Platinum Data Blog by BrainPad

株式会社ブレインパッドのデータ活用に関する取り組みや製品・サービス開発の裏側、社員の日常などをご紹介します。

次世代BIツールSAP® Analytics Cloudが登場!

ブレインパッドが活用支援できるSAP社の新たな分析製品「SAP® Analytics Cloud」について簡単にご紹介します!

初めましてこんにちは。
 
デジタルソリューション本部 プレディクティブマーケティングサービス部の楠です。
皆さんは、新年は良いスタートができたでしょうか?
私は新年早々、1歳になる娘に眼鏡を壊され、なんとも先行きが不安なスタートでした。
ですが、こちらでは先行きの明るい情報として SAP社の新たな分析製品であるSAP® Analytics Cloudについて簡単にご紹介いたします。

1.SAP® Analytics Cloudの概念
2.SAP® Analytics Cloudの概要
3.SAP® Analytics Cloudの機能
4.今後の展望

■SAP® Analytics Cloudの概念

まず始めに、分析には4つの段階があるのをご存知でしょうか?
分析の4段階には下記があります。
何が起きたのか?(帳票・レポート)
何故起きたのか?(可視化)
何が起きるのか?(予測)
どう実現するか?(処方)
 
業務に応じてこれらの段階から行いたい分析内容を選択し、分析していきます。
しかし、多くの企業はこの分析の各段階を別々の製品を用いて分析しています。
 
帳票 :Excel
可視化:BI製品
予測 :BA製品  といった形です。
 
そんな悩みをSAP® Analytics Cloudは解決してくれます。
SAP® Analytics Cloudは次世代のBIツールとされており、SAP® Analytics Cloud一つで帳票・レポートから予測まで対応することが可能です。

■SAP® Analytics Cloudの概要

SAP® Analytics CloudはSAP社が保持するこれら3つの製品を合わせてクラウド化したものとなります。
SAP® BusinessObjects BI (SAP® BO):https://www.sap.com/japan/products/bi-platform.html
SAP® Business Planning and Consolidation (SAP® BPC):https://www.sap.com/japan/products/bpc.html
SAP® Predictive Analytics (SAP® PA):https://www.sap.com/japan/products/predictive-analytics.html
 
SAP® BOは帳票・レポートと可視化ができる製品です。
Web環境でユーザーフレンドリーなBIを利用することができ、アドホッククエリー、レポート、分析を実行してトレンドや根本原因を把握することが出来ます。
また、Excelと接続し、Excelからデータのフィルタリングや操作を行うことも可能です。


出典※1


SAP® BPCは事業計画、予算編成、事業予測、財務連結の機能を持っている製品です。
事業計画及び連結のための機能を備えていたり、予算編成では、集計や配分などの手作業によるプロセスを自動化する機能を持っています。
予算編成と事業予測では、予測シミュレーションとしてwhat-if分析が行えます。
また、こちらもExcelと接続可能となっています。


出典※2


SAP® PAは予測分析が可能な製品です。
統計的な知識を必要とせず分類・回帰・時系列などの予測モデルの作成や、クラスタリング、ソーシャルネットワーク分析、レコメンデーションなど、様々な分析モデルを作成することが可能です。
また、データクレンジングやデータ加工、スコアリングまで、予測分析に必要な機能を全て搭載した製品となっています。

出典※3


これらの機能を搭載しているため、帳票・レポート→可視化→予測まで、全ての分析に対応することが出来るのです。

当社は予測分析を主として行っているので、ここからは予測分析に焦点を当ててご説明いたします。

■SAP® Analytics Cloudの機能

【データのインポート方法】

SAP® Analytics Cloudは様々なデータ形式をサポートしています。

SAP® HANAやSAP® ERPなどSAP社の各種製品や、Googleドライブ、Salesforce、SQL Databaseなど、計17のデータソースからデータを取得することが可能です。
もちろんCSVやXLSXなどのフラットファイルも対応しているので、簡単にデータを取り込むことが可能です。

SAP® Analytics Cloudの構成としては、裏にはSAP® Cloud Platformが動いており、SAP® Analytics Cloudで取得したデータは全てSAP® Cloud Plattformに複製されます。

