Platinum Data Blog by BrainPad

株式会社ブレインパッドのデータ活用に関する取り組みや製品・サービス開発の裏側、社員の日常などをご紹介します。

顧客起点のデータドリブンについて ー弊社の4つのツールを連携した活用方法のご紹介ー

マーケティング活動のテーマとなる「顧客育成」を例に、弊社が取り扱う独自性の強いツールがどう活用できるのかを紹介します!
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初めまして、デジタルソリューション本部 プレディクティブマーケティングサービス部の王と申します。
普段の業務は主に機械学習・予測分析システム「SAP® Predictive Analytics」を活用した“プレディクティブ(予測)”の案件を担当しています。

先日、マーケティングの勉強のため、先月発売され人気の『たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング』を読みました。一人の顧客を深堀することでアイディアをつかみ、新規顧客を獲得する角度からコマーシャルを通じて顧客の認知を上げるための成功例や、顧客をロイヤル化するための顧客分析の方法などが紹介されていました。

考え方は、過去に自分が担当していた分析業務の「顧客育成」とたくさんの共通点がありました。印象深い内容の中で最も気になったのは、冒頭に書かれているマーケティングの現状“マーケターは「顧客が何を求めているのか」を知るよりも、新しい手技手法の理解と実行に時間に取られています”という部分でした。マーケティングは、ツールや手法を使いこなして、顧客データをしっかり調査・分析することを重視しているイメージだったので、少々驚きました。ただ、様々な企業の状況を考えてみても、日々セミナーやイベントに忙しくしているマーケティング担当者が、時間をかけて顧客調査や分析をすることは確かに難しいかもしれません。そこで、弊社の便利なツールを連携することで、マーケターに必要とされている「顧客分析」と「顧客育成」を実現できるのではないかと思いました。

『たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング』に書かれている内容を一部参考に、弊社の顧客育成の方法と掛け合わせて、4つのツールを連携した活用方法についてご紹介させていただきます。

この記事の目次は次のとおりです。

マーケティングに必要なステップと対象のツール

弊社は“データ活用のリーディングカンパニー”としてAIや分析に強みがあり、また自社開発製品のレコメンドエンジン搭載プライベートDMP「Rtoaster」、BIツールで一世を風靡した「Tableau」、誰でも機械学習による予測モデル構築が可能な「SAP® Predictive Analytics」、分析基盤構築の「Microsoft Azure」など、様々なツールを扱っています。

データベースの構築から分析、メール配信までのトータルコーディネート、当然ながら分析のノウハウと一連のサポート経験も豊富です。

● 扱っているツール一覧:http://www.brainpad.co.jp/products/
● 参考になる導入事例:http://www.brainpad.co.jp/case/


マーケティング業務において、下図のような4つのステップ「①情報の収集と分析」「②ターゲティングの設定」「③アクション」「④効果測定」を想定した場合、それぞれのステップで必要となるツールは、下記のように当てはめられると思います。

各ツールの機能をイメージできるように、一言でまとめてみました。当然ながら、一言ではとても各ツールの魅力が伝えきれないので、興味がございましたらぜひ対象となるツールのウェブサイトをご覧いただければと思います。

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.f:id:bp-writer:20190521110112p:plain ■SAP® Predictive Analytics
高速、高精度でデータマイニングが可能なビッグデータ対応の機械学習・予測分析システム
ウェブページ:https://www.sap.com/japan/index.html
.f:id:bp-writer:20190521110831p:plain ■WPS Analytics
GUI※1と各種プログラミング※2対応の統計解析とデータ加工のシステム
※1:GUI(Graphical User Interface)グラフィカルユーザインターフェース マウスなどで直感的操作ができる方法
※2:(2019年5月時点) SAS、SQL、Python、RをSAS言語ベースに混合で書くことが可能

ウェブページ:https://www.worldprogramming.com/jp/home
.f:id:bp-writer:20190521111636p:plain ■Crimson Hexagon ForSight™ Platform
独自の技術で多国語対応※1、画像分析対応している複数のソーシャルメディア※2を同時に分析が可能なツール

※1:(2019年5月時点) 日本語、英語を含む計16か国の言語
※2:(2019年5月時点) Instagram、Twitter、Facebookを含む複数のソーシャルメディア

