はじめに
こんにちは。アナリティクス本部アナリティクスサービス部の丸山です。
ブレインパッドでは、数年前から学生の皆さんに向けたインターンシップを毎年開催しています。今年はビジネスコース、データサイエンティストコース、機械学習エンジニアコースの3コースが実施されました。
このブログでは、今年8、9月に開催されたデータサイエンティストコースの模様を、運営サイドの視点からお届けします。
インターンシッププログラムを企画するにあたって
近年はAIや機械学習といったワードが世間で流行し、分析業界でも積極的に取り入れようという動きを見せています。
しかし、実際にビジネスの現場では、そのような華やかな技術は課題を解決するために必要な一要素にしか過ぎません。ビジネス課題をデータ分析を活用して解決するためには、分析設計・実施だけではなく、課題の明確化、結果の考察、施策の提案・実行など様々な要素が必要となってきます。
そこで、当社のデータサイエンティストコースのインターンシップでは、分析だけでなく、ビジネス課題を解決するために必要なプロセス全体を学び、経験してもらうためのコンテンツを企画しました。データサイエンティストコースで主眼を置いたのは、「データサイエンティストが実業務でどのようなスキルを必要とするのかを理解してもらう」ということです。
実施内容・スケジュール
データサイエンティストコースでは、基本的なデータの扱いを学ぶ座学と、実戦となるグループワークを5日間かけて行いました。今夏は2回実施し、合計32名の学生の皆さんが参加してくださいました。
座学では、SQL研修とビジネス課題解決のための分析基礎講義をそれぞれ1日程度で行い、残りの時間では、具体的なビジネス課題に対して、データ分析を用いて解決策を考え、提案するというグループワークに取り組んでいだきました。グループワークの成果は、最終日に行われる報告会で、当社アナリティクス本部のマネージャ陣に向けて披露してもらいました。
各コンテンツの詳細と当日の様子
アイスブレイク
こちらの写真に写っているのは、アイスブレイク時の参加学生の皆さんです。アイスブレイクでは、自己紹介を行ったり、5日間一緒に過ごすチームの名前を考えたりするなど、楽しく過ごしました。
座学① SQLによるデータハンドリング
緊張がある程度ほぐれたところで、最初の座学となるSQL研修が行われました。
のちに取り組んでもらうグループワークでは、数千万行というサイズのテーブルデータを扱うことになります。そこで必須となる基本的なデータ加工技術を身につける必要があります。今回は、リレーショナル・データベースに蓄積されたデータを操作する際によく利用されるSQLというプログラミング言語を習得してもらいました。
この座学は、講義というよりも個人ワークの色が強く、基礎的な内容を教えられたあとは、与えられた課題に対してヒントを元に自分でクエリを書いて身につけてゆきます。個人ワークによる研修は新卒研修でも取り入れており、当社の新卒社員に非常に好評です。
1日でSQLを身につけるために、多くの課題をこなす必要がありますが、みなさん集中して黙々と取り組んでいました。質問に対しては適宜講師やインターン企画メンバーが対応し、時折参加学生と雑談に花を咲かせるなど、楽しい雰囲気で座学を進めることができました。
インターン生からも、「演習がメインで習得しやすかった」「ステップアップして段階的に学べるのでわかりやすかった」など高評価のプログラムでした。
初日懇親会
座学で1日を終えた後は、参加学生同士で交流を深めるための懇親会が行われました。
会の中では、当社新卒4年目社員による「ブレインパッドでの1日」を紹介するコーナーを設け、ブレインパッドに在籍するデータサイエンティストの仕事内容や働き方、カルチャーなどを紹介しました。学生視点では割と謎に包まれがちなデータサイエンティストの働き方を、インターン生の皆さんに知っていただけたと思います。
懇親会終盤では、朝の緊張とは打って変わって、インターン生同士打ち解けて交流していました!