SAP® Cloud PlattformはSAP® HANAのクラウド版であるため、HANAの特長である高速分析が可能となっています。

出典※4

【データ取得から、データ活用までの流れ】

SAP® Analytics Cloudのデータ活用までの流れとしては、データソースからデータを取得した後、
分析の基本となる「モデル」を作成し、グラフを並べた「ストーリー」を作成、
そして経営層がデータを見ながら会議するための「デジタルボードルーム」を作成します。

出典※4

【モデル】

モデルは、SAP® Analytics Cloudにおいて全てのデータの基礎となります。
モデルの主要な機能には、データ、階層、通貨、勘定、および式を分析するために使用されているメジャーとディメンションがあります。
テーブル、チャート、ドキュメント、およびストーリーの作成まで、モデルがベースとなり作成されます。

出典※4

【ストーリー】

ストーリーとは、キャンパスの上にテーブルやチャートなど、様々な可視化コンポーネントを配置し、伝えたい物語を作成する分析用ダッシュボードのことを指します。

可視化コンポーネントは「比較・傾向・配布、相関、フラグ、その他」の6種類に分かれ、計22種のグラフがあります。
基本的な棒グラフ、線グラフ、円グラフに加え、ヒートマップ、レーダー、バブル、散布図など、様々な表現方法があります。

出典※4

これらグラフの設定は非常に簡単になっており、「メジャー」と「ディメンション」を設定するだけとなっています。

メジャーとは数値を指し、どんな値を見たいかを設定します。

ディメンションは分析軸を指し、どの基準でデータを分けるかを設定します。
今回はSAP® PAのサンプルデータを用いて実際に分析例をご紹介いたします。

利用するデータは顧客マスタに商品購入フラグを結合したものとなります。

顧客IDごとに、年齢や性別、収入、居住地区、居住年数、仕事などに加え、ProductA購入フラグ、ProductB購入フラグ、ProductC購入フラグといったカラムが存在します。

試しに、収入が高い年齢TOP10を見ていきましょう。

まず初めに収入が見たいので、メジャーには「Income」を設定します。

そして、年齢ごとにグラフを分けたいので、ディメンションに「Age」を設定します。

これで年齢ごとの収入グラフが完成しました。

ですが、このままだと年齢順の並びになっているので、誰が収入が多いか分からないですし、横軸に全ての年齢を並べようとしているためTOP10にしぼるのが大変です。

なので、一つずつ設定を加えていきます。

並び順の変更のためグラフ横のリストから「並び替えオプション」を選択します。
「Income」の「最高値から最低値へ」を選択すると、並びが変更されます。

続いて、横軸に表示する件数を変更するため、グラフ横のリストから「上位Nオプションの選択」を選択します。
今回はTOP10が見たいので、「上位Nオプション」を選択します。

すると表示件数や並びなどが選択できます。
今回は値を「10」に変更し、「適用」を押下します。


これで、収入が高いTOP10の年齢が分かりました。
このデータでは、30代前半が収入が高く上位にきていることが分かりますね。

このように基本的にメジャーとディメンションを設定するだけで、簡単にグラフが作成でき、順番の変更や表示件数の変更など、細かなオプションが揃っているので、見たいグラフの形を再現できると思います。


【デジタルボードルーム】

デジタルボードルームとは、経営会議などで用いるためのダッシュボードとなります。
SAP® Analytics Cloud上に構築され、企業の重要なビジネス指標について、信頼できる唯一の情報源を提供するアプリケーションとなっています。

3枚のマルチタップスクリーンを用いて、ビジネスインテリジェンス、予算分析、計画策定、予実管理をインタラクティブな機能として提供することで、会議において意思決定者はその場で質問、ドリルダウン、複数シナリオをシミュレートし、ためらうことなく最も適切な経営判断を行うことが可能となります。

出典※4

SAP社が紹介している動画もありますので、こちらもご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=F04DNZr2NkA

【便利な自動分析と予測分析の機能紹介】

SAP® Analytics Cloudのストーリーでは、可視化コンポーネントの作成だけでなく原因分析や予測分析をAIが自動作成してくれる機能も存在します。
自動分析と予測分析の機能は下記の5つです。

スマートプレディクト
スマートインサイト
スマートディスカバリ
スマートグルーピング
自動時系列予測



それぞれについてご紹介いたします。

【スマートプレディクト】

スマートプレディクトは、分類、回帰、時系列などの予測ができる機能です。
SAP® PAで行っていた予測分析の機能が搭載されたもので、統計の知識がなくても予測分析ができるユーザーフレンドリーな高機能予測分析機能となります。
現在は、無料トライアルでは使用できない環境にありますが、今後、皆さまも触っていただける形になると思います。

