Google 主催「 Data Cloud Summit 」登壇レポート ーブレインパッドが支援するDWHモダナイゼーション ー

2021年9月7日(火)~9月10日(金)の3日間で開催された Google Cloud Japan™ 主催の「Data Cloud Summit」に当社のビジネス統括本部アライアンス開発室長とデータエンジニアリング本部長が登壇しました。
「DWHモダナイゼーションの先にある、データ駆動型ビジネスへの変革に必要なものとは」をテーマに実施した講演の概要をご紹介します!



こんにちは。人事部の島﨑です。

2021年9月7日(火)~9月10日(金)に、Google Cloud Japan が主催するオンラインイベント「Data Cloud Summit」が開催されました。
このイベントは、「ビジネスをデータ駆動型に変革」するために必要な、トランザクショナル データベースや分析ソリューションをテーマに、最新事例や最新情報を届けることを目的に開催されました。

コロナ前は、オフラインで開催されていた「 Google Cloud Next 」に、当社も毎年のように出展させていただいていましたが、今回は、オンラインセッションという形で、当社のビジネス統括本部アライアンス開発室長 筧と、データエンジニアリング本部 安良岡が登壇させていただきました!

当日は、企業のデータ駆動型ビジネスへの変革のために必要なアクションの1つとされる「DWH(データウェアハウス)モダナイゼーション」について、ブレインパッドがどのような取り組みを実施していているのかを、事例を交えてご紹介しました。その概要をレポートします!

DWHのあるべき姿とは?モダナイゼーションするために必要なこと

遡ること1992年、データウェアハウスの父であるウィリアム・H インモンの著書「データウェアハウス構築編」に、「DWH(データウェアハウス)」という言葉が初めて登場しました。著書内では、DWHは「目的別に編成され時系列に統合されたデータ集合体で、マネジメントの意思決定を支援するもの」と定義されています。

当社も数多くのクライアントを支援してきた経験をふまえ、「目的に沿ったものであること」、「マネジメントの意思決定を支援するもの」であることが、DWHの存在意義であると考えています。

10年前は、過去や現状をデータ上で把握することがほとんどだったのに対し、現在はデータサイエンスやAIが浸透し、予測や最適化にまで踏み込んだデータ活用が求められるようになりました。このようなビジネスニーズの変化とともに、DWHに求められるものも変化しています。


その一方で、ビジネスニーズの変化に対応しながら、企業変革や経営の意思決定を支援するべきDWHは、実際には使いづらいことが多く、むしろボトルネックになってしまっているケースも見られます。

実際にブレインパッドに寄せられるご相談は、以下のようなものが増えてきています。

  • TO BE像が抽象的である
    • スモールスタートでDWHを構築したは良いが、その先の目的が決まっていないので、構築した環境が使われずに放置されてしまっている
    • バラバラに蓄積されていたデータをとりあえず統合したものの、統合した後どうしたら良いか分からない など
  • TO BE像はあるものの、うまく機能させられていない
    • ビジネス側で思い描くTO BE像がシステム側に正しく伝えられていないため、システム側で適切な対応ができず、せっかく作った環境が機能できていない など

「DWH構築後のビジネスメリットを描けず、中途半端な活動になってしまいがち」な事態を防ぐために

これに対し、DWHが経営の意思決定をサポートできるものとして活用されている好事例を、2つ紹介しました。

【1】外資系化粧品企業の事例

<ブレインパッドが実現したこと>

  • プロジェクト前はバラバラになっていた、店舗データとECデータを統合して分析できるDWHを構築
  • ビジネスゴール設定のためのワークショップを含めて支援を実施したことで、構築後の施策実行フェーズで必要となるデータやそれらデータの連携までをスムーズに実行できた
  • 加えて、施策実行の効果がわかるように各種KPIのダッシュボード作成も提案し、「経営の意思決定をサポートする」ための実装を支援


この事例は、当初は、システム基盤を入れ替えることは決まっていたものの、何のために基盤を使うのか(TOBE像)が具体的に描けていなかったというものでした。

このような課題に対し、ブレインパッドは、単純に入れ替え後のシステムを提案するだけでなく、まず最初にプロジェクトの目的とゴールを整理/設定するワークショップから支援をスタートしました。
ワークショップでは、実際にデータを使って、顧客属性、購買行動、どの施策が売上効果に寄与しているのか等の分析も実施。その後、ユースケースや業務フローを整理しながら、施策のシナリオ作成までをお客様と一緒に作り込みました。