ウェブページ:https://ch.brainpad.co.jp
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■Probance
顧客の行動を予測し、パーソナライズコミュニケーションが可能なマーケティングオートメーションツール

ウェブページ:https://www.probance.jp/


実は上記ツールには共通点があり、それは、どれも初心者にとても分かりやすい感覚で操作が可能な機能を備え簡単な操作レクチャーで前提知識がなくてもすぐに使用できる一方、さらに専門知識をお持ちの方が深堀していくことも可能というような“二刀流”であるところです。

今では1つですべての機能がそろっているようなツールもある中で、4つのツールを連携するメリットは何か?と思われるかもしれません。実はマーケティングに関連するツールは、通常1つの目的の元に開発されているものが多いです。例えば、マーケティングオートメーション(MA)は顧客育成のためのマーケティング施策の実行と管理といった目的であり、高度な予測分析への対応はほかのツールが必要です。今回紹介しているツールは、それぞれ機械学習、データ解析、ソーシャルメディア分析とMA分野に強みを持ち、十分な実績があるものです。それぞれの分野に特化したツールを活用しつつ、各ツールを連携することこそが最大限の効果を生み出せるのではないかと思います。
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また、いくらよいツールを導入しても、最も重要な要素である「データ」がないと何も始まりません。実はすべてのデータの90%がここ数年で生成されていると言われており、機械学習によるデータ活用の可能性はまだまだこれからではないかと私は思っています。


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「顧客育成」に弊社の4つのツールを連携した活用方法のご紹介

私が過去に担当した「顧客育成」案件を参考に、今回は“通販会社”の顧客育成を想定したツール活用の方法をご紹介したいと思います。雑談になってしまいますが、実は個人的には「顧客育成」という言葉はあまり好きではありません。自分が経営者ならまず顧客満足度を上げて、顧客が自ら高いロイヤリティを持ち、自発的に購買行動を起こしてもらえるような企業を目指したいと考えているからです。しかし、現実を考えると、まずは商品を購入していただかなければ、会社の良さ、商品の良さも知っていただく事はできません。そのためには、きっかけをたくさん作ることが大事だと思います。言葉やテーマは別として、今回のようなツールの連携方法ではマーケティングなどにおいてたくさんの分野に活用できるのではないかと考えております。

では、本題に入りたいと思います。

【質問】
もしあなたが通販会社のマーケティング担当者で、既存の顧客を育成したい場合、どこから取り掛かりますか?


・しばらく購入していない顧客にもう1回購入してもらう
・一度によりたくさんの商品を購入してもらう 
・購入する頻度を増やす

などではないでしょうか?

となると、誰がしばらく買っていない顧客なのか、誰かどの位の頻度で、いくら購入しているのか、をまず知ることが必要です。要するに、先に「基礎集計」から行うことが必要となります。
『たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング』にも“購入頻度”と“認知度”の二つの観点から調査をするように書かれていました。

Step1:基礎集計

単純に見える集計の作業は避けて通れない、分析にとって非常に大事ステップです。今ではすべてが自動化されていて、集計など自分で手を動かさなくてもツールが勝手に作ってくれるような機能がたくさん実装されています。本当に理解を深めたいなら、やはり何を見たいかを自ら考えて多少自分で手を動かした方がたくさんデータをイメージするので、自分の頭にも印象が残り、あとでアイディアも沸きやすくなると思います。少ないデータならもちろんExcelなどでも可能ですが、ビッグデータなら各種BIツール、さらにプログラムを書けるならSQLやPython、R、SASを用いて分析するアナリストも多いと思います。

今回はWPS Analytics(WPS))で行う場合を紹介します。

WPSは通常SASプログラムを書いて集計することなどによく使用されますが、あらかじめプログラムの勉強が必要なので、忙しいマーケターにっとっては新たにプログラムを覚えるより簡単に操作できるWPS4.1を使って、GUI操作ができるワークベンチで集計する方法が、楽で速いと思います。
図の左側が各操作用のパネルになりますが、マウスのドラッグ&ドロップで簡単に操作できます。必要なデータを読み込んで、必要な集計や統計量を出すことが可能です。データベースから直接データを取り込み、データ比較なども簡単に行えるので、状況を把握するにはとても便利だと思います。

