こんにちは、広報の辻田です。
本年6月、テレビ朝日「報道ステーション」の「沖縄県 慰霊の日」に関する特集内で、当社協力のもとTwitterのつぶやきを利用したソーシャルリスニングの分析結果が使用されました。
本ブログでは、ソーシャルリスングについて製品担当者へのインタビューを紹介します。
▲「報道ステーション」の一コマ
最近よく聞く、ソーシャルリスニングやSNS分析。皆さんの中には、“どんなものだかよくわからない”という方も多いのではないでしょうか(実は私もそのうちの一人です)。そこで、今回番組に協力した、ブレインパッドのソーシャルリスニングツール「Crimson Hexagon ForSight™ Platform(以下ForSight)」の製品担当者に、ソーシャルリスニングで“どんなことができるのか?”をインタビューしました!
■わからなければプロに聞こう!「商品開発から顧客対応まで使える“攻め”のソーシャルリスニングとは!?」
<今回、インタビューに答えてくれた人>
株式会社ブレインパッド
デジタルソリューション統括部マーケティンググループ
プロダクトマネジャー 福江 孝史
大学院にて経営学を専攻。SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の広告運用やソーシャルメディアマーケティング支援などに従事し、ブレインパッド入社後は、「Crimson Hexagon ForSight™ Platform」の製品担当者として、導入支援からソーシャルリスニングに取り組む企業の相談にも多数のっている。「2016年参議院議員選挙」、「2016年東京都知事選挙」に際しては、テレビ東京、東京新聞、ハフポストなどメディアへのソーシャルリスニングの協力・アドバイスなども行っている。
福江:辻田さんは、普段ソーシャルメディアは使っていますか?
辻田:ブレインパッドの公式Facebookや、Twitterなどの運営を担当しています。プライベートでも、Facebook、Twitter、Instagramなどを使っています。
福江:ソーシャルリスニングは、それらソーシャルメディア上で人々が日常的に語っている内容を、テクノロジーを活用して収集・分析し、トレンドや、企業・商品・ブランドなどの評価・評判を把握して、改善などにつなげることを言います。
辻田:なるほど。マーケターや広報なら、自社の商品はどんな風に思われているのか?、世の中でどんなことが流行っているのか?を知る必要があります。
福江:ちなみに、Twitter、Facebook、InstagramなどのSNSに、比較サイトや掲示板、YouTubeなども含めてソーシャルメディアといいます。ソーシャルリスニングでは、これらソーシャルメディアを対象に分析を行います。
辻田:TwitterやFacebookだけではないんですね。
福江:そうなんです。ソーシャルメディア上では、担当者でも気づかなかった商品の魅力をユーザーが自発的に紹介しているかもしれません。今まで気がつかなかった声を把握できれば、よりスピーディーに商品の開発や改善につなげることができるんです。
辻田:ソーシャルリスニングというと、いわゆる「炎上」や「風評被害」などを企業広報が把握するものだと思い込んでいました。
福江:そういう“守り”の使い方ももちろんできるんですが、実は、商品の開発・改善から宣伝広告、顧客対応まで、広範囲かつ“攻め”の使い方もたくさんできるんです。マーケターの皆さんだと、例えばこんな使い方ができます。
・商品分析
・ブランド相関分析
・競合分析
・キャンペーン効果分析
・消費者の満足度分析
・危機対応分析
辻田:結構いろいろとできるんですね。最近、ソーシャルリスニングがマーケターの間で流行っているのには、こういうさまざまなことが分析できるからですか?
福江:それもありますが、アンケートやグループインタビューといった従来の調査方法では、無意識に模範的な回答になりやすいことも多いのです。ソーシャルリスニングのほうが、よりリアルな声から現状を把握・理解しやすいというメリットもあります。どちらがよいというものではなく、それぞれの目的や得たい回答によって選ぶのがよいでしょう。
▲従来の調査方法とソーシャルリスニングの比較
■ソーシャルリスニングに取り組むには何が必要なの?
辻田:ソーシャルリスニングに取り組むには、ツール導入が必要だと思うんですが、結構お高いんでしょう?
福江:何だかテレビショッピングみたいですね(笑)。実は無償のツールもたくさんあるんです。よく知られているものだと、「Yahoo!リアルタイム検索」や、「Twitter」「Instagram」などのアプリ提供元が用意している検索機能などがあります。これらは基本無償で使えるんです。
辻田:無償のツールと有償のツールってどう違うんですか?
