この記事では、ヤフー株式会社様の SAP® Predictive Analytics 活用例や、成功事例について、セミナーに参加した当社の社員がレポートと共にご紹介します!
こんにちは。デジタルソリューション本部 プレディクティブマーケティングサービス部の三神です。
2019年1月29日(火)、紀尾井町カンファレンスにて「マーケティングチームによるAI・機械学習活用事例セミナー」を開催いたしました!
今回は、ヤフー株式会社様にご登壇いただき、「ヤフーが実現する機械学習を活用した顧客育成ナレッジ」と題して、当社が販売・導入支援を行っている機械学習・予測分析システムである「SAP® Predictive Analytics (※1) 」の活用事例をお話しいただきました。
この記事では、SAP® Predictive Analytics をヤフー様がどのように活用し、成功事例を積み重ね続けているのかを、製品導入時から現在に至るまでヤフーのマーケティングチームの方々と協業してプロジェクトを進めさせていただいた自分の経験からお伝えできればと思います。
ヤフーでは機械学習をどのようにマーケティングに活用しているのか
ヤフー様では、現在会員数2,000 万人を超える「Yahoo!プレミアム会員 (※2) 」のお客様に対して、1人1人のニーズに沿った特典やサービスを適切に提供するため、SAP® Predictive Analytics をご活用いただいております。
SAP® Predictive Analytics には、分類/回帰、クラスタリングといったモデルの自動作成機能のほか、アソシエーションルールの作成(併売分析)や時系列分析、さらにはソーシャルネットワーク分析といった機能が実装されています。
ヤフー様では、これらの機能を駆使して、高い精度のターゲティングモデルを作成し購買者や反応者を予測したり、顧客セグメンテーションや購買商品の組み合わせを可視化・分析したりと、年々その活用の幅を広げています。
ブレインパッドでは、これらのモデル作成や分析のアイディアを提示しながら、ヤフー様と協業して、その意思決定を支援しております。
工数を掛けずにモデルを作成
講演の中で、現在ヤフー様では22のモデルが稼動(2018年12月末時点)しており、「モデリング」から「デプロイ(展開)」までを、3人日で実現しているというお話がありました。
ただ、実際には未稼動のモデルや実装対象外のモデルも存在しているので、これまでに作成したモデル数は倍近くの40を超えているそうです。さらに、その大半がここ1年以内に作成されたものというのですから、圧倒的スピードでモデルを量産していることが分かります。
では何故こんなにも短期間でモデルを量産することができたのでしょうか?
その理由の1つとして、SAP® Predictive Analytics が、モデリング工程のうち、統計学や機械学習、プログラミング知識が必要とされる以下の工程を全て自動化していることが挙げられます。
- 説明変数の選択・加工
- サンプリング
- データ分割
- アルゴリズムの選択
データをセットしてからモデル結果を得るまでのステップを完全自動化することで、統計的なアルゴリズムを熟知していない担当者でも、簡単な操作方法を習得するだけで予測や分析を行うことができるのです。
ヤフー様では現在、モデル作成の時間が短縮されたことによって、複数パターンのモデルを作成したり、説明変数を追加して精度を可能な限り高めるといった余力も生まれており、その過程で得られた知見でさらに付加価値を高めるといったこともできています。
予測モデルの管理を自動化
SAP® Predictive Analytics のコンポーネントの1つに、Predictive Factory というWebサーバベースのアプリケーションがあり、作成したモデルの更新や適用を自動化することができます。
日々膨大なデータが蓄積されていくヤフー様においては、いかに最新のデータを使用して、日々変化する顧客の行動をモデルに反映し、予測精度を維持できるかがポイントとなります。
そこで、ヤフー様では、Predictive Factory を利用してスコアリング(モデルの適用)はもちろん、モデルの再学習といった工程も自動化しており、モデルのデプロイやその後の管理にかかる工数の削減にも成功しているのです。
そのため、モデルをPredictive Factory に実装した後は、モデルの効果検証・評価にだけ注力すればよく、必要であれば要件の見直しを行うといった運用体制を築いていらっしゃいます。
モデリングを支えるチームの組織力
ヤフー様と協業させていただく中で感じるのは、何といってもマーケティングチームの組織力の強さです。
徹底したタスクやスケジュール管理はもちろんですが、モデルが完成してから実際に施策で使用するまでのスピードがとても速いのです。
完成したモデルは、すぐにテストマーケティングで使用され、A/Bテストも実施されます。
結果が悪ければモデルの精度を上げ、結果が良ければさらにビジネス要件に合うようチューニングしていくなど、PDCAサイクルを回すのがとても早く、細かい要件への対応や運用の改善も次々と取り組むことができています。
そして何よりも、的確なメンバーのアサインが特徴的です。マーケティングチームのメンバーは、データ分析に強い人材だけでなく、各事業のサービス経験者を迎え入れるなどして構成されています。
これによって、よりビジネスを理解しその活用場面を想定した上でモデルの要件を定義することできます。さらに、モデルの効果シミュレーションや実績レポート・分析などにおいても、スコア(予測値)を利用する実務担当者や意思決定者に対して、説得力のあるものを提示することができます。
今後ヤフー様では、データドリブンをより一層強化し、データ利活用の成功事例を増やしていくことを目標にされています。当社は、マーケティングチームの求心力がさらに高まり、大きな成果が得られることを期待しています。
本セミナー講演のレポートのダウンロードはこちらから
(※1) SAP® Predictive Analytics
http://www.brainpad.co.jp/products/SAPPredictiveAnalytics.htmlwww.brainpad.co.jp
製品の概要については、以前ご紹介した記事をご覧ください。
Python API が実装! -SAP® Predictive Analytics Python APIを使ってみたーblog.brainpad.co.jp
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Yahoo! JAPANでのお買いものをお得にご利用いただける月額会員制サービスです。)
SAP® Predictive Analytics の活用セミナー開催(2019.03.06)
ブレインパッドでは、SAP® Predictive Analytics を活用した事例やデモをご紹介するセミナーを2019年3月6日に開催いたします。本ブログにてご興味をお持ちいただけましたら是非ご参加ください。
機械学習を活用した施策につなげるツール「SAP® Predictive Analytics」~ 活用事例とデモンストレーション ~[2019.03.06開催]https://www.brainpad.co.jp/seminar/2019/02/13/9357www.brainpad.co.jp
席に限りがあるため、早めのお申込みをおすすめしています。
また、当社では、SAP® Predictive Analytics をはじめ、独自性の強い海外製品を活用したデータ活用支援も積極的に行っています。ブレインパッドにご興味のある方は、ぜひエントリーください!
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