2016年東京都知事選の行方をTwitterから分析!主要3候補者に対するソーシャルメディア上の反応は?

 こんにちは、ブレインパッド Crimson Hexagonチームの福江です。

 先日ご紹介しました「2016年参議院議員選挙」に関するソーシャルメディア分析のでは、多くの方からの反響をいただき、ありがとうございました。テレビ東京「NEWSアンサー」や東京新聞、中日新聞、ハフィントンポスト日本版など、多くのメディアにて取り上げていただきました。

 今回は、今月31日(日)に投開票を迎える、舛添前知事の辞職に伴う「2016年東京都知事選挙(告示:2016年7月14日)」について、Twitterの全量データ(*1)を対象に分析できる、当社提供のソーシャルリスニング・プラットフォーム「Crimson Hexagon ForSight™ Platform(クリムゾンヘキサゴン・フォーサイト・プラットフォーム)」を使って、Twitter上の反応を分析・比較してみました。
 なお、本記事は、「2016年東京都知事選挙」における特定の候補者の当落予想や、特定の候補者を支持するものではなく、あくまでもツールを使用したソーシャルメディア分析の結果や傾向をまとめたものとなります。ご承知おきください。

■メディアを賑わす、主要3候補者に関するTwitter上の投稿数推移

集計期間:2016年6月25日~2016年7月20日、検索キーワード:小池百合子氏、鳥越俊太郎氏、増田寛也氏の氏名を含むツイート(*2)

 今回の都知事選は、さまざまなメディアにおいて、元防衛相・環境相の小池百合子氏、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏、元岩手県知事・総務相の増田寛也氏が主要3候補者として話題に上がっております。まずは、主要3候補者に関するTwitter上での投稿数について見ていきましょう。

 小池氏に関する投稿数は、本年6月29日の出馬表明後より安定して高い数字を保っています。鳥越氏に関しては、出馬表明直前まではほとんど投稿されていなかったにもかかわらず、7月12日の出馬表明直後、他の候補者に大差をつける投稿数となっています。増田氏は、他の主要候補者と比較するとグラフ上で見てとれるように大きな山はなく、全体の投稿数も少ないのが現状のようです。

■ポジティブ/ネガティブな反応

 次に3候補者に関するTwitter上の投稿内容を見ていきましょう。まずは、「Crimson Hexagon ForSight™ Platform」の機能を使って、「ポジティブ(好意的)/ネガティブ(否定的)」のどちらが多いのかという、いわゆる「ポジネガ分析」を行います。「支持する」などのツイートは「ポジティブ」(=緑色)、「支持しない」などの投稿は「ネガティブ(=赤色)」、どちらにも属さないものは「ニュートラル(=灰色)」として分類していきます。

集計期間:2016年6月25日~2016年7月20日 検索キーワード:小池百合子氏、鳥越俊太郎氏、増田寛也氏の氏名を含むツイート(*2)

 分類した結果を見てみると、全体的にどの候補者も「ポジティブ」に比べて「ネガティブ」な投稿の割合が高くなっています。

 次に、「Crimson Hexagon ForSight™ Platform」の機能である「頻出単語分析」を使って、「ポジティブ」な投稿と「ネガティブ」な投稿の傾向を見てみましょう。

 まずは、小池氏に関する「ポジティブ」な投稿について見てみます。


 「女性」や「オタク」といったキーワードが大きく現れています。これは、女性初の都知事を期待する声や、小池氏自身がコスプレ姿の画像をTwitterに投稿し、自身が当選すれば東京都としてコミックマーケットを応援することを約束した、「コミケ応援宣言」などに対する反応が反映された結果だと推測されます。

 次に、小池氏に関する「ネガティブ」な投稿について見てみましょう。


 興味深いのは、「ポジティブ」でも多く投稿されていた「女性」というキーワードが、「ネガティブ」としても多く投稿されていたことがわかります。「女性」というキーワードは、小池氏にとっては「ポジティブ」にも「ネガティブ」にもなりうることが伺えます。

