創発教室 楽屋裏話 講義アフタートーク 論点思考で考える「問い」から始める資料作成 講師:シリョサク株式会社 代表取締役 豊間根 青地氏

ブレインパッドは、2023年11月1日に、新人事戦略ストーリー「BrainPad HR Synapse Initiative」を発表しました。本記事では、この戦略の特長の一つである独自の研修体系の中から、研修の目玉の一つである「創発教室」の講師陣と、当社CHRO西田とのアフタートークをお届けしてまいります。
初回の講師は、シリョサク株式会社 代表取締役 豊間根 青地さんです。

ブレインパッドは、当社グループの中期経営計画を人的資本の側面から強力に推進する新人事戦略ストーリー「BrainPad HR Synapse Initiative」を発表しました。
多くの施策の中で目玉の一つとなるのが、この「BrainPad Liberal Arts Core(LAC) 創発教室」です。
創発教室は、「本業を極めたければ異分野を学べ!」をコンセプトに、リベラルアーツを楽しみながら学び、「データ分析力に、哲学的思考力と、ビジネスでの実践力が掛け合わさった最強人材」の開発を目的として構成された全9回の育成プログラムです。
本記事は、そんな創発教室の講師陣にお話をお伺いするクロストークをお届けします。ゲストは、シリョサク株式会社 代表取締役 豊間根 青地さんです。

ー講師プロフィール
シリョサク株式会社 代表取締役 豊間根 青地(トヨマネ|パワポ芸人)


1994年東京都生まれ。東京大学工学部卒。サントリーで通販事業のCRM・広告などを担当する傍ら、趣味のPowerPointで作成したスライドがSNSで反響を呼び、12万人以上のフォロワーを集める。2022年に独立し、ビジネスパーソンが仕事をおもしろがり、クリエイティブに働く世界を目指す会社「シリョサク株式会社」を創業。著書に『秒で伝わるパワポ術』『秒で使えるパワポ術』(KADOKAWA)

講義テーマ
「論点思考で考える「問い」から始める資料作成」

パワーポイントは、「問い」への扉

西田
豊間根さん、改めて、講義いただきありがとうございました!

豊間根さん
こちらこそありがとうございました!

西田
まず今回、豊間根さんに創発教室の講師を依頼した背景を紹介します。
ブレインパッドは、大学院修士や博士などアカデミア出身者が多く、学びに対して自主的に取り組んでいる社員が多い一方、好きなことの学びに閉じがちだなと感じていました。そこで、異分野を学ぶことで思いがけない創発が生まれやすい環境を整えたいと思い、リベラルアーツを主体としたプログラムである創発教室を始めることにしました。その記念すべき初回講義は、とにかくインパクトがあって、面白くて、直ぐに役に立つ、そんな講義が提供できたらなと思っていました。

そんな時に頭をよぎったのが豊間根さんでした。前職で経験した豊間根さんの講義が、ただのパワポ研修にとどまらず面白いと受講者から大評判で、実際に受講後のパワポスキルが皆、格段に向上したことを思い出し、「初回は豊間根さんだ!」と思って、お声をかけさせていただきました。

豊間根さん
ありがとうございます。笑
西田さんから創発教室の講師のお話をいただいた時に、いわゆるパワポのテクニックよりも、抽象度の高い「問い」の話や、AIと人の仕事のすみわけなんてことをお話ししようと思っていました。パワーポイントは、あくまでも所詮ツールの一つですので。

西田
講義の中でも「問いからパワポを考えて」とお話しされていました。最近、「問いを立てる」というフレーズが注目されていますよね。

豊間根さん
そうですね。

西田
「問いを立てる」というのは、哲学的思考を展開させるための入口になります。この問いによって、そのあとの展開や結果がまったく異なりますからね。今日の豊間根さんのお話も、まさに「問い」を立てることからパワーポイント自体をツールとして使うという内容だったかと。

豊間根さん
そうなんです。ただ、この「問い」を立てられない人が多いんですよね。

講義内のスライドより抜粋

当たり前を疑うことが問いへの第一歩

西田
問いを立てるコツって何かあるんですか?

豊間根さん:
視野を広げることでしょうか。どうしても会社員として仕事をしていると、自分の半径5mの世界が全てのようになってしまって、凝り固まった価値観の中でルーティンワークを繰り返してしまいがちです。

西田
井の中の蛙になりがちですね。

豊間根さん
はい。ただそこに、頭をガーンと揺さぶられるような強烈な新しい価値観に触れる体験や出来事が起きることで、今まではこれが普通だと思っていたけれど、間違っているのではないか?と、当たり前を疑うということができるようになっていきます。それが、「問いを立てる」ための最初の一歩になるかなと思っています。そういう意味で、この創発教室はいいですよね。

西田
ありがとうございます。
まさに哲学的思考力の養成に僕がこだわっているのは、当たり前を疑うということです。そこから、良質な問いは生まれると思っています。ただ、「哲学」というと面倒くさいことを小難しく考えるんでしょと、敬遠されるじゃないですか。

豊間根さん
はい。笑

西田
哲学の本質は、当たり前を疑うことを愚直にやり続けること。この当たり前を疑うという行動自体を常日頃の活動から意識しないと、イノベーションなんて生まれないんじゃないかと思うんです。

豊間根さん
どうしても、疑えなくなってきますからね。
ヘーゲルなどのいかにも哲学な感じだとどうしてもウっとなりますが、パワポという身近なモノを通して哲学が出てくる点が、我々のやっていることの面白さだと思っています。

西田
それはとても感じます。僕はパワポって一つのアートだと思っているんです。
アートって、歴史的背景を踏まえると、洞窟の壁画に象徴されるコミュニケーション手段、ステンドグラスに象徴される宗教や神話の表現、肖像画に象徴される権力と地位の象徴、感情や思考の表現、そして、社会的・政治的メッセージの5つの役割があったと思います。パワポも一時代においては、メインのビジネス用途はもとより、人々の感情や思考を豊かにする手段になっていたのではないかと思うんですよね。

豊間根さん
なるほど。そうですね!

自らの介在価値に目を向け続けることで、問いの質を高める

西田
問いの質を高めるという点で、意識していることはありますか?

豊間根さん
自分がその介在する価値が何かっていうのを意識し続けることですね。会社の中にいると、仕組みの中で作業化していくじゃないですか。

西田
どうしてもそうなりますよね。

豊間根さん
結果として、自分が、社会の中でどういう価値を出してるのかが分からなくなってしまうことが、とても危険だと思っていて。自分の介在価値をいかに意識して、可視化するかが、問いの質を高める上で肝になってくるとは思っています。

西田
ステークホルダーに対する自分の提供価値を常に意識してなきゃいけない。

豊間根さん
そうですね。そうしていかないと、例えば「自分のやっていることの価値は、AIでも創出できるよな、どうしたらいいんだろう」っていう思想にそもそも至らないと思うんですよね。その結果、知らないうちにAIに仕事を取られることも起きると思います。なので、そこが一番大事だと思ってます。

西田
まさにですね。改めて、今回の講義は、パワポの資料の作り方ではなく、哲学的な講義でした。大変勉強になりました。ありがとうございました!!

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いかがでしたでしょうか。日々使っているパワーポイントが、こんなにも深いテーマにつながるとは驚きでした。

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・シリョサク株式会社 ホームページ:https://shiryosaku.co.jp/
・YouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/@shiryosaku


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