座学② ビジネス課題解決のための分析基礎講義
2日目の前半は、「ビジネス課題解決のための分析基礎講義」が行われました。
この講義では、最新の分析手法や高度なアルゴリズムは一切説明しません。ビジネス課題を解決するために「分析」は有用であるとよく言われますが、単に分析手法やアルゴリズムを知っているだけでは課題を解決することはできないからです。
したがって、「何が目的」で、そのために「何を明らかにすべきなのか?」を正確に捉えられないと、有用な知見は得られません。つまり、ビジネス課題を解決するためには目的の見極めから結果の解釈まで包括して実施する必要があり、分析は必要な要素のうちの一部でしかないということです。
データサイエンティストといえども、高度な分析手法が使えるだけでは務まらないのです。
そこで参加されたみなさんには、真の課題解決ができるデータサイエンティストになっていただくべく、課題解決に必要となる要素・プロセスを学んでいただきました。前日にハードなSQL研修をこなした学生の皆さんでしたが、こちらの講義も真剣に聞いていました。日々研究で分析を扱っているみなさんも、分析をビジネス課題に適用する方法を学ぶことができ、新鮮さを感じていたように見えました。
インターン終了後には学生から、「データの分析をメインに行っていると思っていたが、実際にはそれだけではなくデータをもとに課題を発見したり解決策を考えたりしていることを知り、印象が変わった」との声もあり、データサイエンティスト像の新たな一面を知っていただけたようでした。
実践演習
2日目の後半からは、いよいよグループワークです。ここまでの講義で得た知識をもとに、チームでビジネス課題の解決に取り組んでいただきました。
当社の提供するデータをもとに、集計・分析・可視化を行い、クライアントの課題を解決するための提案を考えてもらいます。今回提供したデータは、家計簿アプリに登録されたレシート情報です。これを使って消費者の行動を分析し、クライアントの課題にアプローチしていきます。3日半という短い期間のグループワークの中で分析の方針決め、実施、報告資料作成など多くのことをやる必要があり、チームで一丸となって力を発揮することが要求されます。
ワーク中は、それぞれのチームで盛んに議論が行われていました。チームごとにホワイトボードを前にして進めたり、モニタ上で結果をみたり、付箋で論点を整理したりと、三者三様の議論が見られました。用いるデータは共通で、基本的な情報は変わりませんが、そこからどこにフォーカスしていくか、どの様にビジネスに落とし込んでいくかといったことについては、チームによって様々であったことが興味深かったです。また、限られた時間を有用に使うために、各参加者は自分がどうやって周りに貢献できるか考え行動しており、チームで働くことの強みと困難を同時に体験することができたのではないでしょうか。
グループワーク期間中は各チームに一人ずつフォロワーが付き、1日に1時間程度相談することができます。
フォロワーには、普段現場でデータサイエンティストとして活躍している当社の社員が選ばれ、業務の隙間を縫ってアドバイスに訪れます。現役のデータサイエンティストから、課題の整理方法や分析の着眼点、プロジェクトの時間管理など、現場に即したアドバイスを貰うことで、実際にプロジェクトを進める中で起こる問題とその解決方法を、身を持って学ぶことができたのではないかと思います。
このように懇親会以外でも、当社のデータサイエンティストと議論や交流をすることができるのも、インターンシップの魅力のひとつではないでしょうか。(ちなみにフォロワーの中には、過去に当社のインターンシップに参加し、それがきっかけとなって入社した社員もいます)
さて、インターンも大詰めの5日目午後。ついに最終報告会です。
報告会では、当社社員(アナリティクス本部のマネージャクラス)に対してプレゼンを行っていただきました。このプレゼンでは、単なる成果報告ではなく、社員を実際のクライアントと見立て、分析結果の報告とビジネス施策の提案をしてもらいました。
自らの提案するビジネス施策の有用性を伝えるために、ロジカルなストーリー構築や如何に分析結果を説明するのかについて、ここまで本当に苦労して考えてきました。その成果を試す場です。
発表にはチームごとの特徴が色濃く出ており、とても聞き応えのある内容でした。またどの参加者も3日半真剣に考え抜いただけあって、クライアント役の鋭い質問にも臆することなく対応できていました。
③懇親会
最終日の懇親会は、ブレインパッドの入社2年目までの新卒社員も含めて盛大に行いました。社員・参加者同士の交流に加えて、先の報告会で最も優れた提案を行ったチームと、それぞれのチームのMVPの表彰を行いました。MVPに選ばれた方だけではなく、参加された学生の皆さんが達成感のある様子で、インターンシップを経て成長していたように思いました。
最後に
いかがだったでしょうか。
データサイエンティストコースのインターンシップは、来年度も実施予定です。データサイエンティストの仕事に少しでも興味のある方は是非次回のご参加をお待ちしております!
また、現在2021年新卒向けの採用イベントや会社説明会を開催しております。ブレインパッドについてもっと良く知りたい!という学生の方は、是非こちらにも参加いただければと思います。
新卒採用とあわせて、中途採用についてもデータサイエンティスト・営業やコンサルタントなどのビジネス職・エンジニアを積極的に採用しています。
www.brainpad.co.jp
今年の参加者の皆さん、そして本記事をご覧になっていただいた方々が、ブレインパッドを魅力に思っていただけたら嬉しいです!