データサイエンティストによる、ブレインパッドをもっとオープンにする活動-OpenBrainPadと白金鉱業-

「ブレインパッドでの経験をもっとオープンにしたい」「データサイエンスの知見を業界全体で共有したい」。ブレインパッドには、そんな想いから始まった、データサイエンティストたちの自主的な発信活動があります。今回、そんな発信の一部が「NIKKEIリスキリング」に取り上げられました。普段、外部からは見えづらいデータ活用に携わる彼らが、なぜこうした活動を始め、継続しているのか。背景にある想いや、活動を支えるブレインパッドの企業文化をご紹介します。


栁泉穂 浅野純季 田村潤
アナリティクスコンサルティングユニット
データサイエンティスト
アナリティクスコンサルティングユニット
リードデータサイエンティスト
アナリティクスコンサルティングユニット
副統括
OpenBrainPadで公開している新卒研修資料「基礎統計学」の作成者。 白金鉱業.FM、白金鉱業MeetUp、OpenBrainPadの旗振り役。 管理職として、メンバーの自主的な活動を支援する。

本記事で紹介する発信活動

白金鉱業.FM 白金鉱業Meetup OpenBrainPad

白金鉱業.FMは、ブレインパッドのデータサイエンティスト有志メンバーによるポッドキャスト番組です。メンバー同士や、時に外部ゲストを交え、データ分析やAI界隈、または気の向くままの雑談など、ざっくばらんに話しています。
https://shirokane-kougyou.github.io/

白金鉱業Meetupは、ブレインパッドのデータサイエンティスト有志メンバーが主催している、データサイエンティストや機械学習エンジニアをはじめとしたデータ系職種のための勉強会兼交流会イベントです。
https://brainpad-meetup.connpass.com/



OpenBrainPadプロジェクトは、
ブレインパッドのデータサイエンティスト有志メンバーが、社内にある技術資料の公開やSNS発信などを通じて、業界に対してブレインパッドをよりオープンにしていくプロジェクトです。
https://brainpad.github.io/OpenBrainPad/




NIKKEIリスキリングも注目! 社外に向けた発信活動

──まずは、NIKKEIリスキリング「無料でそこまで学べて委員会」にて、活動内容の一部が取り上げられたとのことで、おめでとうございます!

浅野
ありがとうございます!みなさんの協力で発信活動が成り立っているので、一つこのような成果が出て嬉しいです。


※「本気です!無料でそこまで学べて委員会「『データリテラシーUP!初歩から学ぶ統計学 「数字」を意思決定に役立てる』」にて、当社新卒研修資料「基礎統計学」が掲載
https://reskill.nikkei.com/article/DGXZQOLM186AC0Y4A111C2000000/


──今回は、そんな発信活動を行っている中心メンバーのみなさんにお話を伺えればと思います。最初に、それぞれの発信活動に対する関わり方を教えてください。

浅野
白金鉱業.FM、白金鉱業MeetUp、OpenBrainPadの旗振り役を務めています。これらの活動は私の前任者が始めたものですが、思想を引き継いで運営を続けています。これらの活動は、当社が「受託分析」という外からは見えづらい仕事をしているため、ブレインパッドをもっと知ってもらうために取り組んでいます。
もちろん、会社のブランディング向上、案件の獲得、採用に繋がると嬉しいです。ただ、モチベーションの源泉にはデータサイエンティスト自身がやりたくてやっている、自らで働きたい会社を作り上げていくという内発的動機があります。


私は、OpenBrainPadで公開した新卒研修資料「基礎統計学」を作成しました。統計学を学んできたというバックグラウンドがあったこともあり、社内研修で教わっていた統計学の内容をより良くしたいという素朴なモチベーションから当時の部長に提案し、作らせていただきました。

田村
データサイエンティストが所属する部門の副統括を務めています。この発信活動に関しては、活動に関わる人たちが自発的に始めることを見守り、支援する立場です。本活動に限らず、「やってみたい!挑戦したい!」を応援する文化がブレインパッドにはあるので、そういった投げかけがあった時に、情報セキュリティや本業に支障が出ないラインを見極めながら、背中を押してあげるのが私の役目ですね。


──具体的な活動内容を教えてください。

浅野
まず、ポッドキャスト「白金鉱業.FM」では、ブレインパッド社内のデータサイエンティストを中心に、さまざまなゲストを呼び、生成AIの論文解説やプロジェクトマネジメント、データサイエンスをビジネスにどう適用するかといった話題について話しています。

※白金鉱業.FMの公開収録の様子

またオフラインイベントとして「白金鉱業MeetUp」も開催しています。データサイエンティストや機械学習エンジニアをはじめとしたデータ系職種のための勉強会兼交流会イベントです。2024年12月時点ですでに16回開催し、さまざまな企業で働くデータサイエンティストたちと知見を共有しています。


※MeetUp当日の様子
https://www.brainpad.co.jp/doors/contents/02_effectiveness-verification_1/

「OpenBrainPad Project」は、社内にある技術資料や研修資料を公開し、ブレインパッドをもっとオープンにしていくプロジェクトです。

※Xでの公開告知
https://x.com/Open_BrainPad/status/1702608202037076101

それぞれの発信活動は、公式テックブログの「DOORS」よりも等身大で、ブレインパッドの雰囲気や技術が伝わるような情報発信を心がけています。


「伝えたい」から始まった発信活動

──活動が始まった経緯について、詳しく教えていただけますか?