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さらに統計や分析に詳しい方向けにSASプログラム、SQL、R、Pythonも記述できて、簡単に統計値を簡単に出せるようなプロシージャがたくさん用意されていて、大量なデータ処理も得意なため、データのクレンジングと加工、社内データの統合やシステム開発などにもよく利用されます。

Step2:顧客セグメント分け

全体のデータを一通り確認し、“どの位の顧客が”、“いくらのものを購入し”、“どのような商品を買っているのか”、など全体の割合や情報を把握したら、次に、「顧客」のことを深く知るために顧客をセグメントに分けてみることが一般的だと思います。要は似たような顧客のグループに分けることです。『たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング』にも顧客を下記のような5つのセグメントに分けていました。
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出典:『たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング』2ページ 顧客ピラミッド(5セグマップ)


SAP® Predictive Analyticsを使った顧客分析ではよく「クラスタリング」という手法を利用しており、よりたくさんの視点から顧客を見ることが可能です。顧客の購買傾向、頻度、性別や年齢のような属性情報など大量のデータの組み合わせを機械学習で一気に解析する必要があります。ここからは、機械学習が得意なSAP® Predictive Analyticsの話に移りたいと思います。

SAP® Predictive Analyticsはデータの容量が大きくてもとにかく早く結果を出すことが可能なので、単純なアイディアではなく、顧客情報や購買状況全量のデータを投入し、統計の手法で顧客を細かくセグメントに分けても短時間で結果を確認することができ、無駄なく大量に試行錯誤と施策検討に時間を充当することができます。


下記がクラスタリング分析の画面となりますが、最終的に出力された画面では、それぞれのグループの平均と全体データの平均を比べる結果が棒グラフとして表示されて、分かりやすく各グループの特徴を捉えることが可能です。
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※使用データはサンプルデータとなります。

棒グラフの右側に平均値も表示されているので、こちらのサンプルでは“健康食品中心のヘビーユーザ”グループの平均年齢が43.0歳、投入したデータ全体の平均が35.7歳と平均年齢より高く、また棒グラフからボリュームゾーンが50代のであることが読み取れます。このように一つ一つの結果を読み取ってまとめると各グループの特徴や顧客の属性が分かります。

Step3:成長ロードマップ

顧客をグループ分けしたら次にどう顧客を育てればよいのか、成長のためのロードマップ(カスタマージャーニー)が必要です。『たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング』では、下記のようなセグメントに分けています。
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出典:『たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング』 21ページ 9セグマップ(5セグマップブランド選好の軸を加えた詳細な顧客分析)

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出典:『たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング』132ページ 代表的な3つの戦略 –Ⅲ販促かつブランディング


分析には、各企業が認識している優良顧客をイメージにロードマップを設定する方法があり、その場合単純なアイディアで偶然うまくいけばラッキーですが、実はデータからちゃんと導いてくれる方法もあります。

例えば、グループAの顧客が“一般顧客”で、よく日常用品を買っていたとします。Aと似たような購入傾向と属性の顧客グループBが“ロイヤルユーザ”で日常用品以外にコスメも良く購入しています。すると、仮設として、Aグループの顧客にコスメ商品を買う機会を作るとグループAの顧客がグループBのロイヤルユーザになる可能性が高くなります。

また、同じくSAP® Predictive Analyticsの“分類・回帰”の機能で施策を行う前に、どの商品を買ってくれそうなのか“購買予測”を行ってから、例えばコスメを買ってくれる確率が高い顧客に施策を行うことで、施策にかかるコストの削減もできるので、よく利用する方法でもあります。

Step4:アクションのタイミング(トリガー)

顧客育成のためどのグループの顧客にどんな商品をお勧めしたいのか決めたら、次に悩むのは「いつそれを実行すればよいか」ではないでしょうか。大量の施策メールが届くと顧客の離脱の確率を増やすだけなので、顧客の属性に応じた配信のトリガーとしてソーシャルメディア分析ツール「Crimson Hexagon ForSight™ Platform」が活用できると考えています。