新たな情報が出たら、またお知らせいたします。


【スマートインサイト】

スマートインサイトは、任意のチャートにおける原因分析をAIで行う機能です。
例えば、先ほど作成したグラフで、30歳が最も収入が高いと出ていましたが、これが何故なのかなど、原因分析をしたい場合があります。
通常は原因分析ができるように、自身でさらにグラフを何個か用意し、深堀していきますが、SAP® Analytics CloudはAIが自動で原因分析してくれます。

深堀したい30歳の棒を選択します。
するとリストが表示されるので、一番右の「スマートインサイト」を選択します。
これだけでAIが自動で原因分析を行います。

結果を見ると、金融が平均を159%上回っていると出ました。
30歳の人は金融業界で働いている人が多く、収入が高かったということですね。
非常に分かりやすい結果でした。

このスマートインサイトの結果をグラフ化することも可能なので、上司への報告にもそのまま活用できます。


【スマートディスカバリ】

スマートディスカバリは、KPIのインフルエンサー発見のためのビジュアライゼーションとテキストによる洞察をAIが自動生成し、分析のきっかけを提供する機能です。

この機能を使用すると、AIが分析を行い、洞察が導き出せるストーリーを自動で作成します。
スマートディスカバリを実行するための設定は非常に簡単で、これも「メジャー」と「ディメンション」を設定するだけとなります。

では、先ほどのデータを用いて、ProductBが購入される理由を洞察したいと思います。

メニューバーの「ツール」から「スマートディスカバリ」を選択します。

「メジャー/ディメンションの選択」を押下し、「ProductB」を選択します。
すると、「分類グループの設定」画面が表示されるので、今回ProductBを購入した人を分析するために、「1」をターゲットグループに移動し、「OK」を選択します。

今回は特にディメンションを設定する必要がないので、このまま「実行」を選択するだけで作成完了です。
スマートディスカバリのストーリーが作成されるので、少々待ちます。

すると、スマートディスカバリにより、二つのストーリーが作成されたことが確認できます。

「ProductBの概要」ストーリーでは、購入した人、購入しなかった人それぞれの特徴の違いが表現されているグラフが並んでいます。

「キーインフルエンサー」ストーリーでは、ProductBが「1」となった原因が表現されているグラフが並んでいます。

この結果を見ると、「City」「ProductA」「Residence_year」の順で大きな影響を与えていることが分かります。
地域性が購入に関わっていて、且つ、ProductAを購入していてResidence_yearが長い人が購入につながっていると言えます。
こちらも非常に分かりやすい結果となりました。


【スマートグルーピング】

スマートグルーピングは、バブルチャートや散布図にて、プロットされたデータ要素の相関関係をAIが分析し、指定されたグループ数への分類を自動実行し、色分けしてグラフに表示する機能です。

試しに収入と年齢の相関を見て、どういった層が多いのか見てみようと思います。
散布図にて、縦軸に収入、横軸に年齢とし、顧客IDごとにプロットしてみたものにスマートグルーピングを実行します。

X軸:Age、Y軸:Income、ディメンション:CustomerIDで設定します。

このままだと、プロットされた顧客IDがバラバラに分かれてしまっており、人が目で見てグルーピングするには難しいと思います。
なので、スマートグルーピングを使って、AIにグルーピングしてもらおうと思います。

スマートグルーピングをONにします。
デフォルトのグループ数は2となっており、自動でグルーピングされることが分かると思います。

人が分けづらいグラフでも、スマートグルーピングを使えば、自動でグルーピングを行ってくれるため、非常に簡単に相関関係を分析することが可能です。

また、グループ数は最大6まで設定することが可能です。

こうしてみると、人では分けられない決め方でAIがグルーピングをしていることがより分かると思います。


【自動時系列予測】

自動時系列予測は、折れ線で表現される時系列グラフの未来をAIが自動で予測してくれる機能です。

例えば日毎の売上データがある場合は、2週間先の未来まで売上がどう推移していくか予測してくれるものになります。

先ほどまでのデータは日付が含まれないデータであり、本機能を試せないデータなので、他のデータを用います。

ここではSAP® PAのサンプルデータであるCASH FLOWを用います。

CASH FLOWは名の通り、日毎のCASHが示されたトランザクションデータになります。
CASHと日付以外には、第何週、第何月曜日、第何火曜日など、日付を説明する変数が23変数あります。