浅野
もともとは、ブレインパッドを卒業された先輩が始めた発信活動で、すでに5年間活動しています。その方の原体験として「入社する前に会社の中がもっと見えたらよかったのに」という思いがあったそうです。これには私も共感していて、お客様のデータを扱うという仕事の性質上、外部から仕事内容や使っている技術が見えづらいんですよね。そこで、技術力や社内の雰囲気をどうにか伝えられないかと考えたのが始まりでした。今でもこういった思想を受け継いで活動しています。また、データ活用を2004年から手掛けているリーディングカンパニーとして、業界全体に貢献していく役割であるという自責や自負もあります。

田村
私は、本活動の発起人と年次が近く「ブレインパッドの解像度を上げたい」という思いにも共感していたので、自分が力になれることがあれば積極的に参加してきました。改めて、副統括という立場になった今、外部の方と話す機会も増えましたが、やはり社内の生々しい雰囲気だったり、実際に現場で直面する課題や悩み、またその解決策などを伝えることはなかなか難しく、それを伝えていくための取り組みとして、とても意義があると感じています。

──なぜ、これらのコンテンツを一般公開しているのでしょうか?

浅野
ブレインパッドをもっと知ってもらうため、応募者からの解像度が少しでも上がればと思って公開しています。
また、新しいクライアントとの出会いにしたいという狙いもあります。技術を「知っていること」と「使えること」にはギャップがあります。なので、公開物を見てくださった方がクライアントとしてお声がけいただくといったことがあれば、結果的に無料で公開したことで売上に繋がる可能性があるとも考えています。

田村
資料の質の高さからか「本当に無料でいいんですか?」と、驚く反応をいただくこともありますよね。実際、公開されている資料を、プロジェクトの中でそのまま活用できるようなシーンもあります。

浅野
特に、基礎統計学の新卒研修資料はクライアントからも、ネット上でも、反響がかなり大きいです。
統計学というデータサイエンスのど真ん中のテーマで、これだけ質の高い資料を作成してくれた栁さんに感謝です。

── 基礎統計学の新卒研修資料について、内容を詳しく教えてもらえますか?


自分が新卒研修の講師を担当するにあたり、バックグラウンドを活かしてもっと質の良い研修にしたいという思いから出来上がった資料となります。
この資料は「統計の基礎原理を体系的に正しく理解する」ことを念頭に置いています。
今では、ツールの普及を通して統計が誰でも使えるようになっていたり、昨今の生成AIに代表されるように移り変わりの早い業界だからこそ、基礎がとても大事だと思っています。
特に検定の説明に力を入れました。検定は最も使われている統計手法である一方、理解することは非常に難しいと考えています。そのため、できるだけかみ砕いて説明するように心がけました。


※ speker deckで資料を公開
https://speakerdeck.com/brainpadpr/basic-of-statistics


── 公開の経緯についても教えてもらえますか。


実は資料公開については当初は想定していませんでした。
ある日、浅野さんにお声がけいただいて、広報の方にも許可をもらいながら公開に至りました。

浅野
同僚と話していて「この資料を社内に眠らせておくのはもったいないよね」と。
その同僚が栁さんと同じプロジェクトに参画していたので、繋いでもらってOpenBrainPadで公開しました。


結果的にポジティブな反応をいただけたり、多くの方に使ってもらうことができる形になったのでよかったです。


企業文化に支えられた自発的な発信活動

──現役のデータサイエンティストとして、どのように時間を作っていらっしゃるのでしょうか?

浅野
OpenBrainPadについては、既に会社の中に存在する良い資料を外に出すという形なので、最後の出口部分だけを整えればよく、意外と工数は低く抑えられています。ただし、ポッドキャストやMeetupは準備が必要です。例えばMeetupは人事の方々と協力しながら、週に30分だけ定例ミーティングを設けて、その中で作業を完結させるようにしています。モチベーションがあれば、時間は何とか捻出できるものですね。

田村
基本的に本業が最優先です。ただ、これらの活動自体が、私たちの業務に良い影響を与えているとも感じています。例えば、ポッドキャストで技術解説をする準備をすることで、自身の理解も深まりますし、クライアントワークにも活きてきます。

──苦労や工夫はありますか?