福江:当然ですが、有償ツールのほうが高機能かつより深い分析ができます。無償ツールの「Yahoo!リアルタイム検索」は、Twitter、Facebookの投稿が分析でき「感情の推移」などを把握できるので、ざっと眺めるだけであれば、ソーシャルリスニングツールの代用としては十分です。ただ、より深い分析をしようとすると機能が足りないことがわかるはずです。ツールを選ぶ際には、その差異を理解して、自社に合ったものを選択するといいでしょう。
<ツールを選ぶ際に注意したいポイント例>
・分析対象のソーシャルメディアの種類、得意分野、収集可能件数などは異なる
・ツールによって過去に遡って分析できる投稿期間や量も異なる
・分析できる投稿者の言語や国も異なる
・リアルタイム性が売りのソーシャルメディアでは、高速な分析ができるかが鍵となる
▲ForSightと主要製品の機能比較表(当社調べ)
■実際に私も触ってみた、ソーシャルリスニング初体験!
福江:どんなことができるのか、実際にForSightを使ってみましょう。ForSightは、SaaSで提供されているので、ネット環境さえあれば、契約後すぐに利用できます。
ログイン後、
・分析対象にするソーシャルメディアを何にするか?
・分析をする対象期間をいつにするか?
・何について(キーワード)調べたいのか?
を設定すれば、すぐに分析結果を返してくれます。
▲ForSightの管理画面
辻田:“分析”システムというと、難しいイメージがありましたが、わかりやすいインターフェースなので、すぐに使えそうですね。
福江:たとえば、辻田さんはどんなことを調べてみたいですか?
辻田:広報としては、自社のことがどんな風につぶやかれているのかに興味があります。どんなキーワードと一緒につぶやかれているのか、とか。
福江:では、今回は「ブレインパッド」というキーワードで、Twitterのつぶやきを対象に、日本国内でのものに絞って調べてみましょう。ForSightは、豊富なデータソース(Twitter、Instagram、Facebook、ブログ、掲示板、レビューサイト、YouTube、Google+など)にアクセスでき、かつ多言語にも対応しています。その中でもTwitterは、利用者数や公開されている情報が多く、ユーザーも直感的に本音を書き込む傾向があるので、分析しやすいんです。
辻田:なるほど、得たい知見によって、ソーシャルメディアを選べるんですね。
福江:はい。それでは、まず、ブレインパッドが東京証券取引所マザーズに上場した2011年9月以前の情報を見てみましょう。
辻田:すごい!最新の情報だけでなく、過去の情報も遡れるんですね。
福江:ForSightの特徴として、過去も遡って分析対象にできるんです。有償ツールであっても、過去のデータは対象外となるツールもあるので、導入する際は注意が必要です。
辻田:お、すぐに結果を返してくれるんですね。数分で早速以下の画面が現れてきました。
▲2010年8月1日~2011年7月31日の1年間を対象に分析した結果
福江:この機能は「頻出ワード分析」といいます。キーワードが大きければ大きいほど、つぶやかれている数が大きいことを示します。
辻田:当時からブレインパッドの主力サービスであるデータ分析サービスを示す「分析」、デジタルマーケティング関連製品の「Rtoaster」や「ツール」、運用型広告最適化ツール「L2Mixer」に関連する「広告」、「最適」、「リスティング」といったキーワードが見られるようです。
福江:それでは次に、直近の情報を見てみましょう。
▲2016年8月1日~2017年7月31日の1年間を対象に分析した結果
辻田:ブレインパッドの主力サービスや製品の名称に加えて、株式関連情報を示す「株」「3655(ブレインパッドの証券コード)」「銘柄」といったキーワードも多くつぶやかれているようです。また、ここ最近の注目キーワードである、「人工知能」「機械学習」などに関するキーワードも多いようです。
福江:ForSightの別の機能では、Twitterの投稿数を比較することもでき、上場前に比べ上場後は40倍近く投稿数が増えていることがわかります。
辻田:世の中の動きや自社について話題になっていることが、時期によって変化していることが、手に取るようにわかるんですね。
福江:今回はブレインパッドという単一キーワード、かつ最も簡単に利用できる「関連性分析」での簡易的な分析でしたが、そのほかにも、ForSightには、以下のような豊富な機能があります。
・センチメント分析
・時系列推移分析
・インフルエンサー分析
・頻出ワード分析
・トピック分析
・アフィニティ分析など
辻田:これらの機能を使うと、先ほど言ったような、商品の開発・改善などの広範囲な“攻め”の使い方ができそうですね。
福江:従来の調査方法に比べて手軽にタイムリーな調査ができるソーシャルリスニングの登場により、ソーシャルメディアは「発信」だけでなく「分析」の場にもなりつつあります。
今回、マーケターの方にぜひ知っておいていただきたい、さわりの部分だけご紹介しました。ご興味がある方は、より詳しいセミナーや相談会なども開催していますので、お気軽にご相談ください。
辻田:ありがとうございました。次回はより突っ込んで、ForSightを利用したソーシャルリスニング分析をご紹介する予定です。