香港で開催された国際会議「ICIBM 2018」発表レポート~広告予算配分の最適化~

6月14日(木)香港で開催されたビジネスとマネージメントにおけるイノベーションをテーマとした国際会議「ICIBM 2018」で発表した、当社データサイエンティストによる広告予算配分の最適化をテーマとしたセッションをご紹介します。



こんにちは。アナリティクスサービス本部の橘です。
2018年6月14日(木)に、The Hong Kong Polytechnic Universityにてビジネスとマネージメントにおけるイノベーションをテーマとした国際会議「ICIBM 2018」が開催されました!
今回こちらのイベントで、私たちの本部が研究プロジェクトとしてとり組んでいる広告予算配分最適化についてプロジェクトメンバーの野口がお話をさせていただいたので、その概要をご紹介いたします。
(当該プロジェクトは中央大学理工学部教授の生田目先生の協力を得て実施しております)


■ICIBMとは?
ICIBMとは、IEDRC(International Economics Development and Research Center)が主催している国際会議です。
IEDRCは非営利研究開発組織で、幅広い専門分野において最先端の研究を促進・実施しています。
ICIBMはビジネスとマネジメントにおけるイノベーションをテーマとしてIEDRCが主催している国際会議です。
「ICIBM 2018」ではアジアだけではなく、米国やヨーロッパを含む多数の国から参加しており、最近話題の深層学習やフィンテックを扱ったものから経済理論を扱ったものまで、幅広い発表が行われました。


■ブレインパッドの発表セッション
「ICIBM 2018」では、複数の会場で30以上のセッションが行われました。
当社はその中で、「A Resource Allocation Method using a Non-parametric Approach」というタイトルで、現在研究中の広告予算配分最適化の手法についてお話をさせていただきました。
予算配分最適化では各メディア効果を測定して予算配分を決定します。
しかしながら、各メディア効果による個別の売上は観測出来ず、全メディア効果の合計での売上しか観測出来ません。
加えて、一般的にはTVCMとWeb広告のように各メディア間で互いに影響しあっている事が想定されるため、メディア効果の測定は難しい問題となっています。
現在は担当者の主観で各メディア間の関係を仮定して、パラメトリックな手法(統計的手法・機械学習)で効果測定を行っている事例が多く見られます。
このようなパラメトリックな手法では、仮定した各メディア間の関係の妥当性がわからないという問題があり、効果測定の結果について客観性が担保されません。
今回はそのような仮定がなくても効果測定が可能なノンパラメトリック手法についてお話しました。

詳細については下記資料をご覧ください。

■全体を通して感じたこと
Sharing EconomyやE-BusinessにおけるDeceptionをテーマとしている方が多かったです。
Sharing Economyではサービス利用者の利用目的・価値観に関する分析や、税制に関する議論が行われていました。
DeceptionについてはDeception(意図的でないものも含む)の消費者への影響について議論されており、リカバリー努力の重要性について論じられていました。
その他、Deceptionに関連して、業者や悪意のある個人による偽商品レビューをテーマとして、RNNを用いて偽レビューを検知する取り組み等も発表されていました。


■イベントに参加してみて
今回初めての国際会議での発表だったこともあり色々大変な事がありましたが、「データ活用の促進を通じて持続可能な未来をつくる」という当社のミッションにつながる研究プロジェクトの成果を無事伝えることが出来ました。
国際会議セッション中には様々なバックグラウンドを持つ参加者の方々との議論ができ、大変貴重な経験となりました。
今後も、このような国際会議に積極的に参加していきたいと思います!


■最後に
ブレインパッドのアナリティクスサービス本部では、研究プロジェクトを立ち上げており、データサイエンティスト/機械学習エンジニアなど職種問わず、研究プロジェクトへ参加する機会があります。
また、積極的に自身が興味のある研究テーマをプロジェクトとして提案する環境もあります。


ブレインパッドは、イベントへの参加や最先端の情報収集など、さまざまな取り組みを積極的に実施しています。実際のビジネスで自分の知識・技術を活用してみたいという方、ぜひエントリーください!
www.brainpad.co.jp