現に必要なのが、「AIをシステムに組み込む力」です。実は、AIの組み込みでは、これまでのシステム開発において一般的だった考え方やマネジメント手法がそのままでは通用しないことがわかってきています。

つまり、AIを組み込んだシステムについては、システムインテグレーターも対応に苦労する状況が想定されます。

そこで私たちブレインパッドは、IoT&AI時代に求められるソリューションベンダーとなるべく、AIをシステムに組み込むために必要な要素──人材、ツール、インフラ、業界団体・学会等とのリレーションシップ構築──の整備を着実に進めてきました。

目指すのは「Analytics Innovation Company」。すなわち、アナリスティクスとエンジニアリングを駆使した、革新的かつ実践的なソリューションで、最高の価値を提供することです。

「すべての企業様が、AI/IoT時代に求められる進化・革新を実現できるよう、プレインパッドはそれらの活動を全面的に支援ができる企業を目指していきます。
そして勘や度胸ではなく、データに基づく意思決定を通じて無駄を省き、持続可能な社会を実現するために貢献していきたいと思います。」(草野)

ブレインパッドは今後も、AI/IoT時代に必須の知識・ノウハウ・アイデアを提供していきます

以上、2時間30分に及んだセミナーをダイジェストでご紹介させていただきました。

今後もこのようなイベントを通じて、AI/IoT時代に必要となる知識・ノウハウ・アイデアを積極的にご提供していきたいと思います!

また、当社の採用サイトでは、社員のインタビューや仕事内容などブレインパッドのことがよくわかるコンテンツを多数掲載していますので、是非ご覧ください!

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