2017年衆院選をデータから分析! Twitterで話題の「政党」、「政策」が明らかに

10月22日(日)に投開票を迎える2017年衆議院議員総選挙(衆院選)。Twitterでのつぶやきから、各政党への反応や、注目されているキーワードを分析しました。


こんにちは、ブレインパッド Crimson Hexagonチームの福江です。

昨年公開した「2016年参議院議員選挙」に関するソーシャルメディア分析、「東京都知事選の主要候補者」に関するソーシャルメディア分析では多くの方からの反響をいただき、ありがとうございました。

今回は、10月22日(日)に投開票を迎える「2017年衆議院議員総選挙(公示:2017年10月10日)」について、Twitterの全量データ(*1)を対象に分析可能な、当社提供のソーシャルリスニング・プラットフォーム「Crimson Hexagon ForSight™ Platform(クリムゾンヘキサゴン・フォーサイト・プラットフォーム)」を使って、Twitter上の反応を分析・比較してみました。
なお、本記事は、特定の候補者の当落予想や、特定の候補者を支持するものではなく、あくまでもツールを使用したソーシャルメディア分析の結果や傾向をまとめたものとなります。ご承知おきください。


今回の衆院選は、「自民党」「公明党」の連立与党、小池百合子東京都知事が新しく立ち上げ民進党の議員も合流した「希望の党」「日本維新の会」を中心とした野党連合、第三極の「立憲民主党」「社民党」「共産党」のいわゆるリベラル派による、三つ巴の戦いと言われています。

今回は衆院選関連のキーワードを含むツイート、計1,227,774件の投稿(*2)データから「政党」と「政策」2つの軸に分けて分析を行いました。分析期間は、安倍総理が衆議院を解散した9月28日から、公示の10月10日までの13日間を対象とします。

■爆発力の新党と安定の自民党

まず衆院選関連と政党名の両キーワードを含む投稿数を、政党別に比較しました。今回公認候補を擁立していない民進党や無所属は含まれていません。

「政党名」を含む投稿数の割合で見ると、希望の党が41%と最も多く、次に自民党の20%、立憲民主党と共産党の13%と続きます。

やはり新党として設立された、希望の党と立憲民主党はTwitter上でも話題になったようです。ただしこれらの数値はあくまで「話題の量」であり、マスメディア等で発表される「支持率」とは異なるため、話題の量が実際の投票率に結びつくかどうかはまだわかりません。

次に各党に関連する投稿数の推移を時系列で見ていきます。


衆議院が解散された9月28日時点では、希望の党が他の政党の2倍以上の投稿数があり、話題性が高かったことがわかります。立憲民主党は9月28日時点ではまだ存在していなかったため、当然ながら投稿もありませんが、枝野氏が結成を宣言した10月2日以降(結党は翌日10月3日)は、常に高い投稿数を維持しています。

安倍総理を中心とした自民党は、全体的には新党に比べて新しいニュースが少なく話題の量は多くはないですが、常に一定の投稿数があり、公示日となった10月10日時点では新党である希望の党に迫る勢いとなっています。

次に、今回の三つ巴の戦いの話題の中心である、「自民党」、「希望の党」、「立憲民主党」の3つの政党に焦点をあてて、それぞれの政党別にどんな投稿が話題になっているのかを分析します。

■三つ巴の戦い、各陣営のキーワードと関連性は?

自民党

上図は、自民党に関連する投稿を分析し、話題になっているテーマと関連するキーワードをクラスタリングで分類したものです。

選挙の争点となっている「議席」の数、その議席数によって今後大きく動くであろう「憲法」「改正」の問題などが挙がっています。

また興味深い点として、「小池」氏に関連して「連立」というキーワードが結びついています。この投稿の中身を見ると、今回の選挙で対決姿勢を見せている自民党と小池氏ですが、「選挙後に自民党と連立するのでは?」といった意見が並んでいます。

希望の党


次に、希望の党に関する投稿のテーマと関連するキーワードの一覧です。

今回大きな注目を集めた「民進党」との「合流」問題。
また、「都知事」であり希望の党の代表でもある小池百合子氏が今回の衆院選に「出馬」するのか否か、そして希望の党が公約として掲げた12の「ゼロ」に関する話題が挙がっています。12の「ゼロ」については、原発ゼロ、待機児童ゼロなどの社会問題に加えて、「花粉症ゼロ」の公約についてもSNS上では様々な意見が飛び交いました。