「お客様の課題に歩み寄って支援することにで、実際に何を作っていけば良いのかがクリアになります。ビジネスのゴールを設定するところから支援させていただくことで、活用されないシステムではなく、お客様のビジネスにとって本当に価値のあるシステムを構築することができます。(安良岡)」

現在、こちらの企業では、「施策立案・実行 ⇒ モニタリング ⇒ 改善提案」といったDCAサイクルを四半期毎に回し、店舗・ECを横断したデータ活用が実現しています。


【2】大手総合通販企業の事例

<ブレインパッドが実現したこと>

  • お客様の状況・課題に合わせ、分析ツールを含む、複数のシステムの最適な組み合わせを提案。
  • データを活用したマーケティングに精通した当社が支援することで、単なるツールのリプレイスでなく、マーケティングチャネルの多様化と、施策実行の高度化を実現
  • その結果、ツール利用のランニングコストや運用工数の抑制などの「守り」だけでなく、データ活用人材の育成も含む「データ分析力の強化」を目指す「攻め」の取り組みに発展

この事例は、「分析やマーケティング施策を高度化するために新しい基盤に移行する」という、ある種のTO BE像は描けていたものの、その移行にはさまざまま障壁があったというものでした。

消費行動のデジタルシフトにより、マーケティングの主戦場が従来のカタログからECへ変化する中、従来の分析基盤・分析ツールでは、柔軟な分析がしづらくなっていました。
ところが、その分析基盤の中には過去の膨大なデータと分析履歴が残っているため、すぐに新しいものに移行することが難しく、経営側としても、まずは売上増加よりもコスト圧縮による利益創出に重きが置かれている状況でした。

そうした難しい状況の中で、ブレインパッドは、お客様の状況に合わせた最適なツールを組合せたリプレイス案を提案し、実装を可能にしました。こういった提案ができるのも、分析技術とともに、各種分析ツールの仕組みも理解しているブレインパッドだからこそです。

加えて、マーケティング施策の実行チャネルを多様化・高度化したいというご相談に対しては、当社が取り扱うマーケティングオートメーションプラットフォーム「Probance(プロバンス)」を提案しました。こちらも単なるツールのリプレイスではなく、業務内容と業務要件を正しく把握することで、リプレイス後の新しい業務フローへの置き換えも支援しました。


以上2つの事例のどちらも、高度な技術支援はもちろんのこと、お客様の課題やTO BE像に合わせて、カスタマイズ型の支援に成功した、ブレインパッドならではの事例です。

まとめ ~DWHモダナイゼーションに必要なもの~

これまでご紹介した通り、「DWHモダナイゼーション」には、ビジネスの目的とゴールの設定が欠かせません。だからこそ、ブレインパッドはデータインフラだけではなく、企業の業務内容や未来像、TO BE像を理解した上でのエンジニアリング支援を行っています。

また、お客様ごとにカスタマイズ型の実装を行うには、一般的に時間と工数がかかるように思いますが、ブレインパッド独自の取り組みとして、お客様のビジネスニーズの変化により迅速に対応できるよう「標準のアーキテクチャと標準プロセス、標準環境」を用意しています。
標準環境を利用することで、基礎的な環境はスピーディに構築したうえで、お客様独自の要望や要件部分についてのみをカスタマイズして進めることができます。

要件定義から設計、開発、運用の各フェーズを高品質かつスピーディーに進められるのが、ブレインパッドのDWH構築支援の特長です。

最後に

昨今のDXの潮流の中、内製化・自走化を謳う企業は多いと思いますが、良いシステムを作ったとしても経営層はもちろん、現場レベルにまで活用が浸透しなければ意味がありません。

「DWHモダナイゼーションとは、単なるシステムのインテグレーションではなく、企業改革そのものを意味するといっても過言ではないと思います。ビジネスゴールの達成に対してどれだけ貢献できたのか、業務を進化させることができたのか、を測ることが重要です。皆さんの思い描くTO BE像に、私達も真摯に伴走していきたいと思います。(筧)」


ブレインパッドは、お客様にしっかりとデータを活用していただくために、単なるシステム構築ではない、お客様の課題に入り込んだご提案・システム構築を行います。当社の姿勢に共感を持っていただいた方、業務に興味がある方は、ぜひご応募ください!
www.brainpad.co.jp