田村
会社としても、この発信活動のたてつけは慎重に考えています。前述の通り実業務とのバランスはもちろん重要ですし、また業務として「発信をしなければならない」と強制力を持たせてしまうと、これまでモチベーションドリブンで行ってきた活動に急に義務感・仕事感が出てきてしまいますし、ちょうど良い空気感で推進できるような活動であってほしいという思いがあります。現状の運用としては、一定の性善説というか「自分のやりたいことをやりながら、ちゃんと業務もやる」という信頼関係の上で成り立っていると思います。

浅野
立ち上げ当初は、費用対効果とか、他に優先すべきことがないのかといった声もあったようです。そんな中でも、社員本人の発信に対するモチベーションと、業務としてやるべきことはやっている(両立している)という事実が積み重なるうちに、信頼関係が自然と生まれていったような気がします。

そんな中でも、発起人の先輩が卒業するときには、活動自体が消滅しかねない危機もありました。私にとっては勇気がいることだったのですが、この活動は絶対に続けたほうがよいと思い、2代目として私が引き継ぎました。引き継いでからは、より一層、徹底的にドキュメントを整備し「自分に万が一何かがあったとしても、明日から誰かが引き継げる」状態を目指しています。

また、運営にあたり気をつけていることとして、内容の正確性は必ず確認するようにしています。例えばOpenBrainPadで公開する資料をデータサイエンティストが技術レビューすることで、正確性の担保を図っています。ポッドキャストやMeetupでも正確性はもちろん、何か不快な表現がないかといったことにも気をつけています。

田村
改めて、ブレインパッドの文化を表している活動だと感じますね。本活動もそうですが、ブレインパッドでは、社員が自発的に多くの勉強会が開かれ、内発的なモチベーションでいろんな取り組みが動いています。会社全体の文化として、メンバーが能動的に「こういうことをやりたい」と言ってきたときに、頭ごなしに否定しない。「面白そうじゃん、どうやったらできるか考えてみよう」という姿勢で向き合う人が多い。この10数年の取り組みがあっての今の組織文化だと思います。そういった文化が土台にあるので、この発信活動が盛り上がり続けているのだと思います。


技術と人を伝え続けたい

──具体的にどのような反響がありましたか?


最近では、インターンシップの参加者で「OpenBrainPadの統計資料を見て参加しようと思った」という方がいらっしゃいました。このように、特に新卒採用における価値は大きいと感じます。学生からすると「そもそも仕事がどういったものかわからない」ということが多いです。そんな人に、白金鉱業でリアルなデータサイエンティストの生の声を聞いたり、OpenBrainPadを通して新卒研修の内容を知ることができたりします。こういった取り組みは、会社を選ぶ上でかなり大事だと思っています。

浅野
ほかには、昨年入社した方がポッドキャストを入社の決め手の一つとして挙げてくださったりと中途採用にも繋がっています。また、他社のMeetupに参加した際に「OpenBrainPadで公開された社内勉強会の一覧を見ました」と声をかけてくれました。ネット上だけでなく、実際にリアルでこういった反響を感じられるのはとても嬉しいです。

田村
数字には表れにくい「じわじわ系」の効果も大きいですね。お客様から「こういう資料ないですか」と聞かれたときに「実は公開しています」とお伝えできたり、普段相対しているお客様から「見ましたよ」と言っていただけたりもあります。地道ではありますが、着実に浸透していると感じます。


https://note.com/nash_efp/n/n8b8a2661beab
※社内勉強会の内容も公開している

──今後はどのような展開を考えていますか?

田村
今回はたまたま統計の資料が注目を集めましたが、社内にはさまざまな専門性とキャラクターを持つメンバーがまだまだたくさんいるんです。データサイエンス、データ活用となるとどうしても機械的で固いイメージを持たれてしまうかもしれませんが、その裏側には生身の人間がいて、さまざまなことを考えながら推進している、ということをもっと表に出していけたらと思います。

また、会社としてもこの文化を絶対に絶やしたくないと思っています。データサイエンティストが50人、100人規模の頃からあったこの文化が、200人規模になった今でも残っている。これは本当に素晴らしいことだと思いますし、これをまたゼロから作り上げることは難しいと思います。今後、さらに人数規模が拡大しても、ずっと残していきたいです。


私も継続することが何より大切だと感じています。プレゼンスの向上という意味でも非常に重要な活動なので、今の温度感を保って続けていくことが全てじゃないかなと思っています。自分もできる限り参加していきたいです!

浅野
あとは、もっと「柔らかい」内容の発信もしていきたいと考えています。例えば、社内のSlackでは生成AIについての情報共有チャンネルに参加しているだけでトレンドが追えたり、困ったときに気軽に質問できる「oshiete(教えて)」チャンネルがあります。面白いのは、回答する側には特にメリットがないのに自然と助け合いが生まれていることです。そういった組織としてのカルチャーや魅力ももっと発信していけたらと思います。

ブレインパッドでは新卒採用・中途採用共にまだまだ仲間を募集しています。ご興味のある方は、是非採用サイトをご覧ください!
www.brainpad.co.jp
www.brainpad.co.jp