応援する気持ちと、応援される感動がたくさん詰まった「ツール・ド・東北 2014」参加レポート

こんにちは、広報の辻田です。

9月14日(日)、「ツール・ド・東北 2014」というサイクリングイベントに参加してきました。このイベントは、東日本大震災の復興支援と震災の記憶を未来に残していくことを目的として、宮城県三陸沿岸の2市2町(石巻市、女川町、南三陸町、気仙沼市)にて、昨年より開催されているイベントです。2回目となる今回は、昨年の2倍以上の参加者となる、総勢2,959名のライダーが参加するなど、前回に増して大きな注目を集めるイベントとなりました。

当社では、昨年の第1回よりスポンサーとして「ツール・ド・東北」を応援しており、今年は、社内から20名のライダーと、はじめての取り組みとして、有志11名が大会運営支援のクルー(ツール・ド・東北では、ボランティアの方をクルーと呼びます)として参加しました。

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↑ 代表の草野(左から3人目)を含め、当社から20名のライダーが参加。

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↑ 社内から有志11名がクルー(ボランティア)として参加。

なぜ、東北でサイクリングイベントなのか?

なぜ、東北でサイクリングイベントを開催するのか、疑問に思う方がいるかもしれません。実は、東北と自転車には、切っても切れない縁があるのです。

東北でのサイクリングイベントの歴史は古く、昭和27年6月に、戦後、道路整備が遅れていた東北の道路改善に向けて世論の注目を集めるため、「三笠宮杯東北一周自転車競技レース」が開催されました。その後、20年近くにわたり、東北地方の方々に親しまれてきた自転車競技レースは、道路状況の改善とともに、その初期の目的を達成したことから、幕を閉じました。

そして、2011年3月11日の東日本大震災によって未曾有の被害に遭った東北の地で、あらためて自転車を通じて東北復興支援を行っていこうと、地元の新聞社である河北新報社と、早くからインターネットを通じて復興支援を行ってきたYahoo! JAPANが中心となって立ち上げたのが、この「ツール・ド・東北」なのです。

そして、イベント当日。

イベント直前には、石巻地方を記録的な大雨が襲い、広範囲にわたって冠水するというアクシデントにも見舞われましたが、直前までの大会関係者の方々のご尽力のおかげで、無事イベントが開催されました。

当日は、あいにくの曇り空で、所々雨が降るなど、あまり良いコンディションとは言えませんでしたが、それぞれに特徴のある、気仙沼フォンド(220㎞)、南三陸フォンド(170㎞)、北上フォンド(100㎞)、女川・雄勝フォンド(60㎞)の4つのコースに、総勢2,959名ものライダーが参加しました。

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↑ 出走前の模様。一番早い気仙沼フォンド(220km)は、朝の5時半からスタート。

ブレインパッドからは、代表の草野を含め20名のライダーが、気仙沼フォンド(220㎞)、南三陸フォンド(170㎞)、北上フォンド(100㎞)の3つのコースに参加し、お揃いのユニフォームに身を包み、被災地の今と豊かな東北の自然を肌で感じながら、自転車で駆け抜けました。イベント自体は、ファンライド形式と呼ばれる順位やタイムを競わないものとなっており、それぞれの参加者が自分自身のペースで、それぞれの思いで東北の地を走るということが大きな特徴となっています。

コースの途中では、未だ積み上がったがれきの山が見られたり、家屋が流された跡のだだっ広い空き地が見られ、3年半以上たった今も、震災の爪あとが至るところにあり、復興までの道のりはまだまだ続いていくのだと感じました。その一方で、昨年はがれきの山だった場所で新たな工事がはじまっていたり、新しい道路が完成していたりと、少しずつ復興の兆しや変化も見て取れました。そして、その復興を見守るがごとく、雄大な三陸の自然は昨年と変わらぬ姿で目の前に広がっていていました。

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↑ それぞれの思いを胸に、被災地を自転車で駆け抜けました。

楽しみは、自然だけではない。地元との方とのふれあいと、東北の海・山の幸。

「ツール・ド・東北」のコースには、約20kmおきにエイドステーションと呼ばれる休憩地点が全9箇所設けられ、長距離を駆け抜けてきたライダーのために、東北の海の幸と山の幸をふんだんに使った食事が振る舞われます。エイドステーションの運営は、地元の有志の方々、そして、全国から集まったツール・ド・東北クルー(ボランティア)など、たくさんの方々の支援で支えられています。

ライダーが感激するのはその食事だけではなく、地元の方々からの応援です。沿道から必死に旗を振って応援してくれる方々やエイドステーションで出迎えてくれる方々のたくさんの笑顔に励まされ、さまざまな出会いと感動がありました。

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↑ 地元の方々をはじめたくさんの方々に支えられ運営されたエイドステーション。

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↑ 当社の社員もクルー(ボランティア)としてエイドステーションの運営を手伝いました。

当社からのクルー(ボランティア)は、「ツール・ド・東北」の第8エイドステーションである南三陸町のホテル観洋前エイドステーションにおいて、休憩に訪れるライダーの会場内誘導や飲食の提供などの支援を行いました。

みんなが参加できるイベント!

ツール・ド・東北の大きな特徴は、ライダーとして参加をする方々だけのイベントではなく、地元の方々、ツール・ド・東北クルー(ボランティア)として参加する全国の方々、参加者のご家族、応援する企業の方々など、みんなのお祭りであるという点です。

イベントの前日からは、イベント本部やスタート・ゴール時点が置かれた石巻専修大学に、地元企業やイベントを応援する企業のブースなど、たくさんのブースが立ち並びます。また、子どもからお年寄りまで楽しめる各種イベントが開催され、ライダーのご家族の方々がゴールを待つまでの間に楽しめるように工夫がされています。

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↑ 会場には、地元の名産のブースが立ち並んでおり、ライダーの皆さんも楽しんでいました。

そしていよいよ、フィナーレ。「応援してたら応援されてた」。

おかげさまで、ブレインパッドから参加した20名のライダーは、全員完走することができました。ゴールでは、地元の皆さんをはじめ、たくさんの方々の笑顔に出迎えられ、本来であれば、応援する立場だと思っていたのに、実は自分たちが被災地の皆さんに応援されているという、「応援してたら応援されてた」という本イベントのコンセプトにふさわしい、締めくくりとなりました。

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↑ 全員見事完走しました。

今回、ライダーおよびクルー(ボランティア)として参加した社員からは、以下のような感想が寄せられました。

”道路の復旧が進んでいないため、通行止めの箇所がいくつもありました。また間近で見る仮設住宅は想像以上に小さく、ここで何年も生活し、この先もいつまで続くのか分からない状況にあることに胸が痛みました。”

”被災地を生で目にするのは、テレビや写真で見るのとは全く違うことを痛感しました。震災の爪あとがまだ大きく残っており、まだまだ復興支援が必要だということを肌で感じました。”

”東北の自然の豊かさと人々の優しさ、そして食文化のすばらしさを学びました。”

”現地の皆さんの協力体制などから、思っていた以上に「ツール・ド・東北」が被災地に根ざした大会になっているのだと知ることができました。”

今回のイベントでは、当社の社員にとっても、普段なかなか触れ合うことのできない被災地の方々、全国から集まるライダーの方々と交流し、改めて復興支援について考えるとても良い機会になったようです。

すばらしいイベントを開催された、株式会社河北新報社、ヤフー株式会社をはじめとする主催者の皆さん、運営を支えられたクルー(ボランティア)の皆さん、応援していただいた地元の皆さん、本当にありがとうございました!