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2018年度人工知能学会全国大会参加レポート① ~さまざまな業界で応用されているAI~

鹿児島県で、6月5日~6月8日の4日間開催された「2018年度人工知能学会全国大会」の現地レポートをお送りします!現地レポートは、複数回お届けする予定です。今回は、その第1回です!

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こんにちは、アナリティクスサービス部の栗原です。

今日から全4回に渡って、 6/5(火)~6/8(金)に鹿児島で開催された「2018年度人工知能学会全国大会(JSAI)」の参加レポートをお届けします!

期間中、鹿児島は梅雨入りしていたためあいにくのお天気が続きましたが、2,572名 という人工知能学会全国大会過去最多の参加人数で大盛況でした!

↓会場から見える桜島の写真

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以下、参加レポートの投稿予定とテーマです。

投稿予定 テーマ(予定)
第1回(本記事) さまざまな業界で応用されているAI
第2回 工業における機械学習の最近
第3回 技術的観点による論文ピックアップ
第4回 これからの人工知能。これからの人工知能社会


それでは、早速第1回目のテーマ「さまざまな業界で応用されているAI」の本編に入ります。 例えば以下のようなセッションがあり、人工知能のさまざまな応用先が紹介されていました。

- 認知症の人の情動理解基盤技術とコミュニケーション支援への応用
- 農業とAI
- IoT技術の概要とSmart Cityへの応用例
- 不動産とAI
- 漁業とAI
- 身体と触覚の重層的な認知
- 建築、都市環境のレジリエンスを支えるAI
- 質感と感性
- 人工知能の医療応用

人工知能技術を幅広い分野や業界の課題を解決するために研究がなされており、バラエティーに富んだセッションとなっていました。

■全体を通して感じたこと

  • 深層学習を中心に、各業界が持つ課題への適用が進んでいる

    • 業務適用という観点で、目的に沿った分析手法を選択することは非常に重要です。学際分野での研究においてはある程度実績のあるアルゴリズムや分析手法(と言っても2~3年前程度に開発されたものが多いですが)が、採用されていました。今や、機械学習/深層学習モデルを構築することは簡単な時代になってきています。だからこそ、現実の課題に対してどのように機械学習モデリングで解決するかや、分析設計や評価指標といった、適用先によって大きく変わる部分についての重要度が一層増してきているように感じました。当社がこれまでに実施してきた事例としても、そのような傾向があります。
  • データ取得のためのハードウェアの研究も盛んに行われている

    • 「今現在手元にあるデータだけで目の前の課題を何とかする」といったデータ起点の世界ではなく、「この問題を解決するために必要なデータは何か、設計して収集する」方が人工知能や機械学習の潜在能力を大きく引き出せると感じます。実際、今回もIoTやセンサーなどの技術の進歩で、必要なデータを取得するための研究が進んでいるようでした。

■ピックアップセッション

上記のような感想を顕著に感じたセッションをご紹介します。

「プライバシに配慮した深度センサ式人流計測システムの試作と実装」1

概要
  • 都市デザインにおいては、歩行者の動線を考慮した設計が重要
  • 一般的には、 監視カメラ等から取得した動画データを画像認識することで人流を計測することが可能
  • しかし動画データを用いる以上、個々人の肖像権の問題が発生し被験者には事前告知や同意書が必要となることが多く、現実的に不可能(特に公共の空間においては)
  • そのため、イメージセンサ方式ではなく、深度センサを用いて個人情報を収集せずに人流データを収集する方法を提案
  • 電源確保できない場所への設置を前提とし、モバイルバッテリで19時間以上計測可能な自律型計測装置を実現
深度センサによる取得方法
  • 赤外線レーザを広範囲に照射し、反射情報を読み取ることで対象物までの距離を出力する仕組み
  • 対象となる測定物(≒人)の外形がおおまかに把握可能
  • すれ違いの際の動線を分離するためにRegionGrowingを用いている
  • 個人情報を特定するまでの情報は得られないが、全身の深度データから体型の情報が入手できてしまうため、深度センサからの距離情報を画素ごとにクリッピングすることで、肩から上のデータのみ収集
今後の課題

軌跡データをパターンとして認識させることで、都市計画のシミュレーション等に利用していく

所感

冒頭に、「目的に沿ったデータを集める」ことが重要ではないかとサラっと書きましたが、実際に取得するとなった場合、さまざまな課題があることを具体例を通じて学びました。特に、人間の本質に迫るような生体情報のデータ等になると、余計にセンシティブになりそうです。医療関連のセッションでも、「患者の同意は取ったのか」、「同意が取れたというバイアスがかかった研究結果ではないか」といった質疑も挙がっていました。私は所与のデータからどう知見を得るかというアプローチをすることがほとんどでしたが、データの取得にアプローチしていく具体例を見て視野が広がりました。


第2回は「工業における機械学習の最近」をテーマにお届けします!是非楽しみにしてください!


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  1. 論文:大塚 孝信, 西田 智裕, 柴田 大地, 伊藤 孝行. “プライバシに配慮した深度センサ式人流計測システムの試作と実装”. 第32回人工知能学会全国大会, 2018. (https://confit.atlas.jp/guide/event-img/jsai2018/3K2-OS-18b-01/public/pdf?type=in, 2018/6/12確認)