自分を例にとると、私自身は通販のかなりのヘビーユーザで、生活に関わるものの中では食事以外ほぼすべての物を通販で購入しています。各種通販サイトに登録しているため、常に大量のメールが送られてきます。正直、あまりにも大量に送られてくるので、なかなか開封していません。

ただ、そろそろ買いたい日用品や何時間か前に買い物かごに入れたまま、購入ボタン押し忘れたものはメールやDMでお知らせしてもらえたら助かる場合もあります。自分のように「助かる」「嬉しい」と思っていただき、お客様の深層心理を捉えるとうまく行く例もたくさんあると思います。

なので、DMやメールの配信はきっかけが必要だと思います。TwitterやInstagramの急上昇したワードをトリガーとして、市場でのニーズの高まりを把握してきっかけを作るのはいかがでしょう?購入してほしい商品の関連キーワードが上昇したら対象グループにメールを打つような仕組みを作って、配信のトリガーにすることが可能です。

また、たまに“最近話題のポロシャツが入荷しました“というような内容のメールが届いたりしますが、そのような時に限って商品がごく普通なポロシャツだったりします。そのような場合には、無意識に“話題性”を疑ってしまいます。いつこんなポロシャツが話題になったの?というような疑問を打ち消してくれるような、TwitterやInstagramでの注目度や盛り上がりなどに関する、数値やグラフの情報があると自分ならかなり対象商品を気になってしまうと思います。

下図のように時系列でキーワードの変化を見て、つぶやきなどで対象商品や分類のワードが急激に盛り上がったタイミングで配信するような方法を組み込むことも可能です。

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Crimson Hexagon ForSight™ Platformは他にも、センチメント分析、インフルエンサー分析、頻出ワード分析、トピック分析などの機能を備えているので、各種提案や市場調査、多くの分野で活用できると思います。

Step5:メール配信などによる施策

SNSの話題性を分析した後は、対象の商品を好きなタイミングに、好きなグループ宛にメールを送ることができるMAツールの「Probance」にお任せください。
SAP® Predictive Analyticsで見つけたターゲットのグループをロードマップに沿ったシナリオで、対象の商品を配信するための設定をし、Crimson Hexagon ForSight™ Platformから読み取れるキーワード急上昇のタイミングに配信することで効果が得られることも考えられます。下記はProbanceのホーム画面です。
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下記は、Probanceでメールを設定する方法です。とても簡単な操作で様々なことができるので、事前に設定したシナリオに合わせて定期的に顧客のグループ毎にカスタマイズした内容での配信も可能となります。
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当然ながら、Probance自身はMAツールなので、単独でもLTVを最大化するマーケティングオートメーションが可能です。さらに、Probanceは独自のパーソナライズエンジンを搭載しており、過去の実績から最適な商品を差し込んで、One to Oneの文面を自動生成することも可能です。

Step6:効果検証

配信後のメール開封率や効果、アクセスログ、ターゲットの購買の増減はProbance上で効果測定することが可能です。また各種データをWPS Analyticsで統合して反応率など様々な集計をしたり、大量の施策を実施した場合にCrimson Hexagon ForSight™ PlatformでSNS上の反応を見ることで効果を測ることもできます。
このように、様々なデータの発生に対応し適切なソリューションで施策の評価や検証を行うことが可能です。

最後に

世の中ではAIやMAの普及によって、分析や施策実行のための便利なツールが多く存在し、機能も日々追加・拡張されています。それぞれが独自の機能を持っており、どれが一番自分たちに合っているのか、ツール選びに悩まされているのではないかと思います。導入後も分析や配信業務、新機能の勉強に日々追われていて、結局一部の機能しか利用していない、フル活用できていないのではないかと思います。

弊社の製品を導入していらっしゃる、もしくは今後導入の検討をしているなら、ぜひ弊社が持っている各分野の経験と知識をご活用いただきたいと思います。各ツールのスペシャリストが、お手伝いをさせていただけると思います。
ツールの機能だけではなく有効活用した実績、知見があると得られる効果は大きく違ってきます。アイディア次第でその価値と可能性は無限大ではないかと思います。

参考文献:
『たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング(MarkeZine BOOKS)』西口 一希 (著)



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