2001/1/2~2001/12/28まで全ての変数が入力されており、2018/12/28~2002/1/31のデータはCASH以外のデータしか入力されていない状態です。
そのため、2018/12/28以降のCASHの流れを自動時系列予測の機能を使って予測したいと思います。

まず、時系列のチャートを選択し、メジャー:Cash、時間:Dateを選択します。

グラフが表示されていると思います。
季節性なのか、イベントなのか、CASHが周期的に盛り上がっていることが分かると思います。

続いてグラフ横の「予測追加」を押下します。
すると、SAP® Analytics Cloudが自動で予測を開始します。

点線が予測されるCASHの値であり、実線が実際のCASHの値、青く塗られた範囲が予測誤差範囲となっています。

未来の予測は予測誤差範囲内で収まるであろうと計算され、この誤差範囲が狭いほど精度が良いと言えます。

今回は2001/12/28~2002/2/16の間が予測され、誤差範囲が表示されています。
点線を見ると、大まかに実線の動きを捉えていることが分かります。
周期的に盛り上がっている箇所は、誤差はあるものの、多少予測できていることも分かります。

精度はまだまだこれから期待するところですが、こちらも簡単に予測ができる便利な機能となっています。


■今後の展望

いかがでしたか?

今回は可視化機能と、自動分析・予測分析機能についてご紹介しましたが、その他にもSAP® BPCで保持していた事業計画・予算管理等の機能も追加されているため、紹介しきれていない機能がたくさんあります。

また、こちらでご紹介できませんでしたが、SAP® Analytics CloudはExcelで操作する機能もあるため、全てSAP® Analytics Cloudで完結できるというのも魅力的なポイントではないでしょうか。


昨今データ分析の需要はますます増しています。

業界最大規模のICTアドバイザリ企業であるガートナーによると、「各企業がIT投資を何に行っているか」の調査の結果、「BI/アナリティクス」が10年前から1位を取り続けており、各企業が差別化のため、データ分析に取り組んでいると発表しています。

そのBIツールは進化を続けており、BIツールは今後、セルフBIツールから拡張型アナリティクスに進化するとガートナーは唱えています。

拡張型アナリティクスとは、AIが分析のサポートを行い、データの前処理や、データ内のパターン検出、結果の共有と運用化が、自動化されてくるというものです。

今までのセルフBIツールは、営業やマーケッターなど非エンジニアには扱うことが難しいものであり、分析担当やデータサイエンティストに分析依頼をかけなければならず、手間も時間もかかり、精度も出しづらかったというのが現実です。

拡張型アナリティクスでは、AIが分析のサポートをしてくれるため、分析の知識がない営業やマーケッターが分析できるようになり、そういった現場の方がシティズンサイエンティストと呼ばれると言われています。

SAP® Analytics Cloudもこの次世代BIツールである拡張型アナリティクスに位置付けられており、現場の方が使えるように現在も開発が進められております。

ただ、次世代BIツールと呼ばれているだけあり、まだまだ開発中でもあります。
参考になる日本語のサイトは極めて限られていたり、様々な製品を合わせたもののため、機能が多く把握するのが大変であったりと、これから期待したい部分もたくさんあるというのが事実です。

現在SAP® Analytics Cloudは30日間無料トライアルを実施しています。
自動で簡単に、高速で高精度に、そんな次世代BIツールに触れてみてはいかがでしょうか?
http://discover.sapanalytics.cloud/trialrequest-auto-1/

当社はSAP® Analytics Cloudの活用支援も行っております。
企業の成長にはスピードが命。現場で使える次世代アナリティクスにご興味がありましたら、ぜひご連絡ください。

一緒に日本のデータ活用を盛り上げていきましょう。


【出典元】
※1:https://www.sap.com/japan/products/bi-platform.html
※2:https://www.sap.com/japan/products/bpc.html
※3:https://www.sap.com/japan/products/predictive-analytics.html
※4:SAP社提供の資料 “SAP® Analytics Cloudのご紹介” より抜粋


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