先日9月6日(水)、トレジャーデータ株式会社と共催で「カスタマーデータをフル活用するデータマーケティングセミナー ~データドリブンを実現するノウハウと組織を学ぶ~ 」を開催しました。
当日はデータサイエンティスト・オブ・ザ・イヤーを受賞した日本航空(JAL)のWeb販売部 1to1マーケティンググループ アシスタントマネジャー 渋谷氏に、同社のWebマーケティングにおけるDMP活用の実態についてお話いただきました。
本ブログでは、当社の社員も登壇した当日の様子についてご紹介します!
こんにちは、広報の辻田です。
9月6日(水)、トレジャーデータ株式会社と共催で「カスタマーデータをフル活用するデータマーケティングセミナー ~データドリブンを実現するノウハウと組織を学ぶ~ 」を開催しました。
「第2回データサイエンティスト・オブ・ザ・イヤー*1」を受賞した日本航空株式会社(以下JAL)の渋谷 直正氏が登壇されるということもあって、会場には多くのマーケターが駆けつけました!
1日あたり約50万人が訪れるJALのウェブサイト*2。その裏側で行われている渋谷氏のデータ活用ノウハウとは、いったいどのようなものなのでしょうか?
■「サイト経由での売上を最大化する」Web販売部のミッション
JALのサイトでは、運航情報など各種情報発信に加え、航空券やツアー、ホテルなどの商品が販売されています。
渋谷氏が所属するWeb販売部のミッションは、「サイト経由での売上を伸ばす(最大化する)」こと。そのために、①訪問者数の増加、②訪問回数、購入回数の増加に向けた施策を行っています。
渋谷氏:「最も重要なのは、どのお客さまにどの商品をレコメンドするかを考えることではなく、お客さまが本当に望んでいるものは何なのか?を精緻に把握することです。よりよい施策を追い求め、プライベートDMPに蓄積されたデータをフル活用し、施策10個のうち1つ成功すればよい、というぐらい、トライアルとチューニングを繰り返しています」
■プライベートDMPを構築し、自社データ+外部データをフル活用
JALは、データをフル活用するための基盤として、ブレインパッドの支援のもと「Rtoaster」によるプライベートDMP環境を構築しました。
渋谷氏:「プライベートDMPの構築以前は、私たちは『社内に蓄積されたデータ』を一生懸命分析し、お客さまのことを理解しようとしていました。しかし、“井の中の蛙”にならないためにも、外のデータ、つまりパブリックDMPのオーディエンスデータも蓄積し、積極的に活用して施策を行おう!と考えました」
実際にJALは、プライベートDMP(自社データ)とパブリックDMP(外部のオーディエンスデータ)の双方のデータを紐付けしフル活用することで、ユニークな仮説が立てられるようになったとのこと。その中から、3つの事例とその効果についてご紹介いただきました。これらは、自社では入手が難しいデータによるセグメントで、すべて同社のマーケターが日々考えていた仮説に基づくものだそうです。
事例①:転職を考えている人におススメするこだわりの海外旅行
事例②:大人の自立した女性にオススメする海外旅行一人旅
事例③:結婚を控えた人にオススメする「とっておきのハネムーン」
渋谷氏:「JALには、転職する人や結婚を控えた人のデータなどはもちろんありません。今まではチャレンジできなかった企画も、自社データとこういった外部オーディエンスデータとを紐付け、双方のデータを活用することで、これらの施策が実現しました。その結果、最大でクリック率が5倍~6倍になるなど、高い効果が出ています。」
渋谷氏:「当社にとって、ハワイに行くお客さまを予測することはそれほど難しくありません。ですが、そのお客さまが『ハワイに行って何をされたいのか?(趣味・嗜好)』を把握できなければ、実際の施策効果にはつながりません。リラックスされたいのか? 買い物をされたいのか? 食事を楽しみにされているのか? お客さまの目的や気持ち(インサイト)を把握し、その方が関心をもつアクションを行うには、自社データだけでは足りません。自社データ+外部データをフル活用しはじめて実現するのです」
■さらにお客さまのニーズ・嗜好を理解するコンテンツ作り
JALは、さらなるお客さまのニーズを理解するために、新たなコンテンツ作りにも取り組んでいます。例えば、サイト内に「海外スポーツ観戦」といったコンテンツを作成。その閲覧履歴をプライベートDMPに蓄積しています。その他、お客さまがサイト上で商品を絞り込みした検索結果から、趣味などに関するデータも蓄積しています。
渋谷氏:「最適な施策を実現するためには、トライ&エラーを繰り返し、精度を高めることが重要。そしてヒット率を高めていくのです」
そんな同社でも、思ったとおりの結果が出なかったことも。
渋谷氏:「自分たちの仮説が間違っていて、思い通りの結果が出ないこともあります。1回限りの施策のためにデータを活用するのもありですが、成功・失敗の結果も含めてきちんと蓄積し、企業の情報資産としていくことが重要だと思います。」
■DMP構築を支援する最強タッグ「TREASURE CDP × Rtoaster」
続いて、トレジャーデータ株式会社と当社より、「カスタマーデータプラットフォームを活用して顧客を知る」、「プライベートDMPの動向とデータ活用」について講演しました。
両社の講演では、JAL 渋谷氏が講演したデータマーケティングの世界を実現するためには、どのようなデータ活用基盤をもち、どのように活用していけばよいのかを紹介しました。
堀内氏からは、同社の「TREASURE CDP(旧:TREASURE DMP)」とその活用事例として、大手化粧品メーカーや製造業での先進事例を紹介。
堀内氏:「日々発生する膨大なデータをフル活用するには、膨大なデータを集約する必要がある。その際に、データレイク型DMP『TREASURE CDP』が大きな効果を発揮します」
続いて、当社の今野から、レコメンドエンジン搭載プライベートDMP「Rtoaster」と、大手旅行会社や通販企業、メディア企業などの先進事例を紹介。加えて、DMP構築を支援する最強タッグ「TREASURE CDP × Rtoaster」による、「One to Oneマーケティングプラットフォーム」についても紹介しました。
今野:「マーケティングアクションの精度に秀でた『Rtoaster』は、顧客属性・ウェブアクセスログ・スコアリング結果・キャンペーンの効果・メール配信履歴などの膨大なデータをフル活用した、多彩なマーケティングアクションを実行することが可能です。両社の製品を組み合わせて、今回のJAL様のような、マーケターの夢である『データマーケティングの世界』が実現できるのです」
(今回ご紹介しました「Rtoaster」の活用イメージや具体的な効果などの一部は、当社のウェブサイト「Rtoaster 導入実績」にて公開されています。あわせてご覧ください!)
いかがでしたでしょうか?
今後も、マーケターの方々の業務に役立つ、データ活用/デジタルマーケティングの最新情報を提供する各種セミナーを開催し、本ブログでもレポートしていきますので、ぜひお楽しみに!