立憲民主党


最後に、立憲民主党に関する投稿のテーマと関連するキーワードの一覧です。

民進党」から離党して枝野氏を中心に結党した立憲民主党。
元々民進党の議員は希望の党から公認を得て立候補する方針を示していましたが、希望の党代表の小池氏が「リベラル」派を排除すると明言したことがキッカケとも言われています。
これを機に「民進党」の「リベラル」派の議員たちが離党して、立憲民主党が設立されました。

立憲民主党に伴い開設された立憲民主党の公式Twitterアカウント(「cdp2017」というのはこのアカウント名)は、10月2日に開設されたにもかかわらず、自民党の公式Twitterのフォロワー数を抜き、政党別フォロワー数トップ(約17万人 10月13日時点)となったことも、様々な憶測とともに話題となりました。

■衆院選の政策別投稿数はどうなのか?

次に、今回の衆院選を「政党」ではなく「政策」の視点から分析します。
今回衆議院を解散し総選挙を行うことについて、安倍総理は9月25日の記者会見で「消費税の使い道の見直し」、「北朝鮮問題」など様々な国難に対応するための「国難突破解散」と位置付けています。

そこで今回の衆院選に関連する投稿から、次の5つのテーマを軸にTwitterの話題量を分析しました。

「憲法」「北朝鮮」「原発」「消費税」「教育無償化」

※分析対象期間:2017年9月28日~10月10日、分析クエリ:衆院選関連(*2)と政策関連の両方のキーワード含む投稿数

分析の結果、「憲法」に関連する投稿数が多く、「北朝鮮」、「原発」と続きます。
一方で今回の衆院選の論点として挙げられていた、「消費税」の使用用途の変更や少子高齢化対策として掲げられた「教育無償化」については、比較的少ない結果となり、Twitter上ではあまり話題になっていないことがわかりました。

■最後に

今年の衆院選は、2016年に選挙権年齢が20歳から18歳に引き下げられてから、初めての衆議院選挙です。今後は、新たな有権者の人たちに候補者のメッセージを届けるため、また若者の声を積極的に聞くために選挙においてもソーシャルメディアの存在がますます大きくなっていきそうです。

候補者や政党などTwitterを活用している議員は増えていますが、InstagramはCrimson Hexagonの分析機能を使って動向を見てみましたがまだまだ目立った動きは見られませんでした。今後の選挙では、Instagramを選挙戦に活用して当選する「インスタ議員」が誕生するかもしれません。

今回使用した「Crimson Hexagon ForSight™ Platform」は、Twitter、Instagramなどソーシャルメディアの情報をもとに、人々の感情に関する内容を分析することができる「センチメント分析」や、そのキーワードの話題性を分析できる「頻出単語分析」など豊富な機能があり、今回の分析で使用したのは、ほんの一部の機能に過ぎません。今後も引き続き「Crimson Hexagon ForSight™ Platform」の豊富な機能を使った分析結果をご紹介していく予定ですので、ぜひ、お楽しみに。



Crimson Hexagon ForSight™ Platform」は、米国・Twitter, IncおよびTwitter Japan株式会社で採用されているほか、世界中で500以上の企業やブランドにご利用いただいております。
ご興味がある方や、実際に製品のデモをご覧になりたい方は、こちらよりお問い合わせください。

製品の詳細は、こちらをご覧ください。
www.brainpad.co.jp


(*1)「Crimson Hexagon ForSight™ Platform」は、米国・Twitter, IncとのFirehose契約により、2010年7月以降の全ツイートを検索することが可能。
(*2)分析クエリ(分析対象キーワードと除外キーワード)
((衆院選 OR 衆議院議員選挙 OR 衆議院議員総選挙 OR 衆議院選挙 OR 衆議院解散)
OR (解散 AND 選挙))
AND -(AKB OR SKE OR HKT OR NGT OR NMB)
AND -(参議院 OR 参議院議員選挙 OR 参議院議員通常選挙 OR 参議院選挙)