 次に、鳥越氏に関する「ポジティブ」な投稿について「頻出単語分析」で見てみましょう。


 野党4党統一候補であることを示す「野党」というキーワードや、同じく東京都知事選に立候補を表明し、直前まで鳥越氏と野党4党統一候補の座を争った、元日弁連会長の宇都宮健児氏を示す「宇都宮」などといったキーワードが目立ちました。

 次に、鳥越氏に関する「ネガティブ」な投稿について見てみましょう。


 鳥越氏に対して、小池氏が街頭演説で「病み上がりの人」と揶揄し、その後テレビ番組内で謝罪したことが、Twitter上でも話題となったことが伺えます。

 最後に、増田氏に関する投稿について見てみましょう。まずは「ポジティブ」な投稿からです。


 増田氏が、元岩手県知事であったことを示す「県知事」というキーワードや、自民党の推薦を示す「自民党」などのキーワードが多く見られます。

 次に、増田氏に関する「ネガティブ」な投稿について見てみましょう。


 メディアでも話題となった、増田氏が岩手県知事時代に行った政策に関する、いわゆる「借金問題」に関連するキーワードなどが多く見られました。

■最後に

 選挙活動において、俗にネットでの活動は「空中戦」、屋外で支持者、支持団体を回って投票を訴えることを「地上戦」と言われています。
 Twitter上での盛り上がりが空中戦の成果の一つだとすると、各主要候補者のTwitter公式アカウントのフォロワー数を見てみると、小池氏が約20万人、鳥越氏が約15万人、増田氏が約4,500人と、候補者によって大きな差があります。しかし、電話調査や対面インタビューなどでは、また違った結果が出てくるかもしれません。今回の分析は、あくまでTwitter上のデータを分析した結果の一つとしてご覧ください。

 今回使用した「Crimson Hexagon ForSight™ Platform」は、ソーシャルメディアの情報をもとに、人々の感情に関する内容を分析することができる「ポジネガ分析」や、そのキーワードの話題性を分析できる「頻出単語分析」など豊富な機能があり、今回の分析で使用したのは、ほんの一部の機能に過ぎません。今後も引き続き「Crimson Hexagon ForSight™ Platform」の豊富な機能を使った分析結果をご紹介していく予定ですので、ぜひ、お楽しみに。

 「Crimson Hexagon ForSight™ Platform」は、米国・Twitter, IncおよびTwitter Japan株式会社で採用されているほか、株式会社朝日新聞社やキヤノン株式会社など世界中で150社以上の企業やブランドにご利用いただいております。



(*1)「Crimson Hexagon ForSight™ Platform」は、米国・Twitter, IncとのFirehose契約により、2010年7月以降の全ツイートを検索することが可能。
(*2)分析の際のキーワードとして、以下のキーワードを選定。
「小池百合子氏に関する検索キーワード」
(小池百合子 OR こいけゆりこ OR コイケユリコ OR コイケユリコ OR 小池ゆりこ OR "小池 都知事" OR "百合子 都知事")
AND -(鳥越俊太郎 OR 鳥越)
AND -(増田寛也 OR 増田)
AND -(石田純一 OR 石田)
AND -https
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AND –RT

「鳥越俊太郎氏に関する検索キーワード」
(鳥越俊太郎 OR とりごえしゅんたろう OR トリゴエシュンタロウ OR トリゴエシュンタロウ OR 鳥越しゅんたろう OR "鳥越 都知事" OR "俊太郎 都知事")
AND -(小池百合子 OR 小池)
AND -(増田寛也 OR 増田)
AND -(石田純一 OR 石田)
AND -https
AND -Google検索数ランキング
AND -Google検索ワード
AND –RT

「増田寛也氏に関する検索キーワード」
(増田寛也 OR ますだひろや OR マスダヒロヤ OR マスダヒロヤ OR 増田ひろや OR "増田 都知事" OR "寛也 都知事")
AND -(小池百合子 OR 小池)
AND -(鳥越俊太郎 OR 鳥越)
AND -(石田純一 OR 石田)
AND -https
AND -Google検索数ランキング
AND -Google検索ワード
AND –RT